- 2011/4/15 整数論保型形式セミナー -- 数学教室 新セミナー室(D505)
原隆(大阪大学 理学研究科)
総実代数体の非可換岩澤主予想について
総実代数体の非可換岩澤主予想は、
アンドリュー・ワイルズが証明した総実代数体の古典的な
岩澤主予想の〈非可換〉拡張であり、加藤和也、ユルゲン・リッター、
アルフレッド・ヴァイス、マヘシュ・カクデ及び講演者の仕事に基づいて、
最終的に2010年にリッター-ヴァイス並びにカクデに依って独立に証明されるに
至った。
本講演では最初に総実代数体の非可換岩澤主予想の定式化を行い、
その定式化が古典的な岩澤主予想の〈非可換〉拡張と見做せることを
解説した後に証明の大雑把な流れについて概説する。時間が許せば
同変玉河数予想への応用やこれからの展望についても可能な限り触れたい。
- 2011/4/15 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
室谷 大輔 氏(大阪大学 理学研究科)
Large time behavior of solutions for a class of cubic semilinear wave equations in 2D
本研究では、3次の非線形項をもつ2次元波動方程式を考察する。
この場合は、P.Godin (1993)にも記されているように、どんなに小さな
初期データでも有限時間後に解が爆発する例があるため、一般的には
時間大域解の存在は期待できない。しかし、非線形項の形状に関する
ある条件(零条件)を満たす場合、時間大域解が得られることが知られている。
本講演の目的は、時間大域解を得るためのその条件よりも弱い条件を与え、
その条件下における大域解の長時間挙動、時間のL^\infty decayを
調べることである。
- 2011/4/18 幾何セミナー 13:00--14:30 理学部 b棟 b342/346
松尾信一郎(京都大学理学研究科数学)
非コンパクト四次元多様体上のゲージ理論とGromovの平均次元
- 2011/4/22 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
山田 義雄 氏(早稲田大学 理工学術院 基幹理工学部)
生物種の侵入をモデルとする自由境界問題について
本講演では,外来種の侵入とその棲息領域の拡大現象をモデルとする自由境界
問題を考える。未知関数は生物種の個体数密度,および棲息領域の境界(自由境界)である。個体数密度は拡散を伴うロジスティック方程式に従い,自由境界はステファン条件に類似の境界条件により支配されるとする。このタイプの問題はDu-Lin (2010)によって提起され,時間に伴う解の挙動は,自由境界が一定の範囲内の有限にとどまり個体数はゼロに収束する,あるいは自由境界は遠方までのび個対数はある定数に収束する,かのいずれかに限られることが示されている。
本講演では,彼らの固定境界条件を変えた場合,あるいはロジスティック型の反応項を双安定型に変えた場合どうなるか,などの問題について結果を述べたい。
- 2011/4/26 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
永幡幸生(大阪大学)
A note on the diffusive scaling limit for a class of linear systems
- 2011/5/6 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
長岡昇勇(近畿大学)
Siegel cusp形式のある構成について
- 2011/5/10 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
佐藤譲(北海道大学)
Noise-induced phenomena in one-dimensional maps
Problems of complex behavior of random dynamical systems is investigated based on numerically observed noise-induced phenomena in Belousov-Zhabotinsky map (BZ map) and modified Lasota-Mackey map with presence of noise. We found that (i) both noise-induced chaos and noise-induced order robustly coexist, and that (ii) asymptotical periodicity of density is varied according to noise amplitude. Applications to time series analysis are also discussed.
- 2011/5/13 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
西山 尚志 氏(大阪大学 理学研究科)
Zoll多様体上のシュレディンガー方程式の解の特異性について
- 2011/5/13 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346(日程が5/6 から変更になりましたのでご注意ください)
Kazushi Ueda(Osaka Univ.)
On sheaves of dg categories on dimer models
- 2011/5/16 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
満渕俊樹(大阪大学 理学研究科)
Test configuration の moduli space とextremal Kaehler 計量の存在問題 I
- 2011/5/17 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
上村 稔大(関西大学)
Jump-type Hunt processes generated by lower bounded semi-Dirichlet forms
- 2011/5/20 代数幾何・複素幾何セミナー 16:30--18:00 理学部 b棟 b342/346
Junkai Chen (National Taiwan University and RIMS)
Kodaira dimension of irregular varieties
- 2011/5/20 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Kim Dano(KIAS)
Some division problems implied by the openness conjecture for multiplier ideal sheaves
- 2011/5/20 整数論保型形式セミナー 17:00--18:00 数学教室 新セミナー室(D505)
古澤昌秋(大阪市立大学理学研究科)
ある相対跡公式の基本補題のヘッケ環への拡張について
- 2011/5/20 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
李 春花 氏(大阪大学 理学研究科)
Modified wave operator for a system of nonlinear Schr\”{o}dinger equations in 2D
This is a joint work with Nakao Hayashi and Pavel I. Naumkin.
We consider a system of nonlinear Schr\”{o}dinger equations with quadratic nonlinearities in two space dimensions. In our previous research, we showed time decay estimates of small solutions and nonexistence of usual scattering states for the system. In this talk, we will prove the existence of modified wave operators or wave operators under some mass conditions.
- 2011/5/23 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
依岡 輝幸(静岡大学 理学部)
マーティンの公理とその部分公理たちについて
Fundamenta Mathematica
第一巻に掲載されている第三問題、スースリン仮説は、数学の公理系から証明も
反証もされないことがわかっている。それを直接証明するには、構成可能集合の
理論と強制法理論の初歩をそれぞれ学ばなければならないが、ある二つの公理、
ダイヤモンド原理とマーティンの公理、の無矛盾性を認めれば、数学の公理系か
らスースリン仮説が証明も反証もされないことを証明することができる。これが
集中講義の内容である。
談話会では、上記の内容が一体何を指しているのかを解説する。さらに、マーテ
ィンの公理にまつわる Stevo Todorcevic
の問題とそれにまつわる講演者の研究を話す。
- 2011/5/23 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
満渕俊樹(大阪大学 理学研究科)
Test configuration の moduli space とextremal Kaehler 計量の存在問題 II
- 2011/5/24 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
徳永 裕介(大阪大学 理学研究科)
Measures with maximum total exponent and generic properties of C1 Anosov diffeomorphisms
- 2011/5/24 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
蒲谷祐一(大阪大学 理学研究科)
A parametrization of PSL(2,C)-representations of surface groups
Teichmuller空間のパラメータ付けとして Fenchel-Nielsen座標は非常によく知られている.
その複素化として Tan, Kourouniotis により quasi-Fuchs群のパラメータ付けも得られている.
これらはパンツ分解の各閉曲線の (complex) length とそこでの twist を考える事で記述される.
本講演ではlengthのかわりに行列の固有値を用いる事で,より初等的に曲面群のPSL(2,C)表現が
パラメータ付けができる事について述べる.この方法には,1. パラメータに対応した具体的な
行列の表示を簡単に得られる,2. quasi-Fuchs群をこえてどのようなPSL(2,C)表現まで捉えられるか
分かる,といった利点がある.またパンツ分解を変えたときの座標変換について述べる予定である.
- 2011/5/27 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
林 仲夫 氏(大阪大学 理学研究科)
A bilinear estimate and its application to a quadratic nonlinear Klein-Gordon equation in 2d
This is a joint work with Naumkin and Tomita.
We study the existence of the wave operators for the nonlinear Klein-Gordon equation with quadratic nonlinearity in two space dimensions.
We prove existence of wave operators in lower order Sobolev spaces by using estimates of bilinear operators associated with Klein-Gordon equation.
- 2011/5/30 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
藤木 明(大阪大学 理学研究科)
On families of anti-self-dual bihermitian structures on hyperbolic Inoue surfaces
- 2011/5/31 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
宮地秀樹(大阪大学 理学研究科)
Teichmueller space has non-Busemann points
一般に距離空間はM. Rieffilにより定義されたMetric compactificationと呼ばれる
距離函数に関して自然なコンパクト化を持つ.このコンパクト化はM. Gromovにより
導入されたhorofunction compactificationと呼ばれるコンパクト化に一致すること
が知られている.Rieffilは彼の研究の中で概測地線(almost geodesic)と呼ばれる点
列(射線)を定義し,それが必ず上記のコンパクト化に関する境界に極限点を持つこ
とを示した.概測地線の極限となる境界点をBuseman pointと呼ぶ.
タイヒミュラー空間上にはいくつかの自然な距離(計量)が存在する.近年C.Walsh
は双曲計量に関するLength spectrumから定まる(非対称)距離に関して上記のコン
パクト化を研究し,その境界がThurston境界と一致すること,そしてThurston境界の
すべての点がBusemann pointであることを示した.一方,タイヒミュラー空間はタイ
ヒミュラー距離と呼ばれる完備距離が存在する.本講演では,上記のWalshの結果の
対比として,タイヒミュラー空間の複素次元が2以上の場合,タイヒミュラー距離に
関する上記のコンパクト化による境界にはBusemann pointではない境界点が存在する
ことを示す.
- 2011/5/31 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
天羽隆史(立命館大学)
Ramer-楠岡公式に対する代数的アプローチ
- 2011/6/3 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
水谷 治哉 氏(京大 数理研)
Strichartz estimates for Schrodinger equations with variable coefficients and unbounded potentials
漸近的に平坦な計量に付随した変数係数シュレディンガー方程式に対する
(時間局所)ストリッカーツ評価について考察する。
これまでに、ポテンシャルが遠方で減衰する場合には多数の結果が知られている。
(もちろん、計量が平坦な場合には基本解の構成をはじめ多くの研究がある。)
本講演では、変数係数かつ空間遠方で増大するポテンシャルを伴った場合に、
磯崎-北田型およびWKBパラメトリックスを組み合わせることで
微分のロスがない評価が得られたので、それについて紹介したい。
- 2011/6/3 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
高尾尚武氏(京大数理研)
普遍モノドロミー表現に関する織田予想について
双曲的代数曲線の副l基本群への有理数体の絶対Galois群の外作用の像を写像類群の
外作用の像からくる部分で割ったものは、曲線の型(種数と「無限遠点」の個数)で
決まります。さらに型にも依らないだろうというのが、織田予想です。この予想は、
中村博昭氏、松本眞氏、伊原康隆氏らによって、曲線がaffineの場合に証明され、最
終的に講演者によって一般的に証明されました。この講演では、数論的基本群の基本
的な性質の復習から始め、周辺分野の話題にも触れつつ、織田予想とその証明につい
て概説します。
- 2011/6/6 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
佐伯修(九州大学 マス・フォア・インダストリー研究所)
定値折り目特異点の消去と特異レフシェッツ束
多様体間の可微分写像の定値折り目特異点とは、
写像の像の輪郭として現れる最も基本的な特異点である。
近年、そうした特異点を持たない写像の有効性が、
特に4次元多様体から曲面への写像について指摘され、
特異シンプレクティック構造とも大変相性が良いことが
わかってきている。本講演では、定値折り目特異点の
消去定理と、4次元多様体上の特異レフシェッツ束構造
の存在定理、そしてその一意性についての最近の結果を
紹介し、それらに果たす写像の特異点論の役割について
論じる。
- 2011/6/10 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346(本講演はやむを得ぬ事情によりキャンセルされました)
Kazuhiro Konno(Osaka univ.)
Normal canonical sextic surfaces
- 2011/6/10 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
小林 政志郎 氏(大阪大学 理学研究科)
Asymptotic behavior of solutions to nonlinear dispersive wave equation
ある分数階の非線形分散型方程式の初期値問題について考察する.この問題に対しては,高次元において中村誠先生の先行研究がある.今回,基本解の時間減衰評価及び方程式固有の作用素を用いることにより,解の時間大域的存在及び時間減衰評価が空間次元1次元に対して得られたので報告したい.本講演は林仲夫先生とPavel Naumkin氏との共同研究に基づく.
- 2011/6/13 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
川久保 哲(福岡大学理学部)
5次元空間形内の螺旋でない Kirchhoff 弾性棒
- 2011/6/13 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
片山 聡一郎(和歌山大学 教育学部)
非線形波動方程式系の小さな初期値に対する大域解の存在と漸近挙動
非線形波動方程式系の初期値問題を考える. 非線形項も含めたシステム全体が
何らかの保存則を持たない場合には, 一般の初期値に対して問題を論じるのは
困難である. そのような場合には初期値を何らかの意味で「小さい」ものに
限定して研究することが広く行われている. 非線形項の形により, 初期値が
小さければ時間大域解が存在する場合と, いくら初期値が小さくても有限時間で
解が爆発する場合がある. 本講演では, 小さな初期値に対する時間大域解の
存在定理を最新の結果も含めて紹介し, また得られた大域解の漸近挙動に
ついても論じる.
- 2011/6/14 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
尾張圭太(東京大学)
On Rockafellar's Duality Theorem under Sublinear Expectation and Robust Utility Maximization
We consider a class of convex functionals on $L^\infty$ defined as sublinear expectations of random convex functions. This is a robust
version of the classical notion of convex integral functional for
which Rockafellar's theorem gives us the complete description of the conjugate defined on $ba$ as a kind of entropic functional with a penalty on the singular (purely finitely additive) part. The primal aim of the talk is to obtain its analogue for our robust convex functionals consisting of a lower and an upper estimates for the conjugate, which coincide when the set of probabilities defining the sublinear expectation is a singleton (i.e., the classical case). Then we discuss when the lower and upper estimates agree in the robust case, and the singular part is ``eliminated''. This study is originally motivated by showing a duality in a robust optimal investment problem in finance, which is the content of the second half of the talk. We shall prove, by our Rockafellar-type theorem, the duality between the robust utility maximization with an unbounded claim and a minimization of a certain entropic functional over
local martingale measures for the underlying semimartingale. We then
conclude the talk with an example in a Brownian setting, by means of
quadratic BSDE.
- 2011/6/17 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
加藤文元(熊本大学)
On lattices in PGL_3(Q_2) (joint-work with Daniel Allcock)
- 2011/6/17 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
伊吹山知義氏(大阪大学 理学研究科)
Exact critical values of the symmetric fourth L function and Zagier's conjecture
Zagier は 1976 年ごろにラマヌジャンのデルタ関数の
対称4次 L 関数の特殊値(Deligne の予想によれば、代数的な値と
特殊値の場所によらない超越的な量の積)について、数値実験を行い、
5つあるすべての臨界値について、デルタ関数の内積と円周率のべきと
具体的な有理数の積の形で具体的に表示した。
これは数値実験による近似計算からの帰結であり、予想であって、証明ではない。
さて、我々はジーゲル保型形式と微分作用素、pullback formula などを用いて
この特殊値すべてを、明示的に、また厳密な証明付きで表示する結果を得た。
これについて話したい。以上は桂田英典氏(室蘭工業大学)との
共同研究である。
- 2011/6/17 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
片山 聡一郎 氏(和歌山大 教育)
非線形波動方程式系の漸近自由ではない大域解
空間3次元の非線形波動方程式系の小さな初期値に対する初期値問題を考える.
Klainerman により導入された null 条件の下では大域解の存在が知られており,
さらに解は漸近自由である(すなわちエネルギー・ノルムの意味で, ある自由解
に近づく).
近年, null 条件よりも弱い条件の下で大域解の存在が示されているが, 多くの
場合, その大域解は自由解とは異なる挙動をする.
本講演では, ある種の非線形項に対しては, 大域解のエネルギーが有界であるに
も関わらず, エネルギー・ノルムの意味では自由解には近づかない場合があるこ
とを示す.
- 2011/6/24 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
上田 好寛 氏(神戸大 海事科学)
非対称な緩和項を持つ双曲型方程式系の安定性解析
緩和項を持つ双曲型方程式系に関して,静田・川島(Hokkaido Math. J., 14 (1985))によって導かれた安定性理論が有名であるが,近年その安定性理論が適用できないモデルが知られてきた.そのモデルとは,梁の振動を記述するTimoshenko方程式系とプラズマ現象を記述するEuler-Maxwell方程式系である.この二つの方程式系は其々研究がなされており,その消散構造はこれまでの方程式系とは異なり,高周波域で極めて脆弱で,エネルギー評価の消散項部分や減衰評価において可微分性の損失を引き起こす事が知られている.そこで,今回はこの二つの研究を基に,より一般的な方程式系について解析を行い,安定性が成り立つための条件と対応する消散構造について着目し議論を進めていく.
- 2011/6/27 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
満渕俊樹(大阪大学 理学研究科)
Test configuration の moduli space とextremal Kaehler 計量の存在問題 III
- 2011/6/27 談話会 16:30--17:J30 理学部 b棟 b342/346
Nikolaos Tziolas(University of Cyprus)
Deformations of schemes with normal crossing singularities and applications to smoothings of Fano varieties
Varieties with normal crossing singularities appear naturally in many areas of algebraic geometry. Most notably in the compactification of the moduli space of varieties of general type and the study of Mori fiber spaces. In particular these are the simplest non normal singularities that varieties corresponding to points on the boundary of the compactified moduli space of varieties of general type have or appear as special fibers of Mori fiber spaces. In this talk I will describe the deformation theory of varieties with normal crossing singularities and will present criteria for a normal crossing Fano variety to be smoothable and therefore be a special fiber of a Mori fiber space.
- 2011/6/28 トポロジーセミナー 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
蒲谷 祐一(大阪大学 理学研究科)
Cyclic branched coverings of knots and quandle homology
カンドル(quandle)とは群の共役をとる操作から自然に出てくる代数系である.
とくに結び目の補空間の基本群を考えると結び目の研究に応用できる.
カンドルに対してホモロジー論が定義され,結び目のダイアグラム
(とcoloringと呼ばれる情報)が与えられるとホモロジー群に値を取る不変量が得られる.
このホモロジー類は実は結び目の巡回分岐被覆で表される群のサイクルを与える事がわかる.
講演では背景について簡単に述べた後,この事実を示すために重要である
"巡回分岐被覆の四面体分割を結び目のダイアグラムから構成する方法"
について特に述べる予定である.
- 2011/6/28 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Woojin Jeon(KIAS)
Circle homeomorphisms and Thurston's earthquake map
I will introduce the basic properties of the group of circle homeomorphisms
and Thurston's original construction of the earthquake map from a given circle homeomorphism.
Applying his construction to lifted pseudo-anosov maps, we can observe a simple relation between
the stable lamination of a pseudo-anosov map and the source lamination of the corresponding
earthquake map.
- 2011/6/28 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
深澤 正彰(大阪大学 理学研究科)
数理ファイナンスの基本定理と凸リスク測度
- 2011/7/1 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
池田正弘 氏(大阪大学 理学研究科)
空間2次元におけるDirac-Klein-Gordon方程式系の 波動作用素について
空間2次元におけるDirac-Klein-Gordon方程式系の波動作用素の存在を
非共鳴質量条件の下で考える。Dirac方程式の解はKlein-Gordon(KG)
方程式を満たすことが知られているので、初期値問題の大域解の存在
とその漸近挙動はKG方程式系の研究から分かる。一方、KG方程式の解
だからといってDirac方程式を満たすとは限らないことから、終値問題
の解の存在は明らかではない。そこで、波動作用素の存在を03年の
砂川秀明氏による非共鳴質量条件下で成り立つ臨界項の分解と
Klein-Gordon作用素の分解、また林仲夫氏とP.I.Naumkin氏らによる
KG方程式の終値問題の研究方法を組み合わせて示すことができるので
それを紹介する。
- 2011/7/1 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Keiji Oguiso(Osaka univ.)
Universal Coxeter groups and the movable cone theorem of Calabi-Yau manifolds of Wehler type in any dimension
- 2011/7/1 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
竹森 翔(京都大学理学研究科)
p進Siegel-Eisenstein級数について
レベル1のSiegel-Eisenstein級数のFourier係数は,任意の次数について,桂田氏によって明示的に得られている.次数2の場合には,levelが平方因子をもたない奇数であれば,軍司氏や水野氏の結果がある.この講演では,次数2で導手が任意の原始指標のSiegel-Eisenstein級数のFourier係数の明示公式について述べる.また,その応用としてp進Siegel-Eisenstein級数やlambda進Siegel-Eisenstein級数についても述べる.
- 2011/7/8 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Kayo Masuda(Kwansei Gakuin University)
G_a-actions on affine 3-folds
- 2011/7/11 幾何セミナー 1:00--2:30 理学部 b棟 b342/346
後藤竜司(大阪大学 理学研究科)
Unobstructed deformations of log generalized Calabi-Yau structures
- 2011/7/11 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
深澤正彰(大阪大学 理学研究科)
統計的漸近理論と数理ファイナンス
エッジワース展開など古典的な統計のテクニックは、近年確率過程の汎関数の分布に対しても拡張された。例えばエルゴード的な確率微分方程式の解の線形汎関数にこれを適用すると、対応する偏微分方程式の解の特異摂動展開が得られる。このような確率過程に対する統計的漸近理論における最近の結果とその数理ファイナンス・金融工学への応用を紹介する。数理ファイナンスの枠組みにおいて、伊藤積分とその離散近似が持つ意味、付随する金融工学の実際的な問題を解説して、これに対する漸近分布論のアプローチを紹介する。
- 2011/7/12 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
林 正史(大阪大学金融・保険教育研究センター)
拡散過程の最大値過程の密度関数の滑らかさ
- 2011/7/15 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
新井啓介(東京電機大)
Points over quadratic fields on Shimura curves of $\Gamma_0(p)$-type
Over a quadratic field, we show that there are at most elliptic
points on a Shimura curve of $\Gamma_0(p)$-type for every sufficiently
large prime $p$. This is an analogue of the study of rational points
or points over a quadratic field on the modular curve $X_0(p)$
by Mazur and Momose. We also apply the result to a finiteness
conjecture on abelian varieties with constrained prime
power torsion by Rasmussen-Tamagawa.
- 2011/7/15 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
加藤孝盛 氏(名古屋大多元数理)
Global well-posedness for the Kawahara equation
本講演ではKawahara方程式の初期値問題に対する時間大域的適切性(GWP)
をSobolev空間H^sにおいて考察する. 滑らかさの低い場合, 特にsが負の場合に関心がある. Chen-Guo(2009)はI-methodを利用することで通常のBourgain空間を用いる限りでは臨界となるH^{-7/4}でGWPを示した. 我々は時間局所的適切性を改善するために修正したBourgain空間にI-methodを適用することにより, それよりも真に弱い正則性でGWPを証明することができたのでそれを報告する.
- 2011/7/19 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
濱名 裕治 氏(熊本大学)
ベッセル過程の到達確率について
- 2011/7/22 代数幾何・複素幾何セミナー 16:30--18:00 理学部 b棟 b342/346
Kenji Matsuki(Purdue University)
Embedded resolution of surfaces in positive characteristic
- 2011/7/22 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
野間 淳(横浜国立大学)
射影多様体の一般内点からの線形射影とその二重点因子
- 2011/7/22 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Neal Bez 氏(University of Birmingham)
Multilinear Radon-like transforms
I will begin by discussing some local L^p improving inequalities for certain multilinear Radon-like transforms. Under additional homogeneity hypotheses I will show how one may obtain global versions of such inequalities. Such inequalities have applications to PDE and euclidean harmonic analysis, and these will be outlined during the talk.
- 2011/7/29 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
森岡 悠 氏(筑波大 数理物質科学)
Inverse scattering at a fixed energy for discrete Schrodinger operators on the square lattice
多次元離散Schr\"{o}dinger作用素について、固定したエネルギーにおける散乱データからの逆散乱問題について述べる. 逆散乱問題を解決する一つの考え方として, 有界領域における離散Dirichlet-to-Neumann写像を用いた境界値逆問題と逆散乱問題の同値性を示す. 境界値逆問題は有限回の計算により再構成できるアルゴリズムを構成することが可能であり, この同値性から逆散乱問題も解かれることになる.この講演では, 離散Schr\"{o}dinger作用素に対する極限吸収原理, 一般化固有関数の漸近挙動, 外部領域のDirichlet問題の取り扱いも含めて結果を紹介したい.なお, 本研究は磯崎洋教授(筑波大)との共同研究によるものである.
- 2011/7/29 代数幾何・複素幾何セミナー 15:00--16:30 理学部 b棟 b342/346 時間が変更されましたのでご注意ください
高木 寛道(東大数理)
Mirror Symmetry and Projective Geometry of Reye Congruences, Part II
- 2011/7/29 代数幾何・複素幾何セミナー 13:00--14:30 理学部 b棟 b342/346 時間が変更されましたのでご注意ください
細野 忍(東大数理)
Mirror Symmetry and Projective Geometry of Reye Congruences, Part I
- 2011/8/2 トポロジーセミナー 15:00--16:00 理学部 b棟 b342/346
野坂 武史(京大数理研)
Quandle cocycle invariants of Lefschetz fibrations over the 2-sphere
4次元のレフシッツファイバー空間に関し, デーンカンドルという代数系からのアプローチがY.Matsumoto-S.Kamada, D.Yetter氏らに考察されている. そのカンドルの自明係数2次ホモロジー群を用い, Zablow氏は円板上のレフシッツファイバー空間の不変量を(或る条件下で)構成していた. 本講演では、球面上のレフシッツファイバー空間のカンドルコサイクル不変量の非可換版と局所系係数版による(条件のない)定義を紹介する. まず非可換版の当不変量は全空間のsignatureしか「高々」現れない事を述べる. 幾つかのデーンカンドルの2次ホモロジー群も決定し, 当不変量との関連も触れる. 他方, 局所系版の当不変量は難しいと予測されるが, 写像類群の(任意の)部分群のアーベル化からカンドル2コサイクルを構成する方法も紹介したい.
- 2011/8/2 トポロジーセミナー 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
安井 弘一(広島大理)
Cork twisting exotic Stein 4-manifolds
コンパクト境界付き4次元多様体であって,多数のエキゾチック微分構造(特にStein構造を持つもの)を持つものを組織的に構成する方法を紹介する.また,4次元多様体間のエキゾチック埋め込みの
構成法などにも触れたい.なお,本講演はSelman Akbulut氏との共同研究に基づいている.
- 2011/9/1 代数幾何・複素幾何セミナー (本講演はやむをえぬ事情によりキャンセルされました) 13:30--15:30 B313/315/317
Kenji Matsuki(Purdue University)
Embedded resolution of a surface in positive characteristic (Part II)
- 2011/10/4 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Shanjian Tang(Fudan University)
New Results on Backward Stochastic PDEs and Reflected Backward Stochastic PDEs
I shall report some new results on backward stochastic partial differential equations (BSPDEs),
and on reflected BSPDEs with two obstacles---which appear in Dynkin's games
for non-Markovian stochastic differential equations. They are based on a series of joint works
with Kai Du, Jinniao Qiu, Qi Zhang, and Zhou Yang.
- 2011/10/7 整数論保型形式セミナー 17:00--18:00 数学教室 新セミナー室(D505)
宮内通孝(京大理)
不分岐 U(2,1) の局所ニューフォームについて
- 2011/10/7 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
伊藤 敦(東大数理)
Okounkov bodies and Seshadri constants
アブストラクト:Okounkov bodies, which are convex bodies associated to big line bundles, have rich information of the line bundles. On the other hand, Seshadri constants are invariants which measure the positivities of line bundles. In this talk, I explain a relation between Okounkov bodies and Seshadri constants.
- 2011/10/11 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Eli Glasner (Tel Aviv University)
Stationary dynamical systems
Following works of Furstenberg and Nevo and Zimmer
I'll present an outline of a theory of stationary dynamical systems
associated to a random walk which is defined on a locally compact
group G equipped with a probability measure m. This is a joint
work with Hillel Furstenberg. Our purpose is two-fold: First to
suggest an abstract line of development, including a simple structure theory. Second, to point out some interesting applications;
one of these is a Szemeredi type theorem for SL(2, R).
- 2011/10/11 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Mahan Mj(RKM Vivekananda University)
Cannon-Thurston map I
- 2011/10/12 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Mahan Mj(RKM Vivekananda University)
Cannon-Thurston map II
- 2011/10/13 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Mahan Mj(RKM Vivekananda University)
Cannon-Thurston map III
- 2011/10/14 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Mahan Mj(RKM Vivekananda University)
Cannon-Thurston map IV
- 2011/10/14 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
若杉 勇太(大阪大学 理学研究科)
変数係数の摩擦項を持つ半線形波動方程式の大域解の存在について
- 2011/10/18 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
市原 直幸(広島大)
Large time behavior of solutions of Hamilton-Jacobi-Bellman equations with superlinear nonlinearity in gradients
We discuss the large time behavior of solutions to the Cauchy
problem for semilinear parabolic equations having superlinear
nonlinearity in gradients. Equations of this kind often appear in the
stochastic control theory. We prove that, as time tends to infinity, the
solution converges to a function of variable separation type which is
characterized by an ergodic stochastic control problem.
- 2011/10/21 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
小西由紀子(京大)
Local B-model and Mixed Hodge Structure
- 2011/10/21 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
矢野祥士( )
Voronoi algorithm of perfect forms over an algebraic number field
Z^n に対する Ryshkov polyhedron と同様のものを、
一般の代数体の projective module Λ に対して考える。
この polyhedron の幾何的特徴及び Λ-perfect forms との関係について述べ、隣り合う頂点を計算するための Vorinoi algorithm が
この場合にも有効であることを示す。
- 2011/10/21 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
森本浩子(明治大学)
Leray's inequality for fluid flow in symmetric multi-connected two-dimensional domains
We consider the stationary Navier-Stokes equations
with nonhomogeneous boundary condition
in a domain with several boundary components.
If the boundary value satisfies only the necessary flux condition (GOC),
Leray's inequality does not holds true in general and
we cannot prove the existence of a solution. But for a
2-D domain which is symmetric with respect to a line
and where the data is also symmetric, C. Amick
showed the existence of solutions by reduction to absurdity;
later H. Fujita proved Leray-Fujita's inequality and hence
the existence of symmetric solutions.
In this talk, we give a new proof of Leray-Fujita's inequality
and hence a proof of the existence of weak solutions.
- 2011/10/24 幾何セミナー 1:00--2:30 数学教室 大セミナー室(E301)
坂根由昌(大阪大学情報科学研究科)
Homogeneous einstein metrics on generalized flag manifolds
We discuss the einstein equation for invariant metrics on generalized flag manifolds.
The einstein equation becomes a system of non-linear algebraic equations in our case.
Kahler einstein metrics are solutions of the system of these equations.
We give a complete description of invariant ( non-kahler ) einstein metrics
on the generalized flag manifold with four isotropy summands (up to isometry) and discuss also for five and six
isotropy summands.
- 2011/10/25 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
盛田 健彦(大阪大学 理学研究科)
Asymptotic behavior of one-dimensional random dynamical systems---a revisit
- 2011/10/31 幾何セミナー 1:00--2:30 数学教室 大セミナー室(E301)
関谷健一(大阪大学 理学研究科)
一般化された概接触構造及び一般化された佐々木構造
一般化された概接触構造の定義を見直し,それを用いて一般化された佐々木構造の定義を与える..
そしてノンコンパクト多様体上、通常の佐々木構造の組ではない新しい一般化された佐々木構造の例を構成する..
逆に、コンパクト3次元多様体上では,一般化された佐々木構造は佐々木構造の組で表せることを証明する.
- 2011/11/8 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 大セミナー室(E301)
高尾 和人(大阪大学 理学研究科)
Heegaard splittings and cusp points of the product map
We give an upper bound for the Reidemeister-Singer distance between two Heegaard splittings in terms of the genera and the number of cusp points of the product map of Morse functions for the splittings. We also consider the possibility that a certain development in singularity theory leads to the best possible bound for the Reidemeister-Singer distance.
- 2011/11/8 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
貝瀬 秀裕(大阪大)
Idempotent expansions for continuous-time stochastic control: algorithm and complexity reduction
近年、多くの決定論的制御問題においてmax-plusやmin-plus的な数値手法が知られている。これらの手法の特徴は関数に対するmax-plus展開を用いることであり、このことは制御理論において次元の呪いに依らない手法への道をひらく。本講演では、有限時間区間の連続時間確率制御におけるmin-plus的手法の可能性を探る。連続状態空間におけるmin-plus分配律を示すことで、値関数の離散時点での近似値を計算するアルゴリズムを求め、近似値をあるクラスに属する関数の最小値として表現する。アルゴリズムにおいてステップを重ねると近似値を表現する関数の個数が爆発的に増大するため、その個数を減らす試みについても紹介する。本講演はW.M.McEneaney氏 (UC San Diego) との共同研究に基づく。
- 2011/11/8 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
清 智也(慶應大)
Optimal stationary coupling and a related statistical model
輸送問題とは,2つの確率分布とコスト関数が与えられたときに,総輸送コストを最小化する最適化問題である.これに対し,2つの定常過程を考えた場合の輸送コストの定義が Gray, Neuhoff and Shields (1975) によって与えられている.
本講演では,このような定常過程間の輸送問題について,特にコスト関数がユークリッド距離の二乗の場合に対し,決定論的な解(最適輸送写像)が存在するための十分条件を示す.また,この事実に関連した,定常時系列モデルを紹介する.本研究の一部は,Ludger Rueschendorf 氏との共同研究である.
- 2011/11/11 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
永安 聖(兵庫県立大)
Increasing stability in an inverse problem for the acoustic equation
境界観測から屈折率を決定する境界値逆問題の安定性について考える.
即ち, 有界領域上での方程式 [Δ+ k^2 q(x)]u(x)=0 に関し, 対応する
Dirichlet-to-Neumann写像Λから係数q(x)を推定する逆問題の安定性に
ついて考える. あるアプリオリ仮定の下, この逆問題がlog型の安定性評価を
持つことはよく知られている(Alessandrini (1988)等). 一方で,
振動数 k^2 を大きくすると安定性が良くなることが数値的に観察されている
(例えばColton-Haddar-Piana (2003)). そこで我々は, この「振動数を
大きくすると安定性が良くなる」という現象の数学的な示唆を試み,
その結果, ある安定性評価を得ることができたのでそれを報告する.
尚, 本研究はGunther Uhlmann氏, 王振男(Jenn-Nan Wang)氏との
共同研究である.
- 2011/11/11 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
星裕一郎(京大数理研)
双曲的曲線に付随する外 Galois 表現の核や像について
数体上の双曲的曲線に付随する副有限外 Galois 表現は忠実であることが知られているため, 特に, その核は曲線に依存しない. 一方, p を素数とすると, 副 p 外 Galois 表現の核は与えられた曲線に依存して, 例えば, 型(と基礎体)を固定すると副 p外 Galois 表現が共通の核を持つような双曲的曲線の同型類は高々有限個しか存在しない, などといったことが知られている. この講演では, 双曲的曲線に付随する副 p 外Galois 表現の核や像に関連する問題, 例えば, その核に対応する Galois 拡大(アーベル多様体での類似を考えるならば, この Galois 拡大は, すべての p べき等分点たちの座標を添加して得られる Galois 拡大である)とその曲線の有理点の様子の関連の問題や, 双曲的曲線のモノドロミー充満性(楕円曲線での類似を考えるならば, この性質は,虚数乗法を持たないという性質と考えられる)に関する問題などについて, 知られていること, 及び, (講演者が)知りたいことについての概説を行う.
- 2011/11/15 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Johannes Jaerisch(大阪大学数学教室)
Thermodynamic Formalism for Group-Extended Markov Systems with Applications to Fuchsian Groups
We develop a thermodynamic formalism for group-extended Markov systems.
This formalism provides new tools to investigate the amenability of
discrete groups in terms of dynamical systems. We show that previous
results of Kesten, Grigorchuk, Cohen and Brooks, which relate
amenability with probabilistic, combinatorial and geometric quantities
in different settings, find a common framework within this
thermodynamic formalism. We then apply our results to study limit sets
of normal subgroups of Fuchsian groups.
- 2011/11/15 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
山田 澄生(東北大理)
Convex Geometries on Teichmuller space
種数が2以上の閉曲面のタイヒミュラー空間は、ベイユ・ピーターソン距離に
関して凸体として解することができる.その際、凸体の支持超曲面には、
ノード付き曲面のタイヒミュラー空間が対応し、各超曲面はカーブ複体をインデックス集合
に持つ.一方で80年代にサーストンはearthquake変形理論においてタイヒミュラー空間を
凸体と見なしており、その境界は測度付き測地的葉層構造によって構成されている。
本講演では、凸幾何学を巡るこれら2つの文脈の関連性に関して、最近得られた
結果を紹介する.
- 2011/11/18 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
田中視英子(東京理科大学)
Multiple existence results of solutions for the Neumann problems via super- and sub-solutions
本講演では (Neumann 境界条件下での)準線形楕円型方程式の解(正値
解、負値解、符号変化解)の存在について紹介する. ここで、扱う方程式は特別な場合には $p$-Laplace 方程式を含んでいるようなものである.
解の存在を示す手法としては, super-solution と sub-solution を用いて変分的手法により最初に最小の正値解と最大の負値解が存在することを示すが、
Dirichlet 問題の時と大きく異なるのは非線形項を単に truncation するだけでは上手くいかないことにある.
この問題を解決するために、上手い汎関数を導入する. また, 本講演では
$W^{1,p}(\Omega)$ でのlocal minimizer が $C^1(\overline{\Omega})$ での local minimizer に一致することや, 関連した強最大値原理についても触れる予定である.
なお, 本研究は宮島静雄氏(東京理科大)と Dumitru Motreanu 氏 (Perpignan 大学)
との共同研究である.
- 2011/11/21 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
井関 裕靖(慶應理工)
ランダム群に対する固定点定理
群$G$の距離空間$Y$への等長的作用が必ず固定点をもつとき、$G$は$Y$に対す
る固定点性質をもつという。たとえば、ヒルベルト空間に対する固定点性質は
Kazhdan の性質(T)と同値であるなど、ある種の固定点性質は群にある制約を
加えることが知られている。一方、最近の種々の研究成果は、ヒルベルト空間
を含む非正曲率距離空間に対する固定点性質をもつ群が豊富に存在することを
示唆している。この講演では、そのような結果の一つであるプレイン・ワー
ドモデルのランダム群に対する固定点定理について述べる。
- 2011/11/22 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
宮地 秀樹(大阪大学 理学研究科)
極値的長さに関するタイヒミュラー空間の幾何の交点数関数による一意化
- 2011/11/22 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
青山 崇洋(東京理科大)
Multiple zeta functions and probability distributions on R^d
- 2011/11/25 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
砂川秀明(大阪大学 理学研究科)
A remark on the null condition for quadratic nonlinear Klein-Gordon systems in two space dimensions
空間2次元における非線形Klein-Gordon方程式系の解の長時間挙動に
関してDelort-Fang-Xueが2004年に発表した結果に対するささやかな
注意を与えたいと思います。この講演の内容は早稲田大学の小澤徹先生、
和歌山大学の片山聡一郎先生との共同研究に基づきます。
- 2011/11/25 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
北山秀隆(大阪大学 理学研究科)
2次ジーゲルパラモジュラーカスプ形式の次元公式の拡張、及びそれを用いた次元の比較
GL(2)の場合のEichler対応を高次のシンプレクティック群の場合に拡張する研究の一つとして、伊吹山知義氏は明示的次元公式を用いて2次ジーゲルパラモジュラーカスプ形式とSp(2,R)のコンパクトツイスト上の保型形式との間での次元の関係式を導出し、それに基づいて空間の対応予想を提出した(Advanced Studies in Pure Mathematics 7,1985). この講演では、パラモジュラーカスプ形式の次元公式を、平方因子を持たない一般レベルに拡張する事により、コンパクトツイストとの次元の関係式を拡張する。また、不定符号四元数環に付随する場合にも、講演者による次元公式(Journal of the Mathematical Society of Japan 63, 2011)を用いて次元の関係式を導出する。この関係式からは、1変数保型形式からのある種のリフティングの存在が予期できるが、そのリフティングについてはあまり知られていないようであるので、L関数のオイラー因子の数値実験を行って、いくつかの結果を報告する。この研究は、伊吹山知義氏との共同研究である。
- 2011/11/25 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:40 理学部 b棟 b342/346
Christian Schnell(IPMU)
Hodge modules on abelian varieties
Abstract:
There is a collection of theorems, due to Green-Lazarsfeld, Arapura, Simpson, and others, that describe the structure of the so-called "cohomological support loci" on a smooth complex projective algebraic variety X (the k-th such locus is the set of topologically trivial line bundles L such that H^k(X, L) is nontrivial). Mihnea Popa and I recently discovered that these results are true in much greater generality, and that they are in fact closely connected with Hodge theory on abelian varieties. I will explain this connection, and some consequences for the study of D-modules on abelian varieties.
- 2011/11/28 幾何セミナー 1:00--2:30 数学教室 大セミナー室(E301)
太田 慎一(京都大学大学院理学研究科)
フィンスラー多様体のボホナー公式と応用
フィンスラー多様体は各接空間に(ミンコフスキ)ノルムを
入れた多様体であり,リーマン多様体の自然な一般化です.
リーマン多様体の比較幾何をフィンスラー多様体に
拡張するのは一般に容易ではありませんが,
リッチ曲率に関しては重みつきリーマン多様体の理論を
参考にした手法でうまくいくことが知られています.
本講演では,この方法に基づくボホナー公式と,
その応用について述べます(Sturm氏との共同研究).
- 2011/11/29 トポロジーセミナー 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
山田 翔平(大阪大学 理学研究科)
Cappell-Shanesonのホモトピー球面について
4次元可微分ポアンカレ予想とは,「4次元球面$S^4$にホモトピー同値な可微分4次元多様体(以下,単にホモトピー球面と呼ぶことにする)は$S^4$に微分同相であろう」という予想である.この予想は現在のところ未解決であるが,反例の候補,すなわち$S^4$に微分同相であるかどうかが不明なホモトピー球面が数多く残されている.そのような候補の中でも比較的よく知られているのがCappell-Shanesonによる構成法である.近年,GompfによってCappell-Shanesonのホモトピー球面を調べる新たな方法が発見された.本講演ではこの進展を踏まえた上で,Gompfの結果の拡張について述べる.また,今回得られた結果は,ある種の3次代数体のイデアル類群をコンピュータによって計算した結果を用いている.そこで,この計算の背景についても触れる予定である.
- 2011/12/2 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Chunyi Zhao(East China Normal University)
On Phase-Separation Model: Asymptotics and Qualitative Properties
We study bound state solutions of a class of
two-component nonlinear elliptic systems with a large parameter
tending to infinity. The large parameter giving strong
intercomponent repulsion induces phase separation and forms
segregated nodal domains divided by an interface. To obtain the
profile of bound state solutions near the interface, we prove the
uniform Lipschitz continuity of bound state solutions when the
spatial dimension $N=1$. Furthermore, we show that the limiting
nonlinear elliptic system that arises has unbounded solutions with
symmetry and monotonicity.
- 2011/12/5 臨時・無限次元リー理論セミナー 13:00--14:00 B313
Malihe Yousofzadeh(イスファハン大学およびIPM(テヘラン))
Structure of root graded Lie algebras
We develop a method known as "affinization" for the class of invariant
affine reflection algebras, and show that starting from an algebra belonging to this
class together with a certain finite order automorphism, and applying the so called
"affinization method", we obtain again an invariant affine reflection algebra. This
can be considered as an important step towards the realization of invariant affine
reflection algebras.
- 2011/12/5 幾何セミナー 1:00--2:30 数学教室 大セミナー室(E301)
遠藤久顕(大阪大学 理学研究科)
Constructions and modifications of Lefschetz fibrations
- 2011/12/5 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
奥間智弘(山形大学 地域教育文化学部地域教育学科)
The geometric genus of surface singularities (集中講義の一回目を兼ねます.)
- 2011/12/5 臨時・無限次元リー理論セミナー 14:15--15:15 理学部 B313
Saeid Azam(イスファハン大学およびIPM(テヘラン))
Invariant affine reflection algebras and their affinizations
We develop a method known as "affinization" for the class of invariant affine reflection algebras, and show that starting from an algebra belonging to this class together with a certain finite order automorphism, and applying the so called "affinization method", we obtain again an invariant affine reflection algebra. This can be considered as an important step towards the realization of invariant affine reflection algebras.
- 2011/12/5 臨時・無限次元リー理論セミナー 13:00--14:00 理学部 B313
Malihe Yousofzadeh(イスファハン大学およびIPM(テヘラン))
Structure of root graded Lie algebras
We give a complete description of the structure of Lie algebras graded by an infinite irreducible locally finite root system.
- 2011/12/5 臨時・無限次元リー理論セミナー 14:15--15:15 B313
Saeid Azam(イスファハン大学およびIPM(テヘラン))
Invariant affine reflection algebras and their affinizations
We develop a method known as "affinization" for the class of invariant
affine reflection algebras, and show that starting from an algebra belonging to this
class together with a certain finite order automorphism, and applying the so called
"affinization method", we obtain again an invariant affine reflection algebra. This
can be considered as an important step towards the realization of invariant affine
reflection algebras.
- 2011/12/6 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Athanase Papadopoulos(Universite de Strasbourg)
On the Finlser geometry of Teichmuller space
I will give a few examples of Finsler metrics, mainly on Teichmuller spaces of surfaces of finite type, and I will discuss the mapping class group actions on these metrics.
- 2011/12/9 微分方程式セミナー 15:30--17:00 E416
高橋太(大阪市大)
2次元リウビル方程式の解の爆発点と Morse 指数について
この講演では正値非斉次係数関数を伴ったリウビル方程式を
2次元有界領域において Dirichlet 境界条件の下で考察する。
解の漸近挙動については、質量量子化・特異極限の分類・爆発点の位置決めなどが既知であり、
また、実際に領域内の複数点で爆発する多点爆発解の構成も行われている。
この講演では、
多点爆発解の爆発点の個数と解の Morse 指数との関係について調べ、
任意の有界領域上で、
爆発点の個数は上から解の Morse 指数で押さえられることを述べる。
- 2011/12/16 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 数学教室 新セミナー室(D505)
杉山 真吾(大阪大学 理学研究科)
GL(2)の保型形式の正規周期
- 2011/12/16 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
菱田 俊明(名古屋大学)
Resolution of the Stokes paradox by the rotation of bodies in the plane
Consider the steady motion of a viscous incompressible fluid
around an obstacle in 2D. As compared with 3D problem, we have
less knowledge about the asymptotic behavior at space infinity
and the difficulty is related to the hydrodynamical paradox
found by Stokes. For the case in which a nonzero constant vector
is prescribed at infinity or, equivalently, the obstacle is
translating, Oseen proposed his linearization of the Navier-Stokes
system to get around the Stokes paradox. In this talk I would
like to report that, instead of the translation, the rotation of
the obstacle leads to the resolution of the Stokes paradox in
a sense. A remarkable asymptotic representation of the flow at
infinity is also provided.
- 2011/12/16 整数論保型形式セミナー 17:00--18:00 数学教室 新セミナー室(D505)
石川 秀明(長崎大学)
An explicit formula of Atkinson type for Dirichlet L function and its application
リーマンゼータ関数ζ(s)の絶対値2乗を考え、sの実部を1/2に固定し、虚部tに関して0からTまで積分したものを考える。これは、いわゆる臨界線上での絶対値二乗平均であり、その誤差項をE(T) とする。1949年にアトキンソンが証明したE(T)のある表示式はアトキンソン型公式と呼ばれ、 E(T)の挙動を詳細に調べる際の強力な道具となっている。一方、複素指標のディリクレL関数に対するアトキンソン型公式の証明を試みる場合は、ζ(s)のときには生じなかった技術的困難があることが知られていた。実指標の場合はアトキンソンの形式的模倣で証明可能であることに注意しておきたい。また複素指標でも、-TからTまでの積分を対象とするのであれば、やはり形式的模倣で証明可能である。しかしそれは、あくまでも-TからTまでの積分結果であり、0からTまでの積分についての情報は何も与えない。
本講演では、複素指標のディリクレL関数に対する0からTまでの積分
のアトキンソン型公式と、(その応用として得られる) 二つのディリク
レL関数の挙動がどの程度異なっているかについての結果を紹介する。
また、あるディリクレ級数に対するアトキンソン型公式とその応用例
についても話したい。
- 2011/12/20 トポロジーセミナー 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
矢口 義朗(広大理)
Homological invariants of Hurwitz equivalence on braid monodromies
Hurwitz equivalence on systems of simple braids is studied, which can be used in the study of surface braids and surface links. In this talk, we define a matrix for a system of simple braids
by using the first homology classes of a punctured disk. As applications, we give some invariants of surface braids by using the matrices obtained from the systems of their braid
monodromies.
- 2011/12/27 代数幾何・複素幾何セミナー 14:45--16:15 理学部 b棟 b342/346(いつもと曜日、時間が異なりますので、ご注意下さい)
藤本圭男(奈良医大)
\'{E}tale endomorphisms of smooth projective 3-folds with negative Kodaira dimension
Abstract: We classify smooth projective 3-folds with negative Kodaira dimension admitting non-isomorphic \'{e}tale endomorphisms up to finite
\'{e}tale cover. The serious trouble is that there exists such a 3-fold X with infinitely many K_{X}-negative extremal rays of divisorial type. We will explain main ideas toward complete classifications and show some concrete examples.
- 2011/12/27 代数幾何・複素幾何セミナー 16:30--18:00 理学部 b棟 b342/346(いつもと曜日、時間が異なりますので、ご注意下さい)
De-Qi Zhang(National Univ. Singapore)
Automorphisms of positive entropy on compact Kahler manifolds
- 2012/1/13 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
藤井俊(慶応大学)
虚二次体の一般グリーンバーグ予想について
代数体の最大Z_p^r拡大上の岩澤加群はpseudo-nullであろうと考えられ ており、 一般グリーンバーグ予想と呼ばれている。 これは総実代数体のグリーンバーグ予想の任意の代数体への自然な拡張である。 本講演では、虚二次体の一般グリーンバーグ予想について、関連する話題や、 これまでに得られている結果について話をしたい。
- 2012/1/13 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Nobukatsu Hayashi(Osaka univ.)
Degeneration of some surfaces with geometric genus two
- 2012/1/20 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
古谷康雄(東海大学)
The Laplace equation on Lipschitz domains (特異積分と偏微分方程式の接点)
- 2012/1/24 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
糸本 昌彦(大阪大学 理学研究科)
移動反射壁Brown運動
移動反射壁Brown運動とは,1次元標準反射Brown運動が水準1に到達すると
水準1が反射壁となり,その後水準2に到達すると水準2に反射壁が移動し,以降水準nに
到達すると水準nに反射壁が移動する,という過程である.
始めに,この過程を特徴づけるSkorohod方程式に類似した方程式の解の一意存在を述
べる.有名な更新理論の応用可能性が解の一意存在証明から直ちに従う.更新理論の
結果のうち,極限分布と漸近的独立性の移動反射壁Brown運動への応用を述べる.
- 2012/1/24 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 理学部 b棟 b342/346
河澄 響矢(東大数理)
A geometric approach to the higher Johnson homomorphisms
- 2012/1/27 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Philippe G. LeFloch(University of Paris 6 and CNRS)
Late-time asymptotics for nonlinear hyperbolic equations
- 2012/1/27 整数論保型形式セミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
山名 俊介 氏(大阪市大理学研究科)
テータ対応と標準L関数
一般線型群の既約尖点的表現の標準L関数は全平面で正則
である。しかし、シンプレクティック群や直交群の既約尖点的表現の
標準L関数は一般に正則ではない。 本講演では、それらの極をテータ
対応の理論と結びつけて解釈する。さらに直交群の場合に、極だけで
なく特殊値もテータ対応の存在と関係付けられることを話す。
- 2012/1/27 代数幾何・複素幾何セミナー 15:00--16:00 理学部 b棟 b342/346
Carel Faber(スウェーデン工科大学)
TBA
- 2012/2/3 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Xiangdi Huang(Academy of Mathematics and System Sciences, The Chinese Academy of Sciences, Osaka University)
Global well-posedness of classical solutions with large oscillations and vacuum to the three-dimensional isentropic compressible Navier-Stokes equations
We establish the global existence and uniqueness of
classical solutions to the Cauchy problem for the isentropic
compressible Navier-Stokes equations in three spatial dimensions with
smooth initial data which are of small energy but possibly large
oscillations with constant state as far field which could be either
vacuum or non-vacuum. The initial density is allowed to vanish and the
spatial measure of the set of vacuum can be arbitrarily large, in
particular, the initial density can even have compact support. These
results generalize previous results on classical
solutions for initial densities being strictly away from vacuum, and are
the first for global classical solutions which may have large
oscillations and can contain vacuum states.
- 2012/2/14 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
松崎克彦(早稲田大学教育)
円周の微分同相写像群のメビウス変換群への微分共役について
単位円周の微分自己同相写像からなる群 G が
同じ滑らかさをもつ微分同相写像によりメビウス変換群に共役となるための
条件について考察する.とくに G の各元の微分が同程度 a-ヘルダー連続
(a>1/2) であればそれが可能であることを
普遍タイヒミュラー空間上での議論により証明する.
- 2012/2/17 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Clair Poignard(University Bordeaux I)
Asymptotic analysis for rough thin layers. Explicit characterizations of the polarization tensor
- 2012/2/20 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
鎌田聖一(広大理)
カンドルと結び目の不変量
カンドルは1982年にD. JoyceとS. Matveevによって導入された代数である。カン
ドルの演算が満たすべき
3つの条件(カンドルの公理)は、結び目ダイアグラムの3種類の基本変形(ラ
イデマイスター変形)に対応していて、結び目理論と非常に相性がよ い。カン
ドルを用いた結び目の彩色数は、Fox彩色というよく知られた素朴な結び目不変
量の一般化である。その背景には、結び目から幾何的に定義 される結び目に固
有なカンドル(結び目カンドル)がある。彩色は単にその表現にすぎない。これ
らの基本事項を説明したあとで、結び目のカンドルコ サイクル不変量について
解説する。この不変量は、J. S. Carter, D. Jelsovsky, S. Kamada, L.
Langford, M. Saitoによって導入されたもので、4次元空間内の曲面結び目に対
しても同様に不変量を構成できる。この構成を眺めると、カンドルの(コ)ホモ
ロジーが どのように構成されるかが分かってくる。なお、カンドルの(コ)ホ
モロジーは、R. Fenn, C. Rourke, B. Sandersonによっても定義されている。
- 2012/2/20 幾何セミナー 1:00--2:30 数学教室 大セミナー室(E301)
松井優(近畿大学)
Topological Radon transforms and their application
- 2012/2/21 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Mathieu Rosenbaum(Paris 6)
Optimal discretization of hedging strategies with jumps
In this work, we consider the hedging error due to discrete trading in models with jumps. We propose a framework enabling to (asymptotically) optimize the discretization times. More precisely, a strategy is said to be optimal if for a given cost function, no strategy has (asymptotically) a lower mean square error for a smaller cost. We focus on strategies based on hitting times and give explicit expressions for the optimal strategies. This is joint work with Peter Tankov.
- 2012/2/23 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 数学教室 新セミナー室(D505)
安田 健彦(鹿児島大学)
Motivic integration and modular representations of a cyclic group of prime order
- 2012/2/24 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
池田京司(東京電機大学)
ヘッシアンで分岐する3次曲面の2重被覆の周期写像
-- 概要 --
特異点として高々通常2重点のみをもつ3次曲面に対し、その定義方程式のヘッシアンの零点で分岐する2重被覆として定まる代数曲面のホッジ構造を考察する.3次曲面に含まれる直線,3次曲面の特異点、分岐因子の特異点はそれぞれ2重被覆内の有理曲線を定めるが、これらの曲線が2重被覆のネロンセヴェリ格子内のどのような部分格子を生成するかを紹介する.そして2次コホモロジー内におけるその直交補格子上のホッジ構造から定まる周期写像の様子を説明する.
- 2012/3/22 特別セミナー 11:00--12:00 数学教室 大セミナー室(E301)
本多宣博(東北大学)
Toward a classification of Moishezon twistor spaces
- 2012/3/22 特別セミナー 13:00--14:00 数学教室 大セミナー室(E301)
石田政司(上智大学)
Ricci flow and exotic smooth structures in dimension four
- 2012/3/22 特別セミナー 16:00--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
辻元(上智大学)
Parameter dependence of singular K\"ahler-Einstein metrics
- 2012/3/22 特別セミナー 14:30--15:30 数学教室 大セミナー室(E301)
並河 良典(京都大学)
On the structure of homogeneous symplectic varieties of complete intersection
- 2012/3/30 無限次元リー理論セミナー 13:45--14:45 B313
山根 宏之(大阪大学情報科学研究科)
階数が2以上の楕円リー代数の虚ルートの重複度
- 2012/3/30 無限次元リー理論セミナー 15:00--16:00 B313
吉井 洋二(秋田工業高等専門学校)
局所アフィンリー環の分類について
有限次元スプリット単純リー環の自然な拡張として局所有限スプリット単純リー環が定義できる。同様にして、アフィンリー環から局所アフィンリー環と呼ばれるリー環を定義する。これらのリー環について、その分類法と分類結果を解説する。