公開講座

大阪大学理学部数学教室では、数学に興味を持つ若い皆さんのために、現代数学の様相と数学研究の実際、自然科学や社会科学に及ぼす数学の影響、文化としての数学の在り方などについて、多角的な視点から易しく解説する公開講座を以下の要領で開催します。受講料は無料で、事前申し込みも不要です。

平成25年度の詳細

日程: 平成25年8月20日(火)
時間: 14:30~
会場: 大阪大学豊中キャンパス 理学研究科 F棟102教室
対象: 主として高校生(引率の先生も含む)
講師: 石田 政司(数学専攻)
テーマ: 「ガウス-ボンネの定理」をめぐって
概要: 三角形に対して、 (頂点の数)-(辺の数)+(面の数)を考えます。 答えはすぐにわかるように 1 ですね。同様のことを四角形に対して考えると、 やはり答えは 1 です。より複雑な多角形に対して同様のことを考えても、 答えは 1 です。さらに、多面体に対して同様の和を考えると、 答えは常に 2 であることが知られています。 これは 17世紀のイタリアに生まれて活躍した数学者オイラーが最初に発表したと言われており、 現在、オイラーの多面体定理と呼ばれています。 ここで考えた(頂点の数)-(辺の数)+(面の数)をオイラー数と呼びます。 オイラー数は球面やドーナツなどの、 多角形や多面体のような角がない滑らかな図形に対しても考えることができます。 ところで、球面やドーナツは曲がっていますね。 何と、その曲がり具合とオイラー数が密接に関係しているということが知られています。 それが、ガウス-ボンネの定理と言われているものです。 ガウス-ボンネの定理はその主張の重要性のみならず、現代幾何学の源泉としての重要性も兼ね備えており、 例えば、指数定理と呼ばれる、より高度な数学にも密接に関係しています。 講演では、以上のような、ガウス-ボンネの定理にまつわる話をしてみたいと思います。

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