- 2013/4/12 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
三枝洋一(京大理)
Rapoport-Zink 空間の l 進コホモロジーと Zelevinsky involution
Rapoport-Zink 空間とは,構造付き p 可除群の準同種写像による
変形空間であり,志村多様体の局所版にあたるものである.
その l 進コホモロジーは局所ラングランズ対応を用いて記述されると
期待されている.
本講演では,表現論的な操作である Zelevinsky involution と
l 進コホモロジーを関係づける結果を紹介し,それが
Rapoport-Zink 空間の l 進コホモロジーの決定に
どのように用いられるかを述べる.
- 2013/4/12 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
中村勇哉(Tokyo univ.)
On semi-continuity problems for minimal log discrepancies
- 2013/4/12 代数幾何・複素幾何セミナー 16:30--18:00 理学部 b棟 b342/346(いつもと時間が異なることにご注意下さい)
Sai-Kee Yeung(Purdue univ.)
On Finsler metric of negative curvature and Kobayashi hyperbolicity of families of canonically polarized manifolds.
- 2013/4/12 微分方程式セミナー 16:30--18:00 E316/318
西山尚志(和歌山大学)
摩擦項をもつ波動方程式の解の漸近挙動について
摩擦項を持つ波動方程式の解は, 摩擦が十分大きい場合,
熱方程式の解に漸近すると期待される.
講演では, 抽象的な設定の下で, このことを説明する.
また具体的な場合における応用などについても触れたい.
- 2013/4/15 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
Jeff Viaclovsky(University of Wisconsin)
Critical metrics on connected sums of Einstein manifolds in dimension 4
- 2013/4/15 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
戸田幸伸(IPMU)
導来圏の安定性条件とDonaldson-Thomas不変量
- 2013/4/22 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
山口哲(大阪大学理学研究科 物理)
D4-D2-D0系のBPS状態の数え上げについて
- 2013/4/26 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
砂川秀明(大阪大学 理学研究科)
非線形シュレディンガー方程式系の解の減衰に関する一注意
非線形シュレディンガー方程式系の解の減衰に関する李春花さんによる
2012年の結果に対して、ささやかな注意を与えたいと思います。
本講演の内容は、片山聡一郎さんと李さんとの共同研究に基づきます。
- 2013/4/26 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
Andrew Booker(京都大学)
Some remarks on converse theorems for automorphic representations
I will discuss some ways of weakening the hypotheses of the
GL(2) and GL(3) converse theorems over number fields. In particular, I
will describe a version of Weil's classical converse theorem that
allows for arbitrary poles for almost all twists. If time permits, I
will mention applications to Artin representations and Saito-Kurokawa
lifts. This is joint work with Muthu Krishnamurthy (University of
Iowa).
- 2013/5/10 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
新里智行(大阪大学 理学研究科)
Asymptotics of solutions to the generalized Ostrovsky equation
水面波を記述する方程式の一種である
Ostrovsky方程式の漸近挙動を考える。
この方程式は線形部分に負の指数の微分作用素
が含まれていることが特徴である。
本講演では特に、KdV方程式などの他の分散型方程式と
取り扱いが異なる点を中心に述べたい。
- 2013/5/13 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
石田政司(大阪大学 理学研究科)
Diameter bounds under geometric flows
Perelmanによって導入されたW-汎関数の単調性を応用することで
, Ricci flowに沿った多様体の直径評価が得られることが知られている. 一方, Ricc
i flowは対称テンソルに関する, ある意味で最も単純なgeometric flowであり, その
様々な一般化が導入されている. 本講演では, Ricci flowおよびその一般化を特殊な
場合として含むgeometric flowを考察し, それに沿った多様体の直径評価についてお
話しさせて頂く予定である.
- 2013/5/14 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
荻原 哲平(大阪大学 金融・保険教育研究センター)
非同期観測拡散過程に対する推定量の漸近的効率性
- 2013/5/15 阪大力学系・フラクタルセミナー 16:30--18:00 数学教室 新セミナー室(D505)
下村健吾(大阪大学大学院 情報科学研究科 情報基礎数学専攻D2)
overlapするシェルピンスキーガスケットのHausdorff次元について
- 2013/5/17 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Tarig Abdelgadir(KIAS)
Refined representations of the McKay quiver
Take G an abelian subgroup of SL(n,C) (n<=3). Craw and Ishii show varying the stability condition on a moduli space of McKay quiver representations recovers all projective crepant resolutions of the singularity A^n/G. In this talk we will recover the stack [A^n/G] (a noncommutative crepant resolution) from the McKay quiver. We will then relate it to a commutative resolution via a change of stability conditions on a moduli space of refined representations of the McKay quiver.
- 2013/5/17 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
平野幹(愛媛大学)
Ramanujan 巡回グラフについての一考察
有限単純k-正則グラフがRamanujanであるとは、隣接行列の非自明な(絶対値)最大固有値がRamanujan bound(k-1の平方根の2倍)以下であることを言う。このRamanujanグラフは「連結度の高いグラフ」を意味し、特に、固定されたkに対して頂点の個数が無限に多くなるk-正則Ramanujanグラフの無限族を構成するという問題は多くの深い数学と関連し、Lubotzkyをはじめとする純粋数学者のみならず応用数学者らによっても活発に研究されている。本講演では, 上記の問題とは別の問題を設定し、巡回群のCayleyグラフの無限族に対するRamanujan性と解析数論における予想(Hardy-Littlewood, Bateman-Horn 予想)との関連について述べる。(愛媛大学の山崎義徳氏、堅田晃平氏との共同研究)
- 2013/5/17 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
加藤圭一(東京理科大学)
波束変換のシュレーディンガー方程式への応用
波束変換を用いて,時間に依存するポテンシャルをもつ線形シュレーディンガー方程式を
剰余項付きの1階の偏微分方程式に変換し,それを積分方程式に変形することができる.
本講演では,その積分方程式を用いて,解の特異性および時間無限大での漸近挙動についての考
察を行う.
なお,本講演は,小林政晴氏(山形大)および伊藤真吾氏(北里大)との共同研究に基づくもの
である.
- 2013/5/20 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
浜向直(東京大学大学院数理科学研究科)
格子点上の離散等周不等式
n次元格子点の部分集合に対して定義された体積と表面積が満たす不等式、
離散等周不等式を導き、等号を成立させる最適な図形は立方体に限ることを示す。
証明は古典的な等周不等式に対するX. Cabreのアイデアに基づく。
これは楕円型偏微分方程式の解に対する(Aleksandrov-Bakelman-Pucciの)
最大値原理の証明手法を用いるもので、本講演ではNeumann境界条件付きの
差分Poisson方程式の可解性を示し、その解に対してCabreの手法を応用する。
Cabreによる元々のアイデアと、離散化した場合の非自明な点を中心に解説する。
- 2013/5/20 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
Igor Reider(Universite d'Angers)
Nonabelian Jacobian of smooth projective surfaces
- 2013/5/24 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
澤野嘉宏(首都大学東京)
Hardy spaces with variable exponents
The aim of this talk is to consider Hardy spaces with variable
exponents.
Hardy spaces are usually defined for $0<p \le 1$ and they often serve
as substitutes of the corresponding Lebesgue spaces.
However, when $p=1$, $H^p$ is a subset of $L^1$ and when $p<1$,
$H^p$ is not contained in $L^1_{\rm loc}$ or ${\mathcal S}'$.
Therefore, according to the parameter, $H^p$ turns out to be
a completely different space. In this talk, including the trivial fact
$H^p=L^p$
when $p>1$, we are oriented to the unification of different aspect of
the theory of Hardy spaces.
- 2013/5/27 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
石田政司(大阪大学 理学研究科)
On four-dimensional Einstein manifolds
- 2013/5/28 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
日野 正訓(大阪大学 基礎工学研究科)
Wiener空間上の局所BV関数
- 2013/5/31 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
横山俊一(九大IMI / JST CREST)
保型性予想の周辺における最近の計算機的進展
近年の計算機の性能向上, およびシステム・パッケージの 整備によって, 10年前には不可能とされていた計算が続々と 可能になった. 特に最近の計算機整数論の風潮として, 保型性予想の周辺, 特にモジュラー形式, 楕円曲線と 代数多様体, Galois 表現といった様々な構造物が計算機上で 実現出来るようになり, その性能も日に日に向上しつつある. 更にここ2,3年の新展開として, GitHub 等に代表される, 分散型バージョン管理システムによる共有ウェブサービスを 用いた数式処理開発も始まり, オープンソースを意識した 新しい数式処理システムも生まれつつある. この講演では, 特にモジュラー形式を中心として, 最近の 計算機への実装状況やアルゴリズムの開発状況について, 講演者の仕事を交えて紹介する. 適宜実演を交えつつ, 何が 「使える or 使えない」のかを実感して頂ければ幸いである.
- 2013/5/31 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
永安聖(兵庫県立大学)
Increasing stability of the inverse boundary value problem for the Schr{\"o}dinger equation
シュレディンガー方程式に対する係数決定逆問題の安定性, 特に, その安定性が振動数にどう依存するかについて考える. この種の逆問題は, 振動数を大きくすると安定性が良くなることが数値的に観察されている(例えばColton-Haddar-Piana (2003)). そこで我々は, この現象の数学的な示唆を試み, その結果, ある安定性評価を得ることができたのでそれを報告する. 尚, 以前, 音響方程式に対する同様の逆問題の安定性に関する結果を報告したが, 今回はHahner (1996)のCGO解を使うことなどにより, 音響方程式のときよりも良い安定性評価を得ることができた. そこでその辺りを中心に報告したい. 本研究はVictor Isakov氏, Gunther Uhlmann氏,王振男(Jenn-Nan Wang)氏との共同研究である.
- 2013/6/3 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
藤岡 敦(関西大学システム理工学部数学科)
中心アファイン極小曲面と射影微分幾何
中心アファイン極小曲面は中心アファイン計量の面積積分の臨界曲面として得られる中心アファイン曲面であるが, 固有アファイン球面に対するTzitzeica 変換がこのような曲面族に対して一般化されることから可積分系とも関わるものである. ここでは, 中心アファイン極小曲面に関す
る基本的なことや射影微分幾何との関わりについて述べていきたい.
- 2013/6/5 古典解析セミナー 16:00-- 理学部 B443
岩木 耕平(京大数理研)
Fokas-Its-Kapaev-Novokshenovの公式と完全WKB解析
Fokas-Its-Kapaev-Novokshenovは、著書「Painleve
Transcendents: The Riemann-Hilbert Approach (AMS, 2006)」の中で、
II型Painleve方程式の非線型Stokes現象を記述するある接続公式を
導出した。これは以前から知られていたHastings-McLeodやAblowitz-Segur
らの結果とは異なる、新しい公式であった。講演では、完全WKB解析の観点
から上述のFokas-Its-Kapaev-Novokshenovによる公式が導出できることを
紹介する。
- 2013/6/7 代数幾何・複素幾何セミナー 13:00--14:30 理学部 b棟 b342/346
古川 勝久(早稲田大学)
Cohomological characterization of hyperquadrics of odd dimensions in characteristic two
森氏は任意の標数で接束の豊富性によって射影空間の特徴づけを与えた.
一方, Wahl氏は標数零にて接束のcohomology的性質により射影空間を特徴づけている.
このcohomology的特徴づけについては, 正標数では成立せず,標数2の奇数次元の二次超曲面$Q_{2n-1}$(n > 1)が反例になることが知られている.
そこで, 標数零と異なる状況を生む$Q_{2n-1}$に問題意識をおき, 新たに特徴づけることが研究の目的である.特に, 接束のcohomology的性質と関係するstrangeという性質に着目する.
strange性については, 古典的にはLluis・Samuelの各氏の二次曲線の特徴づけが知られており,
また, Kleiman-Piene両氏により超曲面に対して研究がなされている.
今回は, その一般化として完全交叉多様体$X$を調査し,標数2の$Q_{2n-1}$を除き非特異完全交叉な$X$はstrangeとなり得ないと示し,cohomologyの条件とも結びつけて, 標数2の$Q_{2n-1}$に特徴づけを与える.(なお, arXiv:1304.1634にて本結果についてプレプリントをまとめた.)
- 2013/6/7 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
菅徹(東京工業大学)
2次元非単連結領域上のGel'fand問題の解構造 について
2次元領域上でGel'fand問題(指数関数型非線形項を持つ楕円型境界値問題を考察する. この問題は領域が単連結かそうでないによって, 解の取りうる質量の範囲が大きく
異なることが知られており, その意味で領域の位相的な性質が問題の解構造に大き な影響を与
える. 本講演では特に小さな穴をもつ領域で問題を考察し, その穴に起因する解の構成について議論する.
- 2013/6/10 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
源泰幸(大阪府立大学)
AS正則代数の構造定理
AS正則代数は可換多項式環の次数環としてのホモロジー代数的な性質を抽出して定義される非可換次数環で、
非可換射影幾何学の基本的な研究対象です。
本講演では、AS正則代数は本質的にはFano代数の高次前射影的代数であるという毛利出氏(静岡大学)との共同研究の結果を紹介します。
- 2013/6/14 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
佐藤 周友(中央大学)
ホモトピー不変性を仮定しない Riemann-Roch の定理
本講演では、代数的K理論からある種の条件をみたすコホモロジー理論への
Chern 類の構成と分母なし Riemann-Roch の定理について解説する。
代数的K理論としてGrothendieck 群を考えた場合、Chern 類の構成は
Grothendieck によってなされており、分母なし Riemann-Roch の定理は
Jouanolou, Baum-Fulton-MacPherson によって証明されている。
高次の代数的K群からホモトピー不変性をみたすコホモロジー理論への
Chern 類の構成、およびその場合の分母なし Riemann-Roch の定理の
定式化はGillet によってなされている。
本講演ではコホモロジー理論に対して
1. 1st Chern class の存在
2. 射影束公式 (Dold-Thom 同型)
3. 正則閉埋め込みに関する推進射 (push-forward morphism) の存在
4. 単体的スキームに対する 3 の類似
のみを仮定し、Chern 類の構成と分母なし Riemann-Roch の定理を述べる。
- 2013/6/14 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
北川 潤(University of British Columbia)
MTW条件下における最適輸送問題の解のH\"{o}lder連続性に関して
最適輸送問題(Monge-Kantorovich問題)はBrenierの研究
によりMonge-Amp\'{e}re型方程式と密接な関係にあることはよく知られており,
解の正則性の解析にPDEの理論がしばしば利用される. Ma, Trudinger, Wangは,
解のアプリオリ二階微分評価を導くための条件をいくつか提示し, 連続法により
最適輸送問題の解の正則性を証明した. このうち, MTW条件と呼ばれる
難解なものはLoeperにより正則性における必要条件であることが証明され,
更に幾何学的な捉え方があることも示された. この観点を用いる事により,
Caffarelliによる古典的なMonge-Amp\'{e}re方程式の理論を最適輸送問題へと
拡張することが可能である. 本講演ではこれに関するN. Guillen (UCLA)
との共同研究による結果をいくつか紹介する.
- 2013/6/17 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
田丸博士(広島大学)
Left-invariant metrics on Lie groups and submanifold geometry
- 2013/6/18 低次元トポロジーセミナー 10:30--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Ara Basmajian(CUNY)
Length and intersection number for geodesics on a hyperbolic surface
The main focus of this talk will be on the relationship,
in various contexts, between the length and intersection number
of a closed geodesic on a hyperbolic surface.
- 2013/6/19 阪大力学系・フラクタルセミナー 16:30--18:00 数学教室 新セミナー室(D505)
和田昌昭(大阪大学大学院情報科学研究科)
重み付きグラフおよび対称可積分関数に対する安定カット理論の試み
- 2013/6/21 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
柘植直樹(岐阜大学)
ノズル内を流れる気体の運動-時間大域解の存在と不変領域-
ノズル内を流れる気体の運動を考える。この現象は、圧縮性オイラー
方程式によって記述される。
まず、ノズル内を流れる気体が、物理や工学において、どのように応用
されているのかを説明する。また、ノズル流と、オーロラの原因となる
太陽風との関係にも触れる。
次に、この問題に対する時間大域解の存在について考える。関連する結果
と、本講演の主定理を紹介する。
最後に、時間大域解を証明する上で一番困難な解の有界評価について議論
する。このとき、重要な役割を果たすのが不変領域である。ここでは、空間
変数に依存した不変領域を導入する事で、問題の解決にあたる。
- 2013/6/24 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
杉本充(名古屋大学 多元数理科学研究科)
フーリエ積分作用素の理論とその応用
- 2013/6/24 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
三石史人(東北大学大学院理学研究科数学専攻)
距離空間の局所リプシッツ可縮性と整数係数カレントのホモロジー
距離空間の局所リプシッツ可縮性はとても基本的な性質で、
例えば、ノルム空間、CAT空間、グラフ、アレクサンドロフ空間、
(さらにこれらに局所的に双リプシッツ同相な空間)など、
距離空間の幾何学の多くの対象がこの性質を満たしている事が分かります。
Ambrosio と Kirchheim は2000年に距離空間の中のカレントを定義し、その基本的な性質を調べました。
特に、距離空間 X の中の整数係数カレントでコンパクト台を持つもの全体は鎖複体をなします。
私はもし X が局所リプシッツ可縮ならば、いま述べたカレントの鎖複体のホモロジーと
特異ホモロジーと特異リプシッツホモロジーが一致する事を示しました。
証明には cosheaf という sheaf の双対概念を使います。
講演ではこれらについて報告致します。
- 2013/6/25 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
足立 高徳(一橋大学 国際企業戦略研究科)
A Categorical Framework for Stochastic Processes and Risk Measures
- 2013/6/28 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
佐野 太郎(Warwick)
Deformations of weak Fano manifolds
滑らかな射影多様体の小変形をパラメトライズする倉西空間は、モジュライ空間の局所的な構造を与える重要な対象である。例えば滑らかな代数曲線の倉西空間は滑らかとなり、モジュライ空間はその商として局所的に記述される。2次元以上で特に小平次元が正の場合は倉西空間が滑らかになる事は珍しいが、その一方Fano多様体やCalabi-Yau多様体などの重要な多様体は滑らかな倉西空間を持つことが知られている。本講演では、弱Fano多様体は滑らかな倉西空間を持つ、という結果などについて話す。
- 2013/6/28 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
若槻 聡(金沢大学 自然科学研究科)
2元2次形式の空間に関するL関数とエンドスコピー
最初にLabesse-LanglandsによるSL(2)の跡公式のユニポテント項の安定化と概均
質ゼータ関数の関係について説明する。その後に,2元2次形式の空間に関する2
次指標付きのL関数の明示的公式とSp(2)のエンドスコピーの関係について解説す
る。
- 2013/6/28 代数幾何・複素幾何セミナー 16:30--18:00 理学部 b棟 b342/346
春井 岳(工学院大学)
A classification of automorphism groups of smooth plane curves
The group of automorphisms of a smooth plane curve of degree at least four is isomorphic to a subgroup of the three-dimensional projective linear group. In this talk, I give a classification of automorphism groups of smooth plane curves. As a by-product, it is shown that the most symmetric curve of degree d is isomorphic to Fermat curve unless d is at most four or equal to six.
- 2013/6/28 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
杉本充(名古屋大学多元数理科学研究科)
平滑化評価式の最良定数について
シュレデインガー方程式には様々なタイプの平滑化評価式が知られているが, それらの最良定数に関しては,ある限られた状況に関するものが B. Simon により与えられているに過ぎない. この講演では, より一般の分散型方程式において,かなり広いクラスの平滑化評価式に対してその最良定数を与えるとともに, 最良を実現する初期値の存在・非存在についても併せて論ずる.なおこの講演は, バーミンガム大のN. Bez 氏との最近の共同研究にもとづくものである.
- 2013/7/2 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
須崎 清剛(大阪大学 理学研究科)
A central limit theorem for leafwise diffusion processes on foliated spaces
- 2013/7/5 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
寺杣 友秀(東京大学 大学院数理科学研究科)
Grothendieck Teichmuller群のコホモロジー的表現
Algebroidのコホモロジーを用いてGrothendieck-Teichmuller群の表現を
構成し、その応用として、アソシエータに関するBrown-Zagier恒等式の証明、
超弦アンプリチュードに付随する表現の構成といくつかの性質、
について述べる
- 2013/7/5 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
鈴木貴(大阪大学大学院基礎工学研究科)
勾配不等式と2D Smolchowski-Poisson方程式
- 2013/7/8 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
森山 貴之(三重大学)
佐々木・アインシュタイン多様体のおける特殊ルジャンドル部分多様体の変形について
佐々木・アインシュタイン多様体とは, リーマン多様体であ
り, その計量錐がカラビ・ヤウ(リッチ平坦ケーラー)多様体となるときに言
う. 佐々木・アインシュタイン多様体の部分多様体でその錐が特殊ラグランジュ
部分多様体となるものを特殊ルジャンドル部分多様体と言う. 一般に特殊ルジャ
ンドル部分多様体の変形空間は滑らかになるための障害は消えないが, ある滑ら
かな変形空間の共通部分として表す事ができる. 又, 1次ベッチ数の次元を持つ
滑らかな変形空間が存在する. こういった現象に加え, 極小ルジャンドル部分多
様体としての変形との関係なども報告する.
- 2013/7/16 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Trinh Khanh Duy(大阪大学 理学研究科)
Central limit theorem for moments of spectral measures of Gaussian Wigner matrices.
- 2013/7/19 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
筒井容平(早稲田大学 / OCAMI (大阪市立大学数学研究所))
Global solutions to a chemotaxis system with non-diffusive memory
We treat with a Keller-Segel model with
a logarithmic sensitivity and a non-diffusing chemical on
the whole space. Global and local existence results are then
given for the initial data belonging to some Lebesgue spaces.
In particular, we study the system in the case the initial chemical
substance is constant.
This talk is based on a joint work with Prof. Yoshie Sugiyama (Kyusyu
University) and Prof. J.J.L. Velazquez (University of Bonn).
- 2013/7/19 代数幾何・複素幾何セミナー 16:20--17:50 理学部 b棟 b342/346
北川 真也(岐阜工業高等専門学校)
(V)型の特異ファイバーを 3 本持つ種数 2 の有理ファイバー曲面
種数2曲線束の特異ファイバーの堀川による分類で(V)型と名付けら
れた特異ファイバーを3本もつ有理ファイバー曲面に着目する。このような有理ファイバー曲面は,射影平面の4本の直線に沿って分岐する2重被覆から構成できる。4本の内の3本を固定しても一般性を失わず,双対射影平面をパラメータ空間とする有理ファイバー曲面の族を得る。
特別な18点に対応する有理ファイバー曲面は,3本の(V)型の特異ファイバーの他に特異ファイバーをもたない。一般には既約な特異ファイバーを2本もつ。以上のように特異ファイバーが変化しても,モーデル・ヴェイユ群はいつも自明である。
- 2013/7/19 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
三枝崎 剛(山形大学)
Congruences on the Fourier coefficients of the moonshine mock theta functions
We will talk about the congruences of the Fourier coefficients of the
Mathieu and Umbral mock theta functions, which appear in the moonshine
phenomena discovered by Eguchi-Ooguri-Tachikawa and Cheng-Duncan-Harvey.
In particular, we give a relation between the order of groups and
congruences.
As an application, we prove a conjecture of Cheng, Duncan and Harvey.
- 2013/7/22 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
宇野勝博(大阪大学 全学教育推進機構)
Problems in representation theory and fusion systems of finite groups
Fusion systems are categories which describe conjugate relations among elements of groups. Relationship between problems in representation theory of finite groups and fusion systems is discussed. Some historical points of view are also given.
- 2013/7/23 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
齋藤 洋樹(首都大学東京)
Radon-Nikodym Theorem with Daniell Scheme
- 2013/7/24 阪大力学系・フラクタルセミナー 16:30--18:00 数学教室 新セミナー室(D505)
角 大輝(大阪大学 理学研究科)
オーバーラップを許す有理半群・等角反復関数系のジュリア集合・極限集合のハウスドルフ次元
- 2013/7/26 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
平山浩之(名古屋大学)
Well-posedness for a system of quadratic derivative nonlinear Schr\"odinger equations at the scaling critical regularity
本講演では1階の微分を含む2次の非線型項を持つシュレディンガー方程式
の連立系の初期値問題について考える.
単独の方程式の場合には非線型項における可微分性の損失のため,
一般には通常のソボレフ空間H^{s}における適切性を導くことはできない.
しかし, 連立系でラプラシアンの係数がある条件を満たす場合には
可微分性の損失を回復することができ,
ソボレフ空間における適切性が得られることを示す.
特に高次元の場合には, フーリエ制限ノルムを精密化したU^2, V^2型のノルムを
用いることにより, スケール臨界なソボレフ空間における適切性が得られること
を示す.
- 2013/7/30 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
濱名 裕治(熊本大学)
ベッセル過程の到達時刻に対する Levy 測度について
- 2013/9/30 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
Sai Kee Yeung(Purdue University)
Some geometric, topological and arithmetic problems related to fake compact Hermitian symmetric spaces
- 2013/10/2 古典解析セミナー 16:15-- 理学部数学教室B443
小川原 弘士(慶應義塾大学政策・メディア研究科)
Ostrowski-Kolchin-Hardouin定理の差分代数による別証明
- 2013/10/4 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
中村博昭(大阪大学 理学研究科)
代数曲線のガロア・モノドロミー表現を巡るいくつかの話題
$n$標点付き種数$g$の代数曲線のモジュライ空間のガロア基本群は,
数論と位相幾何学が密接に交錯するprofinite群であるとともに,
$(g,n)$ を固定した場合, 変化させた場合, それぞれに興味深い
数論的な構造を見せることが知られている. この講演では,
ガロア・モノドロミー表現のいくつかの側面に注目してサーベイと,
講演者が最近着目している観察や問題を述べたい.
- 2013/10/7 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
後藤竜司(大阪大学 理学研究科)
Generalized complex structures and generalized Calabi-Yau metrics
- 2013/10/8 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
今村 悠里(立命館大)
タイミングリスクのヘッジエラー
- 2013/10/11 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
若杉勇太(大阪大学 理学研究科)
On diffusion phenomena for the linear wave equation with space-dependent damping
空間変数に依存する摩擦項を持つ線形消散型波動方程式を考える.
本講演では,解の拡散現象,すなわち,解が時間無限大において
対応する熱方程式の解に漸近することを示す.
証明には,Todorova-Yordanovによる重み付きエネルギー評価を,
高階の導関数にまで拡張したものを用いる.
- 2013/10/15 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
山田澄生(学習院大学 理学部)
タイヒミュラー空間上の微分幾何学
- 2013/10/18 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Tuyen Trung Truong(Syracuse University)
Dynamical degrees and applications
- 2013/10/18 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
砂川 秀明(大阪大学 理学研究科)
微分型非線形シュレディンガー方程式系の零構造について
- 2013/10/18 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
菊田俊幸(立命館大学 理工学部)
Siegelモジュラー形式の合同、mod p singularについて
3以上の素数pに対して、重さがp-1のEisenstein級数のq-展開はmod pで1になることが知られ、その重要性が認識されている。Siegelモジュラー形式の場合にも、その対応物の存在はBoecherer-長岡により示されている。
ここでは上記性質「mod pで1」よりも弱い形のものとして、特定のランクrの部分のFourier係数が全てmod pで消えているようなものを考える。興味深いことに、r=n (nは次数)の場合を考えれば、「singular (ランクnの部分が現れないもの)」という概念に辿り着く。
本講演では、特定のランクの部分が全てmod pで消えているような、特殊なモジュラー形式の重さが満たすべき条件を述べる。その帰結としてsingularという概念のmod p版である、「mod p singular」なモジュラー形式に関する結果を報告する。さらにmod p singularな例の具体的構成方法、主結果の簡単な応用について述べる。
以上報告予定の結果は、マンハイム大学のSiegfried Boecherer氏との共同研究によるものである。
- 2013/10/18 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
菊田俊幸(立命館大学 理工学部)
Siegelモジュラー形式の合同、mod p singularについて
3以上の素数pに対して、重さがp-1のEisenstein級数のq-展開はmod pで1になることが知られ、その重要性が認識されている。Siegelモジュラー形式の場合にも、その対応物の存在はBoecherer-長岡により示されている。
ここでは上記性質「mod pで1」よりも弱い形のものとして、特定のランクrの部分のFourier係数が全てmod pで消えているようなものを考える。興味深いことに、r=n (nは次数)の場合を考えれば、「singular (ランクnの部分が現れないもの)」という概念に辿り着く。
本講演では、特定のランクの部分が全てmod pで消えているような、特殊なモジュラー形式の重さが満たすべき条件を述べる。その帰結としてsingularという概念のmod p版である、「mod p singular」なモジュラー形式に関する結果を報告する。さらにmod p singularな例の具体的構成方法、主結果の簡単な応用について述べる。
以上報告予定の結果は、マンハイム大学のSiegfried Boecherer氏との共同研究によるものである。
- 2013/10/21 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
服部広大(東大数理)
Taub-NUT変形の一般化
C^2 上には,互いに等長でない完備リッチ平坦ケーラー計量が
少なくとも2つ存在することが知られている.
一つは言わずと知れたユークリッド計量であり,
もう一つはTaub-NUT 計量と呼ばれる超ケーラー計量である.
この両者は異なる漸近挙動を示すが,Taub-NUT変形と呼ばれる
S^1作用を仲介者とした変形で結ばれている.
この変形を非可換なリー群の作用に対して一般化することにより,
超ケーラー多様体の非常に広い族に対してTaub-NUT変形が定義できることが
Dancerによって知られている.
本講演では,超ケーラー多様体の構造から自然に定まる
正則シンプレクティック構造が,この変形の前と後で不変であることを説明する.
- 2013/10/21 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
志甫淳(東京大学 数理科学研究所)
p進微分方程式と係数つきリジッドコホモロジー
- 2013/10/22 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
安田 和弘(法政大)
不連続ドリフト係数を持つ確率微分方程式の弱近似について
- 2013/10/23 古典解析セミナー 16:15-- 理学部数学教室B443
Jacques Sauloy(Toulouse)
The q-analog of the wild fundamental group and the inverse problem in Galois theory of q-difference equations
The q-analog of the Stokes phenomenon was defined and studied by
Ramis, Sauloy and Zhang and applied to the local analytic classification
(to appear in Asterisque). Then, q-Stokes operators were used by Ramis and
Sauloy to study the Galois group of irregular equations. In the case of
integral slopes, the problem is completely solved, along with the inverse
problem. I shall present these results in a dogmatic way, i.e. without
attempting to justify them.
- 2013/10/25 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
高橋 亮(大阪大学基礎工学研究科)
On the Trudinger-Moser inequality involving the mean field equation with probability measures in 2D
It is known that the optimal mass to assure that the variational functional is
bounded below is 8 pi for the Liouville equation in 2D.
In this talk, we consider this kind of optimality for the mean field equation with
probability measures in 2D.
- 2013/10/28 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
松尾信一郎(大阪大学 理学研究科)
巨大正定数スカラー曲率単位体積計量の貼り合わせ
- 2013/11/1 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Stavros Papadakis(RIMS)
Equivariant degenerations of spherical modules
Given a reductive algebraic group G and an invariant Hilbert function h, Alexeev and Brion have defined a moduli scheme M which parametrizes affine G-schemes X with the property that the coordinate ring of X decomposes, as G-module, according to the function h. The talk will be about joint work with Bart Van Steirteghem (New York) which studies the moduli scheme M under some additional assumptions.
- 2013/11/8 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
片山 聡一郎(和歌山大学)
2次元空間における半線形波動方程式系のエネルギー減衰
2次元空間における半線形波動方程式系の初期値問題を考える.
null 条件よりも弱い条件の下での(小さな初期値に対する)
大域解の存在定理を与える. またその条件を少し強めると,
非線形項は消散構造を持ち, エネルギーが減衰することを示す.
上記の結果は大阪大学の松村昭孝氏と砂川秀明氏との共同研究
に基づくものである.
- 2013/11/11 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
辻 元(上智大学 理工学部)
一般化されたアインシュタイン計量と多重標準系写像
代数多様体の構造を知るのに、その標準環を知ることは重要である。
ここでは、代数多様体の複素構造の変動が標準環の変動にどのように
伝わるのかを、一般化されたアインシュタイン計量の変動を通して
見てみたい。
- 2013/11/12 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
畑 宏明(静岡大)
An optimal consumption problem for general factor models
- 2013/11/15 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
岩成 勇(東北大学)
アーベル多様体の混合モチーフのモチーフ的ガロア群
- 2013/11/15 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
加藤睦也(名古屋大学)
The global Cauchy problems for nonlinear dispersive equations on modulation spaces
本講演ではべき型の非線形項をもつ非線形分散型方程式の初期値問題を考える。
その具体例のひとつであるシュレディンガー方程式では解空間にルベーグ空間を用い
て大域解の一意存在性を述べる際に、
非線形項のべきの指数に上限が必要となることが知られている。その一方で解空間に
モジュレーション空間を用いればその上限を超えて大域解の一意存在性を述べること
が出来る。
しかし、この事実はシュレディンガー方程式のみでしか述べられていない。そこで本
公演では、より一般の非線形分散型方程式の初期値問題に対しても、モジュレーショ
ン空間を用いることで同様の効果が得られることを示す。
- 2013/11/20 阪大力学系・フラクタルセミナー 16:30--18:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Rich Stankewitz (Ball State University, USA)
Dynamics of Mobius Semigroups and the Chaos Game
- 2013/11/26 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
田中 秀幸(立命館大)
On the error estimate for approximate nonlinear filters
- 2013/11/26 確率論セミナー 15:00--16:20 数学教室 大セミナー室(E301)
Freddy Delbaen(ETH Zurich)
Expectiles: a special example of coherent utility functions
- 2013/11/29 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
大野泰生(近畿大学)
多重ゼータ値の和の母関数について
Eulerの研究に起源をもつ多重ゼータ値は、様々 な分野との関連が指摘され様々な手法によって研究されている。 今回は、多重ゼータ値の定義・予想と和公式などの紹介の後、 以前にZagier氏と行った多重ゼータ値の和の母関数に関する研究と これと関連するいくつかの関係式を紹介する予定である。
- 2013/11/29 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
毛利 出(静岡大学)
A moduli space of regular modules over quantum Beilinson algebras
A Fano algebra introduced by Minamoto is roughly speaking a finite dimensional algebra which is derived equivalent to a (noncommutative) Fano variety. Over such an algebra, a notion of regular module was introduced by Herschend, Iyama and Oppermann from the view point of representation theory of finite dimensional algebras. In this talk, we will define the notions of Fano algebra and regular module, discuss relationships with AS-regular algebras, and then calculate moduli spaces of regular modules over some quantum Beilinson algebras, which are the typical examples of Fano algebras, using techniques of noncommutative algebraic geometry.
- 2013/11/29 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
西谷達雄(大阪大学 理学研究科)
強 Gevrey 双曲性について
強双曲性に倣って強 Gevrey 双曲性の考え方を導入し,
強 Gevrey 双曲型指数と2次特性的微分作用素のシンボルの
間の関係を解説する.また強 Gevrey 双曲型指数が
高次 (3次以上) 特性的微分作用素に対してどのような情報を持ち得るのか
その可能性について考察する.
- 2013/12/2 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
松田能文(京都大学大学院理学研究科数学教室)
2次元軌道体の基本群の円周への作用に対する有界オイラー数
連結で向き付けられた閉曲面の基本群の円周への向きを保つ作用に対して,
付随する閉曲面上の円周束のオイラー数をその作用のオイラー数という. 閉曲面のオイラー数が非負であるとき,
その作用のオイラー数の絶対値は閉曲面のオイラー数の絶対値を超えないというMilnor-Woodの不等式が成立する. さらに,
閉曲面のオイラー数が負であるときには,
Milnor-Woodの不等式の等号が成立することとその作用が閉曲面の双曲構造から誘導される双曲平面の理想境界への作用と半共役であることが同値であることが松元重則氏により示されている.
Burger-Iozzi-Wienhardは有界コホモロジーを用いてコンパクトな境界付き曲面の基本群の円周への作用に対してその作用の有界オイラー数と呼ばれる実数値不変量を定義し,
これらの結果を拡張した. この講演では,
2次元軌道体の基本群の円周への作用に対して有界オイラー数を定義しMilnor-Wood型の不等式やその等号成立条件について紹介したい.
- 2013/12/6 微分方程式セミナー 15:30--17:00 E412/E414
清水翔之(大阪市立大学)
Scattering theory for interacting Bose gas
- 2013/12/6 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
河村 尚明(広島大学)
Certain Eisenstein measures for reductive groups and their applications
For a prime number p, the so-called Eisenstein measure in the sense of Katz and Hida is defined as a bounded measure on the ring of p-adic integers with values in the space of p-adic modular forms on GL(2) such that the evaluation at some CM points retrieves the p-adic L-function attached to a Hecke character. In this talk, we will construct similar p-adic measures for either symplectic groups GSp(2g) (g > 1), or quasi-split unitary groups U(n,n) (n > 1). Furthermore, we'll also discuss their possible applications in arithmetic, for instance, to construct some p-adic L-functions by means of the pullback technique.
- 2013/12/9 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
林晋(東大数理)
4n+2次元Spin^c開多様体の指数とその特性部分多様体上への局所化 (Localization of Dirac Operators on 4n+2 Dimensional Open Spin^c Manifolds)
4n+2次元Spin^c多様体のSpin^c構造に付随するdeterminant line bundleの切断
によってDirac作用素の解が切断の零点集合の近傍に局所化することを観察する.
これを用いて4n+2次元Spin^c開多様体とdeterminant line bundleの切断で
supportがコンパクトなもののペアに対して整数値の位相的指数を定義する. こ
れはよく知られた4n+2次元Spin^c閉多様体のDirac作用素の指数の一般化を与え
ている. また応用として4n+2次元Spin^c開多様体の指数と, 特性部分多様体の
Spin構造の指数の間に2倍の関係式が成り立つことを証明する.
We observe that, on a 4n+2 dimensional Spin^c manifold which is not
necessarily closed, solutions of the Dirac equation can be localized by
a section of its determinant line bundle to the neighborhood of its zero
set. If the zero set is compact, an integer-valued topological index of
the Dirac operator can be defined, which gives the generalization of the
usual index defined on a closed 4n+2 dimensional Spin^c manifold. As an
application of this localization method, a relation between the index
and an index of a Dirac operator of its characteristic submanifold will
be shown.
- 2013/12/10 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
間野 修平(統計数理研究所)
Asymptotics of the Pitman random partition via combinatrics
Pitman分割は交換可換性をもつ自然数の確率分割であり,様々な確率現象,統計解析のモデルとして現れる.Pitman分割の各要素のサイズの減少列の漸近分布は2母数Poisson-Dirichlet分布として知られている.本講演では,Pitman分割のPoisson-Dirichlet分布への漸近を組み合わせ論的に考察する.特に,最大値,最小値の極限分布を解析的組み合わせ論における特異点解析の手法により統一的に導出できることを紹介する.
- 2013/12/13 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
岡本葵(京都大学)
Well-posedness for a quadratic derivative nonlinear Schroedinger system at the critical regularity
質量共鳴条件下で非線形項に微分を持つSchroedinger方程式系の初期値問題
を考える.
一般に非線形項が微分を含む場合には強い相互作用を制御することができず
Sobolev空間における適切性は期待できない.
本講演では,null gauge formや零形式といった強い相互作用が相殺する非線形
項を持つ場合を考察する.
非線形項に応じた双線形評価式を示し,Fourier制限ノルムを精密化したU^2,
V^2 型関数空間を
用いて空間3次元以上では尺度臨界Sobolev空間において適切となることを示す.
なお本講演は池田正弘氏(東北大学),岸本展氏(京都大学)との共同研究に基づく
ものである.
- 2013/12/16 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
三浦真人(東大数理)
Mirror symmetry and special values of Riemann's zeta function
- 2013/12/20 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
阿部知行(東京大学カブリIPMU)
p進係数の関数体上のラングランズ対応と小同志予想
本講演ではp進係数,つまり過収束Fアイソクリストタルのラングランズ対応を証明する.
これにより,(ある種の)l進層とアイソクリスタルの一対一対応が導かれる.
これはドリーニュが予想した対応の曲線の場合である.
ドリーニュとドリンフェルトの手法を用いると,高次元の場合もある程度のことが言えるので,それに関しても言及したい.
- 2013/12/20 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
内免大輔(大阪市立大学)
On the Brezis-Nirenberg problem with a Kirchhoff type perturbation
本講演では,Kirchhoff型方程式の正値解の存在について考える。ここで,
Kirchhoff型方程式とは,主要項が解自身の勾配のL^2ノルムの2乗に依存する係
数を持つ非線形楕円型方程式を指す。Alves-Correa-Ma(2005)の結果以来,
このKirchhoff型方程式の境界値問題に対する変分法を用いた解析が盛んに行な
われている。これを受け,本講演では非線形楕円型方程式の変分解析では最も興
味深い問題のひとつである,非線形項がSobolevの臨界指数をもつ問題を考える。
特に,Kirchhoff型方程式の最大の特徴である非局所係数を,Brezis-Nirenberg
問題(1983)に対する摂動と捉えることにより得られる解析結果を報告する。
- 2014/1/6 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
錨 和正(お茶の水女子大学 人間文化創成科学研究科)
曲率次元条件と熱分布
- 2014/1/10 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
多久和英樹(同志社大学)
2階実主要型偏微分作用素に対する弱擬凸性の下でのカーレマン評価
偏微分方程式に対するカーレマン評価は、大きなパラメータと重み関数を持つ評
価式であり、偏微分方程式の解の一意性などを考える際に強力な道具の一つであ
る。カーレマン評価を保証する重み関数として、重み関数の定義する超曲面の擬
凸性に関する条件がよく知られている。今回の講演では、退化した擬凸性の下で
のカーレマン評価について考えたい。
今回の内容は、David Dos Santos Ferreira (Univ. Lorraine, France) 及び
Jerome Le Rousseau (Univ Orleans, France)との共同研究の一部である
- 2014/1/17 代数幾何・複素幾何セミナー 14:50--16:20 理学部 b棟 b342/346
池田 暁志(東大数理)
Stability conditions of a Calabi-Yau $N$ algebra of the $A_n$-quiver
- 2014/1/17 代数幾何・複素幾何セミナー 10:00--11:30 理学部 b棟 b342/346
Alessandra Sarti(Universit\'e de Poitiers)
Automorphisms of irreducible holomorphic symplectic manifolds and lattice theory
- 2014/1/17 整数論保型形式セミナー 16:40--17:40 理学部 b棟 b342/346
原下 秀士(横浜国立大学)
p可除群の葉層の境界について
- 2014/1/17 代数幾何・複素幾何セミナー 13:00--14:30 理学部 b棟 b342/346
白石 勇貴(大阪大学 理学研究科)
cuspidal Weyl群の様々な性質について
本講演は高橋篤史氏,和田健太郎氏との共同研究に基づいています.この講演で扱う対象はorbifold projective lineと導来同値となる,とあるquiver algebraです.このquiver algebraに対する導来圏から得られるgeneralised root systemに付随するWeyl群の性質を調べます.とくに,このWeyl群の生成関係式(generalised Coxeter relation),このWeyl群によるregular orbit spaceの基本群との関係を述べます.さらに時間があれば,このquiver algebraの2-Calabi--Yau completionの導来圏のとある部分三角圏と,それ上のspherical twist functorのなす自己同値群の部分群との関係についても述べます.
- 2014/1/20 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
村上翔太(慶應義塾大学 理工学研究科)
b1=1, b2=0 を満たす複素曲面のDeformation Equivalence Classについて
滑らかな実4次元閉多様体が与えられたとき、Mのホモトピー同値(または微分同相)である複素曲面の Deformation
Equivalence Classの数が有限であるかという問題を考えます。この問に関しては、b1(M)
が1でない場合は、既にFriedman と Morganが解いています。b1(M) =
1である場合に関しては未解決でありますが、特にb2(M) = 0である場合は、Mとホモトピー同値であるような曲面のDeformation
Equivalence Classの数は有限であることを示すことができました。今回、その証明の概略を紹介したいと思います。
- 2014/1/24 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
川上 竜樹(大阪府立大学)
非線形消散型波動方程式の解の熱核への詳細な収束評価
冪乗型の非線形項を持つ消散型波動方程式の解の漸近挙動については
これまでにも多くの結果が得られおり,
適当な条件の下では解が熱核に収束することが知られている.
本講演では初期値に対してモーメントの有界性を仮定した際に,
より詳細な収束評価, およびモーメントの次数に応じた線形近似並びに
非線形近似が得られることを示す.
なお本研究は神戸大学の上田好寛氏との共同研究に基づく.
- 2014/1/29 阪大力学系・フラクタルセミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Johannes Jaerisch(大阪大学 理学研究科)
Dynamics of infinitely generated rational semigroups and multifractal formalism for random complex dynamical systems
We consider the dynamics of possibly infinitely generated semigroups
of rational maps on the Riemann sphere. We introduce nicely expanding
rational semigroups and prove a version of Bowen's formula for the
Hausdorff dimension of the pre-Julia set which will be introduced
likewise. We give applications to non-hyperbolic rational semigroups
by employing the method of inducing. Time permitting, we also discuss
an application of the multifractal formalism to the (i.i.d.) random
dynamics of rational maps on the Riemann sphere. The results are based on a joint work with Hiroki Sumi.
- 2014/1/31 整数論保型形式セミナー 16:40--17:40 理学部 b棟 b342/346
大下達也(京大数理研)
On Kato's Euler systems and higher Fitting ideals of dual fine Selmer groups of elliptic modular forms
In Iwasawa theory, Euler system becomes a bridge between
algebraic objects (Iwasawa modules) and analytic objects.
In this talk, I focus on the Kato's Euler systems for elliptic modular
forms.
By using Kolyvagin derivatives of Kato's Euler systems,
I construct some ``analytic" ideals of Iwasawa algebra
which give upper and lower bounds of higher Fitting ideals of the
Iwasawa module
arising from the dual fine Selmer group in certain senses.
In particular, under the assumption of Iwasawa main conjecture
(and some other conditions),
our ``analytic" ideals determine
the pseudo-isomorphism class of the Iwasawa module.
- 2014/1/31 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
藤田真依(大阪大学 理学研究科)
多重線形フーリエマルチプライヤー作用素に対する重み付き評価について
線形の設定での結果を,多重線形の設定へと拡張する近年の調和解析の研究において,殊にMuckenhouptによるAp重みの理論に関しては,線形の状況に上手く帰着させるという方法がとられていた様に思う.
これに対して'09年,その方法はとらないという意味で,より多重線形らしいAp重みのクラスとして,A. K. Lerner, S. Ombrosi, C. Perez, R. H. Torres,R. Trujillo-Gonzalez により,ベクトル型Apクラスが導入された.
本講演では,マルチプライヤーの滑らかさを積型ソボレフ空間を用いて測る事により,これまで考えられてきた直積型Apクラスと,新しいベクトル型Apクラスの差異を述べたい.本研究は冨田直人氏(大阪大学)との共同研究に基づく.
- 2014/2/20 低次元トポロジーセミナー 10:30--12:00 B443
Woojin Jeon(KIAS)
Singular measure on the limit set of a Kleinian group
- 2014/2/21 低次元トポロジーセミナー 10:30--12:00 B443
Woojin Jeon(KIAS)
Singular measure on the limit set of a Kleinian group II
- 2014/3/11 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Ahmed Kebaier(Paris 13)
Central limit theorem for the Multilevel Monte Carlo Euler method and applications to Asian options
- 2014/3/17 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Marcello Bernardara(Unversit\'e Paul Sabatier)
Derived categories, noncommutative motives and commutative theorems
In this talk, I will present results obtained with G. Tabuada. Given a smooth projective variety, one can consider the dg-category perf(X) and the associated non-commmutative motive NC(X). A bridge between noncommutative and commutative motives allows one to obtain "commutative" invariants such as intermediate Jacobians and Chow groups from the study of semiorthogonal decompositions of Perf(X). One of the appplications is a proof of a conjecture on Chow groups of some intersections of quadrics.
- 2014/3/19 Workshop on Hodge structures, derived categories and related topics 10:00--16:30 D401
(大阪大学 理学研究科)
Workshop on Hodge structures, derived categories and related topics
- 2014/3/20 Workshop on Hodge structures, derived categories and related topics 10:00--16:30 D401
(大阪大学 理学研究科)
Workshop on Hodge structures, derived categories and related topics
- 2014/3/24 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Alexandre Brouste(Universite du Maine)
Parametric estimation in fractional Ornstein-Uhlenbeck process
Several statistical models that imply the fractional Ornstein-Uhlenbeck (fOU) process will be presented: direct observations of the process or partial observations in an additive independent noise, continuous observations or discrete observations. In this different settings, we exhibit large sample (or high-frequency) asymptotical properties of the estimators (maximum likelihood estimator, quadratic variation based estimator, moment estimator, …) for all parameters of interest of the fOU. We also illustrate our results with the R package yuima.