スタッフ

吉永 正彦 (Masahiko Yoshinaga)

Email yoshinaga(@math.sci.osaka-u.ac.jp をつけてください)
研究分野
Research
代数学・トポロジー・組合せ論
Algebra, Topology, Combinatorics
キーワード
Keywords
超平面配置、被覆空間、順序集合、多面体、格子点、オイラー標数
Hyperplane arrangements, covering spaces, posets, polytopes, lattice points, Euler characteristics
URL http://www4.math.sci.osaka-u.ac.jp/~yoshinaga/

 研究の大まかな方向性としては、離散的な構造と幾何学的な構造(図形の形)の関係を位相幾何的・組み合わせ論的・代数幾何的手法で調べることに興味を持っています。中心的な研究対象は超平面配置です。超平面配置は、n 次元空間の中に、(n-1) 次元部分空間をいくつか置いたものですが、数学の様々な分野で自然に表れる対象です。超平面配置があると、実領域(部屋)や格子点、また配置に含まれるいくつかの超平面の共通部分として定まる部分空間たちのなすポセット(半順序集合)など、様々な離散構造が得られます。一方、超平面配置の補集合は位相幾何学的に興味深い空間です。超平面配置の構造は、対数的ベクトル場のなす加群など代数的な対象とも関係しています。ここ数年取り組んでいるのは以下のテーマです。
(1) 対数的ベクトル場の加群の自由性と基底の構成。
(2) ミルナーファイバーや被覆空間の位相幾何的な研究。
(3) 格子点の数え上げ理論と特性準多項式。
このうち(1)は代数幾何学や表現論との接点を持ち、最近は量子可積分系の知見に刺激を受けつつ進展しています。(2) では20・12面体と呼ばれる多面体から定まる超平面配置が、この方面で長年信じられていた予想を裏切る面白い性質を持つことが数年前に見つかりました。(3)は多面体論、トーラス上の部分トーラス配置の理論、グラフやマトロイドのTutte多項式の一般化など、多くのテーマとの関係が明らかになりつつあります。
 数え上げ関数の背後にある構造への興味から、種々の組み合わせ論的現象の幾何学的実現、圏化などにも興味があります。圏論の研究者等が導入した、距離空間のマグニチュードの研究も進めています。少し離れますが、円周率のように、積分表示や級数表示を持つ実数(周期)についても興味を持っています。