- 2009/4/8 幾何セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Pablo Mira Carrillo(Universidad Politecnica de Cartagena)
Constant mean curvature surfaces in homogeneous 3-manifolds
- 2009/4/10 整数論保型形式セミナー 15:00--16:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Kazim Buyukboduk (Max Plank Institut)
Tamagawa defect of Euler systems
The Euler system method is a powerful tool which is used (by Kato, Kolyvagin, Rubin, ...) to prove important results towards the Birch and Swinnerton-Dyer conjecture (BSD, in short). However, the formulas obtained using an Euler system differ from what has been proposed by BSD, by certain local factors (the so-called Tamagawa numbers). This error term is what I call the Tamagawa defect, and the aim of this talk is to explain why Euler systems are bound to have this defect, and how one could improve the formulas obtained via the Euler system machinery so as to include the missing Tamagawa factors.
※セミナー室変更注意。
- 2009/4/10 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Keiji Oguiso(Osaka univ.)
Mordell-Weil groups of fibered compact hyperkahler manifolds
- 2009/4/10 整数論保型形式セミナー 16:20--17:20 数学教室 新セミナー室(D505)
Jan Nekovar (University of Paris VI)
Parity results for Selmer groups of Hilbert modular forms and elliptic curves
- 2009/4/14 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
磯崎泰樹(大阪大学 理学研究科)
二次元回転対称stable Levy過程による直線・半直線への初到達分布について
- 2009/4/17 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
片山聡一郎(和歌山大学)
非線形の波動方程式と Klein-Gordon 方程式の連立系に対する大域解
空間3次元で波動方程式と Klein-Gordon 方程式の非線形のシステムを考える.
小さな初期値に対して大域解が存在するための非線形項に対する条件について
考察する.同様の問題について昨年度の学会で講演したが, その際の結果よりも弱い条件の下で大域解の存在を示すことができたので紹介したい. Dirac-Klein-Gordon 方程式, Klein-Gordon-Zakharov 方程式, Dirac-Proca方程式などの具体例も今回の条件を満たす. したがって, これらのシステムの大域解の存在に関する既知の結果は(初期値のクラスを気にしなければ)今回の結果から統一的に得ることができる.
- 2009/4/20 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
Vladimir K. Dobrev(Bulgarian Academy of Sciences, Institute for Nuclear Research and Nuclear Energy)
Invariant Differential Operators for Non-Compact Lie Groups
We present a canonical procedure for the explicit construction of
invariant differential operators. The exposition is for semi-simple
Lie algebras, but is easily generalized to the supersymmetric and
quantum group settings. Especially important is a narrow class of
algebras, which we call 'conformal Lie algebras', which have very
similar properties to the conformal algebras of n-dimensional
Minkowski space-time. Examples are given in detail, including diagrams of
intertwining operators, or equivalently, multiplets of elementary
representations (generalized Verma modules).
- 2009/4/21 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
小谷眞一(関西学院大学)
ランダム・シュレーディンガー作用素の固有値の極限分布
- 2009/4/24 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
宮内通孝氏(京大理)
p-進不分岐 U(3) のスーパーカスピダル表現の Whittaker 模型
p-進体上定義された準分裂代数群のスーパーカスピダル表現のWhittaker 模型の存在の判定は、局所 Langlands 予想に関連した重要な問題である。3 変数ユニタリ群 U(3) に対しては局所 Langlands 予想は証明されており、そこから U(3) のスーパーカスピダル表現は一般には Whittaker 模型を持たないことが分かる。
本講演では、p-進不分岐 U(3) のスーパーカスピダル表現の構成について
概説した後、それを用いた Whittaker 模型の存在の判定についてお話する。
- 2009/4/24 代数幾何・複素幾何セミナー 16:20--17:50 理学部 b棟 b342/346(時間がいつもと異なることにご注意下さい)
月岡 透(大阪府立大学 総合教育研究機構)
ピカール数の高いファノ多様体について
因子を曲線につぶす双有理射を持つファノ多様体について考える。
C.Casagrandeによる最近の結果によれば、4次元以上では、
このようなファノ多様体のピカール数は(次元によらず)最大で5である。
本講演ではピカール数が最大になる場合について部分的な分類を述べる。
- 2009/4/24 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
西谷達雄(大阪大学 理学研究科)
非効果的双曲型作用素に対する初期値問題と Gevrey クラス
- 2009/4/27 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
小木曽啓示(大阪大学 理学研究科)
複素曲面の自己同型と小さなSalem数
コンパクトケーラー多様体の自己同型の複雑さを測る尺度の1つに位相的エントロピーがある。
複素曲面の場合にはエントロピー(の真数)にSalem数と呼ばれる代数的整数が自然な形で現れる。Salem数は数学のいろいろなところに現れる数であるが, その基本的性質(最小値はいくつなのか等)はまだベールに包まれたままである.
このあたりの事情から始めて, まずLehmer数と呼ばれる現存する最小のSalem数を有理曲面の自己同型のエントロピーの真数として実現したMcMullenの仕事を概観したい。最後に, 他の複素曲面の自己同型(及びコンパクト超ケーラー多様体の自己同型)のエントロピーの真数に現れうるSalem数-特に出来るだけ小さなもの-を見出す現在進行中の試みについてお話したいと思います。
- 2009/5/8 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
林 仲夫(大阪大学 理学研究科)
非線形クライン・ゴルドン方程式の波動作用素について
- 2009/5/11 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
小磯憲史(大阪大学 理学研究科)
等質空間における弾性線の CM 型運動方程式
- 2009/5/12 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
杉田洋(大阪大学 理学研究科)
モンテカルロ積分のための疑似乱数生成器
- 2009/5/12 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 B447
宮地秀樹(大阪大学 理学研究科)
Seminar on work of Hamenstadt: 第1回, overview
- 2009/5/15 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
小野寺 栄治(九州大学数理学研究院)
The initial value problem for a third order dispersive flow into compact almost Hermitian manifolds
(平坦な)実数直線又は1次元トーラスからコンパクトな概エルミート
多様体への写像(曲線)の時間発展を記述するある3階非線型分散型
方程式に対する初期値問題の解法を考察する。
時間局所解の存在に関する先行研究では、多様体がケーラー多様体であることが仮定されてきた。ケーラー性が破綻すると、古典的エネルギー法では扱えない1階項が方程式に現れる。
本講演では、必ずしもケーラー性がなくとも、誘導束上のある種のゲージ変換を構成することでこの1階項を解消し、時間局所解の存在を証明できることをお話ししたい。(定義域が1次元トーラスの場合は千原浩之准教授
(東北大学)との共同研究である。)
また、可能なら、解が時間大域的に存在するための十分条件についても触れたい。
- 2009/5/15 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
森田知真(北大理)
Relative p-adic Hodge theory
この講演では、最近、p-進ホッヂ理論において盛んに研究が進められている(Phi,Gamma)-加群やそれに付随するp-進微分作用素の理論などを用いることにより、剰余体が完全とは限らないp-進ガロア表現について得られた結果を紹介したい。また、この結果を用いることにより、Bergerによるpotentially semi-stable theoremを剰余体が完全とは限らない場合へ拡張できることについても述べたい。
- 2009/5/18 幾何セミナー新型インフルエンザのため中止となりました 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
高橋篤史(大阪大学 理学研究科)
特異点のミラー対称性,
- 2009/5/18 談話会中止です 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
Jeff Viaclovsky(University of Wisconsin, Madison)
Geometry of anti-self-dual metrics
There is an isomorphism of Lie groups
Spin(4) = SU(2) x SU(2). This basic fact allows one
to define a special structure on a 4-manifold,
called an anti-self-dual metric. These are particularly
interesting due to Penrose's twistor theory program:
one can naturally associate a complex 3-fold to
these metrics, and then use holomorphic methods
in complex dimension 3 to understand their geometry.
I will discuss various examples of anti-self-dual
4-manifolds, and illustrate the use of analytic methods
to study degenerations of these metrics to orbifold limits.
- 2009/5/19 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
矢野孝次(神戸大学)
「中止!」コンパクト群に値をとる負時刻確率方程式の端点解について
- 2009/5/19 トポロジーセミナー(開催を見送ることになりました) 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
桐生裕介(スタジオフォンズ)
Algorithmic description, Refactoring and Symbolic computation about low-dimesional topology
本講演ではMathematica上で、低次元トポロジの様々な計算を記述するための仕組みと、計算機に関する歴史的概観、及び数式処理の近況についてお話しします。特にMathematicaのフロントエンド、プログラミングパラダイム、近年普及した並列計算、及び言語の自由度と低次元トポロジの対象を扱うことに関する近年の成果について述べます。
- 2009/5/20 古典解析セミナー 13:50-- 数学教室 B433
山田 泰彦(神戸大学 理学研究科)
楕円差分パンルヴェ方程式のラックス形式
- 2009/5/22 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
筒井 容平(大阪大学 理学研究科)
Sharp 極大函数と双線形評価への応用
Calderon-Scott, DeVore-Sharpley により導入された sharp 極大函数を用いて、Kozono-Taniuchi ('00) により示された、Euler, Navier-Stokes 方程式に現れる非線形項の評価の別証明を紹介します。
- 2009/5/25 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
藤野 修(京都大学 理学研究科)
極小モデル理論の新展開
極小モデル理論とは、代数多様体の双有理分類論の標準理論の一つである。
森によって始められたので、森理論と呼ばれることも多い。本講演では、
極小モデル理論の最近の大発展について述べる。集中講義で解説予定の
トーリック森理論との関係にも触れる予定である。
- 2009/5/25 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
後藤竜司(大阪大学 理学研究科)
Calabi-Yau structures and Einstein-Sasakian structures on crepant resolutions of isolated singularities
- 2009/5/26 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 B447
高尾 和人(大阪大学 理学研究科)
Seminar on work of Hamenstadt 第2回
- 2009/5/26 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
盛田健彦(大阪大学 理学研究科)
記号力学系の特異摂動とその応用
- 2009/5/29 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
利根川 聡(日本大学理工学部)
空間2次元における2次の非線形クライン・ゴルドン方程式に対する波動作用素について(N.Hayashi and P.I.Naumkin との共同研究)
自由解の初期データに低いregularityしか仮定しなくても、空間2次元で2次の非線形項$ u^2 $を持つ非線形クライン・ゴルドン方程式が自由解に近付く時間大域解を持つことを示す。
- 2009/5/29 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
岡崎 武生(京大理)
CM-case of Ramakrishnan and Shahidi's result
Q上の楕円曲線に付随したGalois表現のcubic tensorで
GSp(2)-valuedなGalois表現が得られます. このGalois表現に対応
して,degree 2のSiegel modular formが存在する事がRamakrishnan,
Shahidiにより、楕円曲線が虚数乗法を持たないときに示されました.
今回、この除外された場合でも, Siegel modular formが存在する事
や相違点についてお話します.
- 2009/6/1 幾何セミナー 2:40--4:10 数学教室 大セミナー室(E301)いつもと時間が違いますのでご注意下さい
角 大輝(大阪大学 理学研究科)
多項式半群の空間と複素平面上の特異関数
2元生成一変数多項式半群のリーマン球面上での力学系
を考える。そのような半群のなかで、ある良い性質を持つもの全体の空間Xを
考える。空間Xの位相的性質などを調べるとともに、
Xに属する各パラメータにおいて、
対応するランダムな力学系をリーマン球面上で
考え、無限遠点に収束する関数を考えると、
それが「悪魔の階段の複素平面上版」とでもいうべき面白い性質を
持つことを示す。つまり、そのような関数は、平面上連続で、
細いフラクタル集合上でのみ変化し、そのフラクタル集合の稠密な点では
全微分が不可能である。
また、その関数を確率パラメータで偏微分することにより、
「高木関数の複素平面上版」
が現れることも示す。
- 2009/6/5 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
利根川 吉廣(北海道大学)
Variational problems motivated by large deviation theory
双安定的なポテンシャルを持つ反応拡散方程式であるAllen-Cahn方程式にホワイトノイズを加えたとき、2つの安定相間での遷移が起こる。零ノイズ極限における遷移確率は大偏差原理によって求められるが、そこで現れるアクション最小化問題とそこからさらに動機付けられた幾何学的変分問題について説明する。
- 2009/6/5 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
中村健太郎(東京大学)
Zariski density of two dimensional trianguline representations of p-adic fields
三角表現(trianguline representation) とは、
p進体のp進ガロア表現のクラスであり、
近年のGL_2(Q_p)のp進ラングランズ対応の研究や
eigenvarietyの研究などにより、その重要性が認識
され始めてきている。
本講演では、一般のp進体に対して、二次元p進ガロア
表現の変形空間の中で、二次元三角表現に対応する点が
Zariski密に含まれているという定理を証明する。
なお、p進体がQ_pの場合はこの定理はColmez氏、Kisin氏
により証明されており、本講演ではこの定理を一般のp進体
に対して証明する。証明は、Kisin氏による有限スロープ
部分空間の構成を一般化することで行う。
- 2009/6/8 幾何セミナー 14:40--16:20 数学教室 大セミナー室(E301)時間にご注意下さい
高橋篤史(大阪大学 理学研究科)
特異点のミラー対称性
- 2009/6/8 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
有木 進(京都大学 数理解析研究所)
Fock空間の圏化と最近の話題
何を使って圏化するかは人それぞれですが、
私たちの研究グループは有限次元代数の加群圏を使って
圏化を考えます。その代表的な例としてレベル1の
Fock空間をとりあげ、どこまで理解が進んだかを
お話しします。この分野での目標は1より大きいレベルや、
より一般の箙に向けての一般化であり、まだまだ研究が
始まったばかりですがその辺の夢も少しだけ触れたいと
思います。
- 2009/6/9 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 B342
Dragomir Saric(CUNY)
The mapping class group cannot be realized by homeomorphisms
The mapping class group MCG(S) of a closed surface S of genus at least 2
is quotient of the group of homeomorphisms Homeo(S) of S by the subgroup
Homeo_0(S) of homeomorphisms homotopic to the identity. We show that
MCG(S) does not have a homomorphic section to Homeo(S) which answers a
question of Nielsen.
This is a joint work with V. Markovic.
- 2009/6/9 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
矢野孝次(神戸大学)
コンパクト群に値をとる負時刻確率方程式の端点解について
- 2009/6/12 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
筒井 容平(大阪大学 理学研究科)
Sharp 極大函数と双線形評価への応用
Calderon-Scott, DeVore-Sharpley により導入された sharp 極大函数を用いて、Kozono-Taniuchi ('00) により示された、Euler, Navier-Stokes 方程式に現れる非線形項の評価の別証明を紹介します。
- 2009/6/15 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
Samuel Grushevsky(Princeton University)
(Super)string scattering amplitudes and modular forms
The (super)string measure is one of the central quantities involved in
the formulation of string theory. Attempts to find explicit expressions
for the measure have been made by physicists and mathematicians since
1980s, when various expressions for the bosonic string measure were
proposed. The question of finding the superstring measure is much harder
than for the bosonic measure, as the supermoduli are present in the theory.
D'Hoker and Phong started the modern program of computing the
superstring measure from factorization constraints (restrictions to
lower genera). In this talk we discuss the recently proposed ansatze for
the superstring measure, using their ideas, and a detailed study of the
spaces of appropriate modular forms. We will show that the proposed
ansatz for the superstring measure satisfies some physical constraints,
and discuss further open questions. Some ideas of string theory and the
theory of Siegel modular forms will be introduced in the talk
- no prior knowledge assumed.
- 2009/6/16 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 B447
(大阪大学 理学研究科)
Seminar on work of Hamenstadt 第4回 the complex of train tracks
- 2009/6/19 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
砂川 秀明(大阪大学 理学研究科)
Resonance-type behavior in nonlinear Klein-Gordon systems: a survey
空間低次元における非線形クライン・ゴルドン方程式系では、質量項と呼ばれる線形部分の低階項の係数の比に応じて解の長時間挙動に定性的な違いが生じうることが知られています。今回は、なるべく簡単な例を取り上げてそのような現象に関する基本的な結果を紹介するとともに、いくつかの問題提起をしたいと考えています。
- 2009/6/19 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
水野 義紀(3次元上半空間のスペクトル理論とエルミート保型形式)
徳島大学
3次元上半空間のスペクトル理論を用いてエルミート
保型形式を調べます。内容は「3次元上半空間のマース形式の特殊値
のある平均が、2次元上半空間のマース形式のフーリエ係数になる」
というカトック・サルナック型の結果、エルミート版斉藤・黒川リフト
に逆定理による解析的証明を与えること、レベル付エルミート・アイ
ゼンシュタイン級数のフーリエ係数の決定、それを用いたp進エルミート
・アイゼンシュタイン級数のエルミート・アイゼンシュタイン級数
による記述、です。
(p進エルミート・アイゼンシュタイン級数については菊田俊之氏
との共同研究、その他はRoland Matthes氏との共同研究)
- 2009/6/22 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
渡辺澄夫(東京工業大学)
学習理論の数学的構造について
ある確率分布に従うサンプルが得られたとき、サンプルから確率分布を
推測することを統計的推測あるいは統計的学習という。近年の情報科学・
生命科学では、サンプルから確率分布の構造を抽出するモデルが広く用
いられているが、それらのモデルにおいてはフィッシャー等によって作
られた統計的正則モデルの漸近理論が成り立たない。この講演では正則
でないモデルも含む学習の過程を数学的に扱うための方法について紹介
し、代数幾何、代数解析、確率過程論との関わりを述べる。また、その
方法によって統計学にもたらされた新しい成果を解説する。
- 2009/6/23 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
梶野 直孝(京都大学 情報学研究科)
調和関数による局所Dirichlet空間の時間変更から生じる反射壁Brown運動
再帰的な局所正則Dirichlet形式と対応する再帰的な拡散過程Xが与えられたとし,
ある特殊な境界条件を満たす調和関数hとそのエネルギー測度\muを考える.このとき
(i) \muのhによる像測度は有界閉区間上のLebesgue測度に一致し,
(ii) h(X)の,\muによる時間変更過程は有界閉区間上の反射壁Brown運動であり,
そのSkorohod方程式はh(X)の福島分解の時間変更により与えられる
という結果が得られたので紹介する.一例として,講演の後半で調和Sierpinski
gasket上の熱核の漸近挙動解析への上記結果の応用にも触れる.
- 2009/6/26 代数幾何・複素幾何セミナー (今回は幾何セミナーと合同です) 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
Kaoru Ono(Hakkaido univ.)
toric 多様体の Lagrange トーラスファイバーのFloer 理論について
アブストラクト:
Fukaya-Oh-Ohta-Ono の Lagrange 部分多様体の Floer 理論の
枠組みを述べた後、それを toric 多様体の運動量写像のファイバーとして
現れる Lagrange トーラスの場合に具体的に論じる。
応用として、Hamilton 変形で disjoint に動かせない Lagrange トーラス
ファイバーの記述や、displacement energy の下からの評価などについて
述べる。この講演は深谷氏、Oh 氏、太田氏との共同研究に基づく。
- 2009/6/26 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
下村 明洋(首都大学東京)
長距離型ポテンシャルを伴う Hartree-Fock 方程式の解の分散性について
- 2009/6/26 幾何セミナー(代数幾何・複素幾何セミナーとの合同セミナー) 14:40--16:20 理学部 b棟 b342/346
小野薫(北海道大学)
toric 多様体の Lagrange トーラスファイバーのFloer 理論について
Fukaya-Oh-Ohta-Ono の Lagrange 部分多様体の Floer 理論の
枠組みを述べた後、それを toric 多様体の運動量写像のファイバーとして
現れる Lagrange トーラスの場合に具体的に論じる。
応用として、Hamilton 変形で disjoint に動かせない Lagrange トーラス
ファイバーの記述や、displacement energy の下からの評価などについて
述べる。
この講演は深谷氏、Oh 氏、太田氏との共同研究に基づく。
- 2009/6/30 トポロジーセミナー 15:15--16:15 理学部 b棟 b342/346
安井 弘一(京大数理研)
On corks of 4-manifolds
- 2009/6/30 トポロジーセミナー 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
桐生 裕介(スタジオフォンズ)
Algorithmic description, Refactoring and Symbolic computation about low-dimesional topology
本講演ではMathematica上で、低次元トポロジの様々な計算を記述するための仕組みと、計算機に関する歴史的概観、及び数式処理の近況についてお話しします。特にMathematicaのフロントエンド、プログラミングパラダイム、近年普及した並列計算、及び言語の自由度と低次元トポロジの対象を扱うことに関する近年の成果について述べます。
- 2009/6/30 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
上村稔大(関西大学理工学部)
On a conservativeness of symmetric jump processes
- 2009/6/30 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 B342
Ivan Izmestiev(Technische Universitat Berlin/ Kyushu University)
Hyperbolic cusps with convex polyhedral boundary
- 2009/7/3 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
永安 聖(北海道大学)
A depth-dependent stability estimate in electrical impedance tomography
介在物を含むある伝導体があるとします. そして, 伝導体の境界での観測から介在物を決定する逆問題について考えます. ここで, 介在物が伝導体の境界から遠ければ遠いほど, つまり, 介在物が奥の方にあればあるほど, 介在物の
再構成が難しくなることが予想されます. そこで, 介在物が奥にあればあるほど安定性が悪くなることを, あるモデルを用いて示します. 尚, この研究はGunther Uhlmann氏とJenn-Nan Wang氏との共同研究です.
- 2009/7/6 幾何セミナー 13:30--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Professor Jaigyoung Choe(Korea Institute for Advanced Study)
Yau's Conjecture on the First Eigenvalue of the Laplacian on Minimal Surfaces in S^3.
Let $\lambda_1$ be the first nontrivial eigenvalue of the Laplacian on a compact surface without boundary. We show that $\lambda_1\ge 2$ on compact embedded minimal surfaces in $S^3$ that are constructed by Lawson, by Karcher-Pinkall-Sterling, and recently by Kapouleas-Yang.
- 2009/7/10 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
大渓幸子(防衛大学校)
ガロア群の表現と結び目群の表現の変形空間における類似
代数的整数論と3次元トポロジーは
ガロア理論の視点から見ると類似性があると考える
数論的位相幾何学では、有理数体の素数pと無限素点の
外不分岐最大拡大のガロア群と、結び目補空間の基本群
を類似と見ます。そこで本講演では、その類似の考え方
を述べることから始めて、さらにそれらの表現の変形空間
の間の類似性について得られたことを、関連する結果と
共にお話したいと思います。
- 2009/7/13 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
和田昌昭(大阪大学情報科学研究科)
平面曲線のシュワルツ微分と単射性
- 2009/7/14 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
矢野裕子(立命館大学理工学部)
安定過程の最大値過程による処罰問題(矢野(孝)氏,M. Yor氏との共同研究)
- 2009/7/17 微分方程式セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
前川 泰則(神戸大学)
Burgers渦の3次元摂動に対する安定性について(Th. Gallay氏(Grenoble, France)との共同研究)
Burgers渦は2次元Gauss関数を用いて表される定常渦度場であり、軸対称な歪み流が存在する状況下での3次元Navier-Stokes方程式のある定常解を与える。本講演では、摂動が3次元的な流れであるときのBurgers渦の安定性について考察する。
- 2009/7/24 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Olivier FOUQUET(大阪大学 理学研究科)
Control theorems for Selmer groups of nearly ordinary deformations
Starting with the influential work of B.Mazur, it has been noticed that the Selmer group of a Galois deformation specialized at an arithmetic point is almost isomorphic to the Selmer group of the specialization. This control theorem reflects the interpolation property of the p-adic L-function. In a joint work with T.Ochiai, we prove a control theorem for the Selmer group of nearly ordinary deformations of representations of the Galois group of a totally real field.
- 2009/7/27 幾何セミナー 13:30--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
佐治健太郎(岐阜大学・教育学部)
波面のD型特異点とその判定法
- 2009/7/28 代数幾何・複素幾何セミナー 10:30--12:00 理学部 b棟 b342/346(いつもと曜日、時間が異なることにご注意下さい)
Jungkai A. Chen(National Taiwan University.)
Explicit birational geometry of threefolds.
- 2009/7/28 トポロジーセミナー 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
山田 翔平(大阪大学 理学研究科)
Homology 3-spheres which bound contractible 4-manifolds
Mazurは境界つきの可縮な4次元多様体で,4次元球体と同相ではないものを構成した.可縮な4次元多様体は,4次元多様体の研究において,重要な役割を果たすと考えられ,近年ではCorkなどを通して,4次元多様体の微分構造との関係について調べられている.さて本講演では,ある結び目に沿うDehn手術から得られるホモロジー3球面であって,なおかつそれが可縮な4次元多様体の境界になっている,という性質を持つものを紹介する.そして,この結び目の性質や不変量を紹介し,それを用いていくつかの既知の結果と比較する.また,時間があれば本研究の動機付けとなったAndrews-Curtis予想についても,解説したい.
- 2009/9/14 代数幾何・複素幾何セミナー 16:00--17:30 理学部 b棟 b342/346(いつもと曜日と時間が異なることにご注意下さい)
Stefan Schroeer(University of Dusseldorf)
The ring of homogeneous vector bundles on elliptic curves in characteristic p>0
- 2009/9/15 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Cyril Lecuire(Universite Paul Sabatier Toulouse III)
Volume of 3-dimensional hyperbolic convex cores
The convex core is a fundamental set of 3-dimensional hyperbolic with infinte volume that contains all the geometrical informations. I will explain how the volume of the convex core is related to others invariants such as the conformal structure on the boundary at infinity.
- 2009/10/2 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
山名俊介(京大理)
四元数ユニタリ群の退化主系列表現
退化主系列表現とは局所体上の古典群のジーゲル放物型部分群の一次元表現の誘導表現のことである.こうした表現は現在までに活発に研究されているが,特にシンプレクティック群やユニタリ群などの場合は詳しく研究され,ジーゲル・ヴェイユ公式の拡張やテータダイコトミーなどの研究にも応用されている.今回,実数体と p 進体上の四元数ユニタリ群 (O^*(4n) と Sp(n,n)) の退化主系列表現について,可約点での加群構造やテータ対応との関係を解説する.時間があれば,シンプレクティック群やユニタリ群の場合のような応用の可能性にも触れたい.
- 2009/10/9 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
片山 聡一郎(和歌山大学)
ある種の半線形波動方程式系の解の漸近挙動
2次の非線形項を持つ半線形波動方程式系の小さな初期値に対する初期値問題を考える. Klainerman の null 条件の下では, 大域解が存在し, さらに解は漸近自由になる. Alinhac は null 条件よりも弱い条件の下で大域解の存在を示したが, その解は漸近自由になるとは限らない.
本講演では, Alinhac の条件と関連した条件の下で大域解の各点的な漸近挙動を調べる. その応用としてエネルギーが(多項式あるいは対数オーダーで)増加する場合や, エネルギーは有界に留まるが解が自由解とは異なる挙動をする場合があること等を示す.
- 2009/10/16 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
冨田 直人(大阪大学 理学研究科)
Unimodular Fourier multiplierのmodulation空間での有界性について
シュレディンガー作用素$e^{i|D|^2}$が$L^p$-空間で有界になるのは$p=2$の場合だけであることが知られているが,modulation空間と呼ばれる関数空間上で考えた場合には様子が異なる.この講演では,$e^{i|D|^2}$を一般化した$e^{i|D|^{\alpha}}$のmodulation空間上での有界性を考えたい.この研究は,宮地晶彦氏(東京女子大学)との共同研究である.
- 2009/10/16 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40-- 理学部 b棟 b342/346
高橋篤史(大阪大学 理学研究科)
dg圏の入門(基本的定義など)
- 2009/10/16 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
吉永正彦((京大理) )
周期と実数の計算論的複雑性について
Kontsevich と Zagier によって導入された複素数の部分集合「周期」はすべての代数的数といくつかの有名な超越数を含み、数のクラスとして重要だと考えられている。一方で Turing が1936年に、「計算可能実数」というクラスを定義して、実数に計算論的複雑性によるヒエラルキーを導入するアイデアを提出している。今回のセミナーでは「周期」の計算論的複雑性を測るという話を紹介する。
- 2009/10/19 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
植田一石(大阪大学 理学研究科)
Coamoeba and equivariant homological mirror symmetry for the projective space
- 2009/10/20 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
鍛冶俊輔(大阪大学 理学研究科)
Financial inverse problem and reconstruction of infinitely divisible distributions with Gaussian component
- 2009/10/23 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40-- 理学部 b棟 b342/346
高橋篤史(大阪大学 理学研究科)
Brown表現可能性(compactly generatedな場合)
- 2009/10/23 代数幾何・複素幾何セミナー (談話会と共催) 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
Jun-Muk Hwang(KIAS)
Non-algebraically integrable foliations of general type
For a holomorphic foliation on an algebraic manifold, a fundamental
question is whether the leaves are algebraic subvarieties.
We discuss this question for holomorphic foliations of rank 1.
In a jointwork with E. Viehweg, we prove a criterion for a foliation
of rank 1 on a projective manifold to be non-algebraically integrable,
i.e., its leaves are not algebraic curves.
As an application, we prove that the characteristic foliation
on a smooth hypersurface of general type
in a projective symplectic manifold is not algebraically integrable.
- 2009/10/23 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
萬代 武史(大阪電気通信大学)
On a new center and width of signals, and the uncertainty principle
不確定性原理は,関数の「幅」とフーリエ変換像の「幅」の積がある正定数より小さくなれない.という形に定式化できる.一方,信号処理などの分野では,フーリエ像の独立変数は角周波数という意味を持ち,運動量の場合と違って,正負を統合して考えたほうがよい.この講演では,関数のフーリエ像の「中心」と「幅」を,正負を統合した形で定義し,その基本性質を調べ,幅としてこの新しい幅を採用した場合の不確定性原理について考察する.なお,この結果は,大阪教育大の芦野隆一氏,守本晃氏との共同研究に基づくものである.
- 2009/10/27 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 B447
糸 健太郎(名大多元数理)
Linear slices of Kleinian punctured torus space close to a Maskit slice
SL(2,C) の中の1点穴あきトーラス群は,
その2つの生成元の trace を決めると一意的に定まる.
1つの生成元の trace を固定して
もう1つの生成元の trace を動かしたときに,
離散的トーラス群に対応する集合をlinear sliceという.
特に固定する trace が 2 のときは,
linear slice は Maskit slice に一致する.
ここでは,固定する trace の値が 2 に近づくときに,
linear slice がどのように振る舞うかを考察する.
特に,trace に対応する complex translation length の
0 への収束が horocyclic か tangential かによって,
本質的な違いが現れることを示す.
また,この現象は complex Fenchel-Nielsen coordinate や
complex probability を用いると,より自然に理解できる
ことも説明する.
- 2009/10/27 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
盛田健彦(大阪大学 理学研究科)
Leafwise Brownian motions on a class of mapping tori
- 2009/10/28 古典解析セミナー 15:30-- 数学教室 B433
川向 洋之(三重大学)
G(3,1,1) の有理解について
2変数ガルニエ系を2回退化して得られる非線形方程式G(3,1,1) について考察し,Funkcial. Ekvac. 46 (2003) 1-21 と同様の方法で,G(3,1,1) に含まれる有理解を求める.
- 2009/10/30 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
西山尚志(大阪大学 理学研究科)
境界に摩擦を持つ波動方程式のエネルギー減少について
境界に摩擦に相当する条件をもった波動方程式を考察する。
特に、部分的に長方形な領域での解のエネルギー減少についてお話しする。
この領域上では、長方形の部分に摩擦が少ない場合、
これまでエネルギーの減少について最良の評価を得られていなかった。
この問題について、多項式のオーダーで減少する十分条件として
以前にお話した仮定を改良できること、および、ある例では、
多項式の減少オーダーが最適であることについてお知らせしたい。
- 2009/11/6 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40-- 理学部 b棟 b342/346
高橋篤史(大阪大学 理学研究科)
dg森田定理(および代数幾何への応用など)
- 2009/11/6 代数幾何・複素幾何セミナー (談話会および幾何セミナーと共催) 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
Sai Kee Yeung(Purdue U.)
On smooth surfaces of general type with the smallest Euler number
A smooth surface of general type has Euler number at least 3.
We will show that all such surfaces with Euler number 3 are
either fake projective planes or the first Betti number is 2.
We will then explain the classification scheme of Prasad and myself
on fake projective planes, which is now completed by Cartwright and Steger.
In completing the classification of fake projective planes,
Cartwright and Steger constructed a smooth surface of general type
on which the Euler number was 3 and the first Betti number was 2.
We will explain the example and mention some geometric applications
involving the surfaces.
- 2009/11/6 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
原下秀士(神戸大理)
$p$-可除群の$p$-核と同種類の関係について
正標数の体上の $p$-可除群に対し、その同種類(Newton polygon)は最も基本的な普遍量であるが計算は容易ではない。そのため、$p$-可除群の小さい部分(例えば p-核)からNewton polygon を評価するような理論が古くから望まれている。本講演では、$p$-可除群に対しその $p$-核の同型類から同種類を最も良く評価する。アルゴリズムを具体的に与えることが出来るというお話をする。主偏極付の時、これは主偏極アーベル多様体のモジュライ空間の階層構造に関するOort予想に対応している。今回の偏極無しの場合には、アーベル多様体のモジュライ空間の代わりにp-可除群の族達を上手く扱う必要があった。
- 2009/11/9 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
小川卓克(東北大学)
2 dimensional drift-diffusion system in Hardy space
- 2009/11/10 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
永幡幸生(大阪大学基礎工学研究科)
Spectral gap for multi-species exclusion processes
- 2009/11/13 微分方程式セミナー 15:30--16:30 数学教室 大セミナー室(E301)
Jean-Claude Saut(Universite Paris-Sud)
The transonic limit of the Gross-Pitaevskii equation
We will consider the long wave transonic limit of the Gross-Pitaevskii equation. After a suitable scaling, the finite energy two-dimensional "ground state" solutions are shown to converge to the ground states solutions of the KPI equation (joint work with Fabrice Bethuel and Phlippe Gravejat). We consider next the Cauchy problem and prove that the dynamics in the one-dimensional long wave regime is described by a system of KdV equations (joint work with Fabrice Bethuel, Philippe Gravejat and Didier Smets).
- 2009/11/13 微分方程式セミナー 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
小川卓克(東北大学)
Drift-diffusion system in a critical case
The drift-diffusion system is derived from several
model of the fluid mechanics and it appears in various
fields of physics and biology.
We introduce the simplest drift-diffusion model with
nonliner diffusion and derive the critical exponent
of the Sobolev type. The global existence and the
asymptotic behavier and the finite time blow up will be
disscussed in this critical case
(part of this talk includes the joint work with
Takayuki Kobayashi).
- 2009/11/16 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
栗原将人(慶應義塾大学理工学部)
楕円曲線の有理点とp進ゼータ関数
- 2009/11/17 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
門田直之(大阪大学 理学研究科)
Seminar on work of Hamenstadt 第n回
Ursula Hamenstadtの
Geometry of the mapping class groups I-III
の勉強会を再開します.
- 2009/11/20 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
友枝 恭子(奈良女子大学)
5次KdVタイプ方程式の解の解析性について
5次KdV方程式からある非線形項を取り除いた、5次KdVタイプ方程式の初期値問題について考察する。
高次KdV方程式系は水面波方程式の高次漸近近似として現れることが指摘されているが、
この漸近理論は未だ解析関数の範疇で閉じていない。
その理由の一つは、高次KdV方程式系に対する解析的な解の存在定理が時間局所的にさえ
得られていないからである。
そこで、高次KdV方程式系の最低次方程式として現れる5次KdV方程式についての考察を進めたところ、上記で述べた5次KdVタイプ方程式に対しては解析的な時間局所解が存在することが証明できたので、その結果を報告する。
- 2009/11/20 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
栗原将人(慶応大学)
Stickelberger element と CM 体のイデアル類群について
Iwasawa と Sinnott は円分体に対して、Stickelberger イデアルを定義して、
その指数を類数を使って表した。実はこの Iwasawa-Sinnott のイデアルは、
指数だけでなく、イデアル類群に関係する正確な代数的意味を持っている
ことを述べる(これ自体、岩澤主予想より詳しい情報を与える)。
また、一般の総実代数体上の CM 体に対して、Stickelberger の定理の
一般化である Brumer 予想を少し強くした問題を(2つ)考え、それが
成り立つときと成り立たないときのあることを説明する。
- 2009/11/24 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
桑子和幸(大阪大学 理学研究科)
Seminar on work of Hamenstadt 第n+1回
- 2009/11/24 トポロジーセミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
升本 功樹(大阪大学 理学研究科)
三次元多様体の基本群のPSL(2,C)表現の双曲体積とミューテーション
- 2009/11/27 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
木下 保(筑波大学)
Time regularity of the solutions to second order hyperbolic equations
- 2009/11/27 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40-- 理学部 b棟 b342/346
小木曽 啓示(大阪大学 理学研究科)
Bondal-Van den Bergh 論文紹介 I
- 2009/11/30 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
藤原耕二(東北大学情報科学研究科)
写像類群の漸近次元
有限生成群を研究する上で、ツリーへの等長作用を考えることは有効である。
ツリーへの群作用が一点を固定するとき自明であると呼ぶが、
群が自明でない群作用を持つことと、群が分解することの同値性が
セールによって示されている。
一方、たとえば、ほとんどの曲面の写像群群は、
ツリーへの非自明な群作用を持たないことが知られている。
本講演では、ツリーと「擬等長」な図形である「擬ツリー」への
群の等長作用を論じる。
双曲幾何を使い、擬ツリーへの等長作用の構成法を公理的に述べ、
その応用について説明する。
- 2009/12/1 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
藤原耕二(東北大学情報)
Subgroups in the group of interval exchange transformations.
Let I be an interval. Break it into finitely many
subintervals, and
rearrange those pieces to obtain an interval again. This is an interval
exchange transformation. Let IET be the group of all interval exchange
transformations of the interval. We want to know which groups can
appear as subgroups of IET. For example, J. Franks asked if one can find
SO_3 in IET.
We answer negatively. This is a joint work with Dahmani and Guirardel.
- 2009/12/4 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
村瀬篤氏(京都産業大学)
Hecke symmetries for Siegel theta functions and Borcherds lifts
符号(2, m+2)の直交群上のSiegelテータ関数およびBorcherds lift
について、Hecke作用素に関する対称性を示す。応用として、
Sp(2, Z)上のBorcherds liftの性質について説明する。
(B. Heim氏との共同研究)
- 2009/12/4 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40-- 理学部 b棟 b342/346
小木曽 啓示(大阪大学 理学研究科)
Bondal-Van den Bergh 論文紹介 II
- 2009/12/7 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
盛田健彦(大阪大学大学院理学研究科)
連分数変換の一般化とその周期軌道分布に関する素数定理型定理
ポアンカレ計量を備えた複素上半平面のモジュラー群の作用による商
空間はモジュラー曲面と呼ばれ,分岐点や尖点をもつことを許した意味
でリーマン面になっている.一方,連分数変換と呼ばれる1次元力学系
の2回合成の周期軌道,モジュラー曲面上の測地流の閉軌道,モジュ
ラー群の原始的双曲元の共役類の三者間には,自然な 1:1 対応
があり,モジュラー群のセルバーグゼータ関数を連分数変換の2回合成
に関する転送作用素族のフレッドホルム行列式として書き表わすことが
可能である.これによって,連分数変換の周期軌道分布に関する素数定
理型定理がモジュラー曲面の閉測地線定理に他ならないことが分かる.
この事実の一般化の方向として少なくとも次の2つを考えることができ
る.第1の一般化は,すべての面積有限な双曲的リーマン面が上半閉面
を第1種フックス群の作用で割ることで得られることに注目して,モ
ジュラー曲面を一般の面積有限な双曲的リーマン面に置き換えるという
ものであり,第2の一般化は,モジュラー曲面を単にリーマン面として
見るのではなく種雛 1 の閉リーマン面のモジュライ空間として
捕らえ,種数2以上のモジュライ空間も扱おうというものである.
談話会では第1の一般化においては,ある種のマルコフ写像が連分数
変換の役割を果たす変換であることから始め,第2の一般化における連
分数変換の代替物模索の試みについて話す.
- 2009/12/7 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Craig Van Coevering ( MIT -- Department of Mathematics )
Asymptotically conical manifolds and the Monge-Amp?`{e}re equation
Some analysis is considered on manifolds with a conical end. Then we
show that in the K?"{a}hler case the complex Monge-Amp?`{e}re equation can be
solved with the same regularity as is known in the ALE case.
By considering resolutions of toric singularities and hypersurface
singularities this can easily be used to produce many Calabi-Yau manifolds
with a conical end.
- 2009/12/8 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
小森洋平(阪市大理)
種数1のリーマン面上の退化族の構成について
能城 敏博(大阪大学・大阪市立大学数学研究所)さんとの共同研究。
種数1のリーマン面の上に種数2のリーマン面の退化族を自然な方法で構成する。
主結果は正則切断をすべて決定することであるが、その過程で正則切断の候補が現れる。
それらの幾何学的意味についても説明したい。
- 2009/12/11 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
多羅間 茂雄(大阪市立大学)
ある退化分散型方程式の初期値問題の L^2 適切性
- 2009/12/14 幾何セミナー 1:00--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
尾高悠志(京都大学数理研)
K-stability, semi-log-canonicity and moduli
K-stability is a newer notion of GIT stability for polarized
varieties, introduced by G.Tian and S.K.Donaldson, conjecturally
equivalent to the existence of constant scalar curvature K"ahler
metrics. We will establish some basics by using algebro-geometric methods,
such as LMMP (log minimal model program). Finally, we will argue a relation
with moduli theory
- 2009/12/18 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
岡崎龍太郎(同志社大)
On the number of representation of unity by binary cubic forms
On the number of representation of unity by binary cubic forms
要旨 : Let $F$ be a binary cubic form with integer coefficients whose discriminant $D$ is non-zero. Denote by $N$ the number of the representations of the form $1=F(x, y)$ with integers $x, y$. If $F$ is reducible, the equation $F(x,y)=1$ reduces to a pair of a linear equation and a quadartic equation. Thus, its solution is an obvious case of Bezout Theorem. It has been known that $N \le 5$ if $D$ is negative and $F$ is irreducible. The proof is $p$-adic argument using that the unit ring asscoiated cubic field is generated by a single unit (and $-1$). In the remaining cases, $F$ is irreducible and $D$ is positive. The unit rank of the associated cubic field equals $2$, which gives some difficulty. Eventhough, by Thue Theorem $N$ is finite. Indeed, an absolute upper bound on the number of solutions has been given by Siegel and sharpened by Evertse and Bennett. They use ineffective theory of rational approximation. (Siegel Thoerem, Roth Thoerem are in this area.) On the other hand, Baker found an effective method for giving an upper bound for $|x|, |y|$ for arbitrary representation $F(x, y)=1$. At heart is the lower bound for linear forms in logarithms of algebraic numbers. It is clever to combine Baker's method with geometry of the image of units under the Dirichlet map. The speaker found a geometric normalization of the form $F$ in a way combatible with Baker's method. Moreover, he found a single analytic curve (on the ``logarithmic plane) that describes the equation $F(x, y)=1$. As a consequnce, we obtain that $N\le 7$ provided $D\ge 10^{70}$. Note that few forms with $N=9, 6$ are known. Several infinite families with $N=5$ are also known. For proving $N \le 5$ for large $D$, we need an essentially new idea.
- 2009/12/21 談話会(代数幾何・複素幾何セミナーとの共催) 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
De-Qi Zhang(National University of Singapore)
Endomorphisms of projective varieties and their invariant hypersurfaces
We consider endomorphisms f of a projective variety X,
give optimal upper bound on the number of hypersurfaces preserved by the inverse of f,
and characterize the boundary case.
- 2009/12/21 幾何セミナー 1:00--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
入谷寛(九大数理学研究院)
Givental の量子化とFock 層
- 2009/12/22 トポロジーセミナー 16:30--17:30 数学教室 新セミナー室(D505)
佐藤 正寿(東大数理)
レベルつき写像類群のアーベル化
レベルd写像類群は曲面の写像類群の指数有限部分群である. dが3以上においては, そのアーベル化はレベルd構造をもつ非特異代数曲線のモジュライ空間の整係数1次ホモロジー群と一致する. レベルd写像類群のアーベル化をほぼ決定し, 特にd=2については, 曲面の写像トーラスのRochlin不変量を用いて, レベル2写像類群上にそのアーベル化を決定する準同型を構成した. これについて紹介したい.
- 2009/12/22 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
深澤正彰(大阪大学 金融・保険教育研究センター)
尖度-歪度不等式と確率積分の近似
確率変数の尖度と歪度に関するある不等式を証明し、
応用として確率積分のRiemann近似に係る離散化誤差の漸近下界
を与える。漸近下界を達成する分割列も構成する。
- 2010/1/8 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
加塩朋和(京大理)
TBA
- 2010/1/12 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
鄭 仁大(阪市大理)
Gromov hyperbolicity of a variation of the Gordian complex
We will introduce simplicial complexes by using various
invariants and local moves on knots, which give generalizations of the
Gordian complex defined by Hirasawa and Uchida. In this talk, we will
consider the simplicial complex defined by using the Alexander-Conway
polynomial and the Delta-move, and show that the simplicial complex is
Gromov hyperbolic.
- 2010/1/15 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
高橋 亮(大阪大学 基礎工学研究科)
Critical exponents of a semilinear elliptic equation with constraints in higher dimensional space
We study a semilinear elliptic equation with constraints in higher dimensional space. Classification of entire solutions, $\sup+\inf$ type inequality, quantized blowup mechanism, simplicity of the blowup
points, their locations, and classification of the singular limits are shown."
- 2010/1/15 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40-- 理学部 b棟 b342/346
小木曽 啓示(大阪大学 理学研究科)
Bondal-Van den Bergh 論文紹介 III
- 2010/1/18 幾何セミナー 13:00--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
梅原雅顕(大阪大学 理学研究科)
波面の内的双対性とGauss-Bonnet の公式 (The intrinsic duality of wave fronts and Gauss-Bonnet formulas)
- 2010/1/18 談話会 -- 理学部 b棟 b342/346
三浦英之(大阪大学 理学研究科)
非圧縮Navier-Stokes流に対する特異点除去可能性について
非圧縮Navier-Stokes方程式は非圧縮粘性流体の流速場
と圧力場の関係を記述すると信じられている偏微分方程式
であり,その解の時間大域的な滑らかさの問題は,
1934年にJ.Lerayによって提案されて以来,多くの研究が
行われているが,現在までのところ未解決である.
この問題に対する一つのアプローチとして,ある点で
解が特異にならないための十分条件を考察する特異点除去
可能性の研究がある.
1994年にP.ConstantinとC.Feffermanは渦度の方向が作る
ベクトル場が, ある点の近傍でLipshitz連続であれば,
その点で解は特異にならないことを証明した.
今回の講演では,特異点の近傍で解を規格化する
blow up解析の手法を用いると,type Iと呼ばれる評価を
満たす点に対しては渦度方向に対する仮定を弱められる
ことを紹介する.
- 2010/1/25 幾何セミナー 13:00--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
後藤竜司(大阪大学 理学研究科)
Unobstructed K-deformations of generalized complex structures and Bihermitian structures
- 2010/1/26 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
山田澄生(東北大理)
Weil-Petersson geometry of Teichmueller-Coxeter complex
タイヒミュラー空間上のL^2計量であるベイユー・ピーターセン計量は
リーマン面上の双曲計量の変形理論として定義される。実2次元において双曲計量という
範疇は、共形構造の退化の自由度を強く制限するものであり、そのことは
タイヒミュラー空間の「境界」にあたる集合に自然な幾何構造を与える。
このことを利用して、この講演ではタイヒミュラー空間を単体として構成される
コクセター複体の幾何学的特徴をいくつか紹介をする。
- 2010/1/29 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
猪奥倫左(東北大学)
二次元熱方程式における Brezis-Merle 型指数可積分性について
Brezis-Merle は二次元 Poisson 方程式に対して,
外力を $L^1$ から選ぶとき解が指数可積分性を満たすことを示した.
本講演では外力項を持つ二次元熱方程式の解が
Brezis-Merle 型の時空間可積分性を満たすことを示す.
特に外力を非回帰的 Banach 空間から選んだ時の解の可積分性
を求め,最大正則性との関連を述べる.
- 2010/1/29 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
早田孝博(山形大学)
Gottschling's description of the Siegel fundamental domain of degree 2 and Groebner method
Gottschling による 二次のジーゲル上半空間の基本領域の記述をもうすこし精密にみることが目的である。Gottschling は、28個の超曲面で基本領域を
記述しており、したがってそれから組み合わせ的なセル分割が得られる。
そのうち、0次元のものは決定できる。またエルミート定数と呼ばれる不変量をattainする点もそこに現れる。これらの計算はグレブナー基底を用いて
計算機上で行っており、計算方法およびその結果を紹介する。
- 2010/2/1 談話会 16:30--17:30 理学部 b棟 b342/346
長井英生(大阪大学基礎工学研究科)
大偏差確率制御としてのダウンサイドリスク最小化とエルゴード型確率制御
数理ファイナンスにおけるダウンサイドリスク最小化の問題として、総資産の成長率が,
目標とするレベル以下に落ちる確率を時間大域的に最小化する問題がある。
この問題を大偏差確率制御問題として考察した結果を述べたい。
これは、確率制御の問題として新しいタイプのものである。
大数の法則のレベルの確率制御問題としてエルゴード型確率制御が考えられ、
大偏差原理に対応するものが大偏差確率制御問題と考えられる。
大偏差原理に関する G\"artner-Ellis
の定理は対数モーメント母関数の漸近挙動から大偏差確率を求めるものであるが、
エルゴード型 Risk-sensitive control
を対数モーメント母関数に制御項が入った確率制御問題と考えることにより、
その双対問題として上の大偏差確率制御問題が捉えられ、
そのような解析を行った結果を解説する。
- 2010/2/2 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 数学教室 新セミナー室(D505)
Ruth Kellerhals(University of Fribourg)
Growth of hyperbolic Coxeter groups
A hyperbolic Coxeter group is a discrete group generated by finitely
many reflections in hyperplanes of hyperbolic n-space.
It is known that the associated growth function is a rational function.
For n=2,3 its denominator polynomial has beautiful arithmetical properties which -
in the cocompact case - are related to Salem polynomials.
After a short discussion of these cases, we present some new results for n>3
indicating a different flavor. Many examples will illustrate the results.
- 2010/2/2 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
磯崎泰樹(大阪大学 理学研究科)
二次元stable Levy過程による平行直線への初到達分布について
- 2010/2/5 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
池田 正弘(大阪大学 理学研究科)
Dirac-Klein-Gordon方程式系の波動作用素について
We will consider the system of massive Dirac-Klein-Gordon equations
in three space dimensions. The initial value problem for this equation
was studied by reducing it to the system of the nonlinear Klein-Gordon
equations. However, the existence of the wave operators for the massive
Dirac-Klein-Gordon equatins is not clear. We will show it and improve
the regularity conditions on the data supposed in the previous result.
(joint work with Nakao Hayashi and P.I.Naumkin).
- 2010/2/12 整数論保型形式セミナー 16:00--17:00 数学教室 新セミナー室(D505)
津島貴弘(東大数理)
Stable reduction of X_0(p^4)
A stable model of X_0(p) is well-known, which is due to
Deligne-Rapoport. A stable model of X_0(p^2) is found by Edixhoven in
1990. Recently Coleman and McMurdy found the stable reduction of
X_0(p^3) with using the rigid geometry. They also refind Edixhoven's
stable model of X_0(p^2) in their language. To find a stable model of a
curve is equivalent to find a `` stable covering'' of the curve, which
is a rigid analytic notion due to Coleman. However, to find a stable
covering is relatively easier. To find the model(or covering), they use
several arithmetic theories, for example, Gross-Hopkins theory. In my
talk, we introduce the stable model (or covering) of X_0(p^4). First, we
recalculate all components in Coleman-McMurdy's stable model of X_0(p^3)
in an elementary manner using only the Kronecker's polynomimal.We
calculate new components appearing in the stable reduction of X_0(p^4)
by a similar method to the one mentioned above. In the stable reduction
of X_0(p^4),Deligne-Luszig curves appear. If we have time, we would like
to talk about some compnents appearing ina modular curve with another
level structure.
- 2010/2/12 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 理学部 b棟 b342/346
川谷 康太郎(大阪大学 理学研究科)
Bridgeland's stability and $\mu$-stability for sheaves
- 2010/2/15 代数幾何・複素幾何セミナー 13:30-- E301/303
川谷 康太郎(大阪大学 理学研究科)
Bridgeland's stability and $\mu$-stability for sheaves II
- 2010/3/9 微分方程式セミナー 16:30--18:00 B443
Michael Dreher (University of Konstanz, Germany)
Dissipation in some systems of quantum hydrodynamics
First we give a brief review on the theory of mixed-order
parameter-elliptic systems as introduced by Agmon, Douglis,
Nirenberg, and also Volevich, Agranovich, Grubb.
Then we apply some results of this theory to some
systems of (viscous) quantum hydrodynamics. By a special
diagonalization technique, we finally present a method of
how to prove dissipativity for such systems.
- 2010/3/29 幾何セミナー 10:30--12:00 数学教室 大セミナー室(E301)通常と時間が違いますのでご注意ください。
Johannes Nordstrom(Imperial College London)
Gluing asymptotically cylindrical associatives