スタッフ

菊田 康平 (Kohei KIKUTA)

Email kikuta(@math.sci.osaka-u.ac.jp をつけてください)
研究分野
Research
代数幾何学, 群論
Algebraic geometry, Group theory
キーワード
Keywords
自己同値群, 導来圏, K3曲面
Autoequivalence group, Derived category, K3 surface
URL https://sites.google.com/view/koheikikuta-math/home

代数多様体,特にK3曲面の導来圏の自己同値群を研究しています.導来圏とは,代数多様体上の連接層からなる複体と,その間の射を用いて定まる圏であり,代数多様体の情報を多く含んでいます.導来圏の自己同値群とは,ちょうど代数多様体の自己同"型"群に相当するものです.自己同型射の引き戻しを考えることで,自己同型群は自然に自己同値群に埋め込まれます.導来圏の自己同値群は,群論においても興味深い研究対象となっています.

自己同値群を理解するには,コホモロジー群への作用だけでは不十分であることが分かっています.そこで弦理論に端を発するホモロジー的ミラー対称性を根拠に,(シンプレクティック)写像類群との比較を考えます.群論の研究の大先輩である写像類群の歴史を遡ることで,豊富なアイデアが得られます.実際に写像類群との類似をもとに,これまで自己同値群の群論的,距離幾何学的,力学系的研究を行ってきました.しかしまだまだ未開拓な領域です.数学のあらゆる分野の手法を用いて,K3曲面の自己同値群を網羅的に研究することを自分のテーマと位置付け,日々取り組んでいます.