- 2007/4/9 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
丹下 基生(阪大理 COE)
Doubly primitive knot in Poincare homology sphere
- 2007/4/13 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
鈴木友之(大阪大学 理学研究科)
非有界領域におけるNavier-Stokes方程式の弱解の正則性について
Navier-Stokes方程式の弱解の正則性を一般の非有界領域に
おいて考察する. 特に境界がノンコンパクトな場合を対象にし, 空間遠方に
おける正則性定理を導く. 証明には所謂ε-正則性定理を用いるが,
境界のノンコンパクト性により先行の結果を修正する必要がある. また空間遠方まで境界が存在するため, 境界付近での考察も必要である.
- 2007/4/16 幾何セミナー 13:30--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
後藤 竜司(大阪大学 理学研究科)
一般化されたケーラー構造の変形について
- 2007/4/16 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
佐藤隆夫(阪大理 学振)
自由群の自己同型群のねじれ係数ホモロジー群
- 2007/4/20 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
佐々木浩宣(大阪大学 理学研究科)
湯川ポテンシャル付非線型Schroedinger方程式の逆散乱問題について
湯川ポテンシャル付非線型Schroedinger方程式に関する散乱データから
未知なる線型摂動項並びに非線型項を同定する逆散乱問題について考察する。
線型摂動項の同定まではWederの方法が有効であるが、非線型項の同定には
既存の手法は適用できない為、新たな公式の導入が必要である。
今回得られた結果はプラズマの状態を表す「Debyeの遮蔽長」を決定する問題に応用できる。
- 2007/4/23 幾何セミナー 13:30--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Boris Khesin(University of Tronto)
Pseudo-Riemannian geodesics and billiards
- 2007/4/23 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
佐藤正寿(東大数理)
The abelianization of a symmetric mapping class group
- 2007/4/23 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
Alan Huckleberry(U. Bochum)
Sides of symmetry from A to Z
- 2007/4/24 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
矢野孝次(学振特別研究員、大阪大学理学研究科)
Functional limit theorems of Markov processes on a half line via pathwise convergence of excursions
- 2007/4/27 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
Bertrand Meyer(Bordeaux university and Osaka university)
Perfection and eutaxy for generalised Hermite constants
- 2007/4/27 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 E416/418
Atsushi Takahashi(Osaka univ.)
mirror symmetry of weighted homogeneous hypersurface singularities
- 2007/4/27 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
砂川秀明(大阪大学 理学研究科)
非線型シュレディンガー方程式の解の寿命について
- 2007/5/7 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
深谷賢治(京大理)
微分可能オペラッドと位相的場の理論の基礎付け
この講演は太田小野Oh氏と書いている本の
主要部分の構成の公理化というべき内容である.
位相的場の理論の構成には
空間の幾何,微分方程式(解析)
モジュライ空間の幾何,代数
の4ステップが必要であるが,
最後の2つの部分を公理的に定式化し,
一般論にすることができる.
これはA無限代数が関わる場合には
厳密に証明でき,他の場合も出来ると思われるが,
他の場合は今のところ証明を書くことはしていない.
基本的なアイデアは,オペラッドをパラメータにする
対応(correspondence)という概念を定式化することにある.
オペラッドを使うとなんとか無限大空間
という概念が定まり,それからなんとか無限大代数
が作られる.これは代数的位相幾何学の古典である.
なんとか無限大空間をなんとか無限だい対応
に置き換えるというのが新しい点である.
対応を扱うため,オペラッドの概念にも
多様体との融合が必要である.
- 2007/5/7 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
作間 誠(広島大学理)
Comparing two tessellations of the plane associated with a hyperbolic punctured torus bundle over the circle
(Joint work with Warren Dicks)
双曲構造を許容する円周上の穴あきトーラス束が与えられると,
次のような平面の二つのタイル貼りが生じる.
一つは,標準的分割が導くカスプトーラスの三角形分割の持ち上げであり,
もう一つはCannon-Dicksにより構成された
Cannon-Thurston map(同変球面充填曲線)に付随する
平面のフラクタル的タイル貼りである.
この講演では,その二つのタイル貼りの関係を説明する.
- 2007/5/7 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
深谷賢治(京大理)
余椄束のミラー対称性とその応用
これはI Smith, P. Seidelとの共同研究である.
ミラー対称性予想を族のフレアーホモロジーを使って証明するというのは,
長年実現につとめている構想であるが,
余椄束の場合にはある程度まで,それが実現できることがわかった.
すなわち,余椄束にはファイバーがラグランジュ部分多様体として
含まれているが,それとのフレアーホモロジーの族を考えると,
余椄束のラグランジュ部分多様体から,
多様体上のドラーム複体上の微分加群の複体
を構成することができる.
これを用いると,単連結な場合に,
余椄束の単連結ラグランジュ部分多様体が
0切断と有理ホモトピー同値であることを示すことができる.
- 2007/5/11 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 E416/418
Ikuo Satake(Osaka univ.)
TBA(本講演は講演者のやむを得ぬ事情によりキャンセルされました)
- 2007/5/11 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
菊池弘明(京都大学大学院理学研究科)
Schr\"odinger-Poisson-Slater方程式の定在波解の安定性について
Schr\"odinger-Poisson-Slater方程式はHartree-Fock方程式
を簡略化することで得られる方程式である。今回は,この方程式の定在
波解の変分法的特徴付けと安定性の関係について講演する.
- 2007/5/14 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
小森洋平(大阪市大理)
クライン群から定まる2つのリーマン面のタイヒミュラー距離について
単連結な不変領域を持つ有限生成クライン群からは、
凸核境界と等角境界の商空間として2つのリーマン面が定まる。
それらのタイヒミュラー距離はある普遍定数以下であることを Sullivan は証明した。
Thurston はその普遍定数の下限が2であろうと予想したが、
Epstein-Marden-Markovic により反例の存在が示された。
今回の講演ではタイヒミュラー距離が具体的に求まるクライン群の例を挙げ、
それが Thurston の予想の反例になっていることを説明する。
- 2007/5/14 談話会 4:30--5:30 数学教室 大セミナー室(E301)
高橋篤史(大阪大学 理学研究科)
正規ウェイト系の幾何学
正規ウェイト系というのは,4つの自然数の組である算術的条件をみたすもののこと
です.それは,2次元斉次孤立超曲面特異点と同値なデータでもあります.
特異点の観点からは,ミルナーファイバーの消滅サイクルたちを研究することが興味
深いのですが,それは超越的な対象で直接手にとって調べるのは極めて困難なもので
す.しかしながら,一方で,消滅サイクルたちは代数的な構造,ルート系,を与える
ことがわかっています.となると,消滅サイクルの超越的な幾何学を,ウェイト系の
算術的構造から研究できないか?と自然な疑問がわいてきます.
ここでは,ミラー対称性のアイデアを用いてこの疑問に答えるアプローチについて話
をしたいと思います.可能なら,正多面体群と特異点との不思議な関係がこの観点か
ら再び登場する様子も紹介したいと考えています.
- 2007/5/14 幾何セミナー 1:30--3:00
植田 一石(大阪大学 理学研究科)
Equivariant homological mirror symmetry
- 2007/5/18 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Jing Li(大阪大学 理学研究科)
Vanishing of vacuum of the compressible Navier-Stokes equations
In this talk, we present the progress on the vanishing of vacuum states
and blow-up phenomena of the compressible Navier-Stokes system
with density-dependent viscosity are considered.
These equations in particular, include the Saint-Venant system
rigorously derived recently for the motion of shallow water,
and are degenerate when vacuum state appears.
We consider the initial-boundary-value problem for such systems
for both bounded spatial domains or periodic domains.
The dynamics of weak solutions (with vacuum states) are investigated
for both short time and large time, and the vanishing of vacuum states
in finite time and blow-up phenomena of weak solutions are proven.
- 2007/5/18 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
岡崎武生(京都大学理学部 (学振))
A Borcherds product of Saito-Kurokawa type lift to $S_{1,3}(2)$ joint with Takuya Yamauchi
Hulek, Spandaw, van Geemen, van Straten:
The modularity of the Barth-Nieto quintic and its relatives,
Adv. in Geometry 1 (2001)で予想されている、あるBorcherds積が
斉藤-黒川型じゃないかという予想を解決しました。
このSiegel保型形式は Gamma^{para}(3)とGamma(2)に関する
Siegel多様体上の唯一な重さ3の保型形式です。
localなparamodular保型形式の構成法や、Eichler-志村理論の
GSp(4)版への拡張に関する問題・予想について、述べる予定です。
- 2007/5/18 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 E416/418
Hiroyuki Minamoto(Kyoto univ)
A noncommutative version of Beilinson's Theorem(math.AG/0702861 Auslander-Reiten Theory and noncommutative projective schemes)
Abstract:
We prove that the category of representations of N-Kronecker quiver
and that of coherent sheaves of noncommutative projective scheme of
the graded ring k<X_1,,,X_N>/(Sum_{i=1}^N X_i^2) are derived
equivalent. The quadratic relation Sum_{i=1}^N X_i^2 naturally arises
from Auslander-Reiten Theory.
- 2007/5/21 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Mikhail Kapranov (yale university)
Curvatures of connections and the space of paths.
Abstract: The space of paths in a manifold X, taken modulo reparametrizations
and cancellations, form a groupoid. I will construct an object which
plays the role of Lie algebra for this groupoid. This is a Lie algebroid (certain sheaf
of Lie algebras) on X denoted P(X), which serves as the universal receptacle for higher
covariant derivatives of curvatures of all connections in vector bundles on X.
P(X) can be seen as a "noncommutative" version of the sheaf of ordinary
vector fields on X and it gives rise to the sheaf D(X) of "noncommutative differential
operators".General algebraic constructions allow one to integrate P(X) to a
"formal groupoid" G(X) which is then an algebro-geometric model for the space of
unparametrized paths.
We establish a relation of G(X) with the moduli spaces of stable maps as
defined by M. Kontsevich.
- 2007/5/21 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
秋吉宏尚(大阪市立大・理)
Jorgensenのside parameterの境界群への拡張について
- 2007/5/22 トポロジーセミナー 16:30--17:30 数学教室 中セミナー室A(E412)
久野雄介(東大数理)
平面曲線の写像類群とその上のMeyer函数
Meyer函数は種々の写像類群上で、Meyerの符号数コサイクルを
コバウンドする有理1-コチェインであり、4次元ファイバー空間
の符号数局所化を研究するために重要なものである。
この講演では2以上の自然数dに対して平面d次曲線の写像類群と
種数$g=?frac{1}{2}(d-1)(d-2)$の閉曲面の写像類群への準同型を構成し、
この群の上にMeyer函数が一意的に存在することを初等的に示す。
例としてd=4の時に、一般ファイバーが種数3非超楕円的なRiemann面
になっているような4次元ファイバー空間の符号数の局所化を定式化する。
- 2007/5/25 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
山田哲也(広島大学大学院理学研究科)
全空間での走化性方程式の解の減衰評価
走化性方程式は細胞性粘菌の集合体形成の
数学モデルとして1970年にKellerとSegelが提唱したものである。
今回はこの方程式の全空間での解の減衰評価の改善と
ある初期条件の下での解の高次漸近展開について講演する。
- 2007/5/28 幾何セミナー 13:30--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
梅原雅顕(大阪大学 理学研究科)
3次元Euclid 空間の平坦な曲面について(Flat surfaces in Euclidean 3-space)
- 2007/5/28 談話会 4:30--5:30 数学教室 大セミナー室(E301)
植田 一石(大阪大学 理学研究科)
滑らかな3次曲線に沿った対数ベクトル場
これは吉永正彦氏との共同研究である.
複素射影平面の中の3次式で定義される滑らかな曲線は楕円曲線と呼ばれ、
代数幾何や数論幾何における汲めど尽きぬ興味の源泉である.
射影空間上のベクトル場で、与えられた余次元1の部分多様体に接するもの
(これを部分多様体に沿った対数的ベクトル場と呼ぶ)のなすベクトル束
(より正確には局所自由層)の同型類から
もとの部分多様体がいつ復元できるかという問題を考える.
この問題は Dolgachev-Kapranov によって
超平面配置に対して考察され、Torelli 問題と呼ばれた.
今回は、射影平面上の滑らかな3次曲線に沿った
対数的ベクトル場のなす局所自由層の跳躍直線の集合が、
3次曲線の Cayleyan と呼ばれる古典的な対象と一致すること、
そして、そのことを使うと、対数的ベクトル場のなす局所自由層の同型類から
もとの3次曲線が復元できるための必要十分条件は
j 不変量が消えないことであることが分かることを紹介したい.
- 2007/5/30 古典解析セミナー 14:00-- 数学教室 大セミナー室(E301)
西岡 斉治(東大)
A_7型q-パンルヴェ方程式の超越性とA_6型について
A_7型q-パンルヴェ方程式、q-P(A_7)は
f(qt)f(t)^2f(t/q)=t(1-f(t))
というq-差分方程式である。qが1の巾根でないとき、q-P(A_7)の解がすべて複素
数係数有理関数体C(t)上超越的であることを示す。II型とも呼ばれるq-P(A_6)の
超越性についても触れる。
- 2007/6/1 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
小薗英雄(東北大学大学院理学研究科)
Harmonic vector fields and the Navier-Stokes equations in muti-connected doamins
- 2007/6/4 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
井原健太郎(大阪大学 理学研究科)
多重ゼータ値の生成する代数の構造について
- 2007/6/8 微分方程式セミナー 15:30--16:30 数学教室 大セミナー室(E301)
井口達雄(慶應義塾大学理工学部)
水面波の浅水波近似について
- 2007/6/8 大学院特別セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
井口達雄(慶應義塾大学理工学部)
水面波の長波近似の数学解析
- 2007/6/8 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
成田 宏秋(大阪市立大)
荒川リフトのフーリエ展開とその応用
- 2007/6/11 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
丹下 基生(大阪大学 理学研究科)
接触構造のデーン手術へのある応用
- 2007/6/11 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
西納武男(東北大学)
トロピカル幾何とその応用について
この講演では古典的な解析や幾何とのつながりを介して
トロピカル幾何の紹介を行ないたいと思います。
トロピカル幾何は区分線形な対象を扱いますが、それがどのようにして
解析多様体のような非線型な対象の情報を与えるかについて
解説します。
その応用として、トーリック多様体の正則曲線の数え上げに関する
話題についてお話ししたいと思います。
- 2007/6/12 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
篠田正人(奈良女子大学理学部)
ある種の直積グラフにおけるパーコレーション無限クラスターの個数について
- 2007/6/15 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Tonia Ricciardi(Federico II University of Naples)
On some eigenvalue problems motivated by 2D turbulence
We discuss some eigenvalue problems motivated by mean field equations
describing two-dimensional turbulence.
- 2007/6/18 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
新庄 玲子(大阪市立大学数学研究所)
互いに共役でない組み紐の無限列の構成法について
Morton, Fiedler, FukunagaによってKが自明な結び目, または(2,p)-トーラス
絡み目のとき, Kを閉包として持つ互いに共役でない4次の組み紐の無限列が与えられている. こ
れらの構成には, 組み紐の語から計算される共役不変量が用いられている.
本講演では, 結び目理論の観点から, このような無限列の構成を与え, 結び目に対して既存の列
の拡張を与える.
- 2007/6/18 談話会 16h30--17h30 数学教室 大セミナー室(E301)
砂川秀明(大阪大学 理学研究科)
双曲型および分散型方程式の非線型摂動について
アブストラクト:
非線型の摂動を受けた波動方程式やシュレディンガー
方程式等の解の長時間挙動に関する基本的な結果と
最近の進展の一端を紹介する。
特に、lifespanの評価を軸にしてこれらを眺めると
何が分かるか(または、分かりそうか)を論じたい。
- 2007/6/18 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
梅原雅顕(大阪大学 理学研究科)
与えられたisotopy型をもつEuclid空間の平坦なメビウスの帯について
- 2007/6/19 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Zhen-Qing Chen(University of Washington)
Discrete Approximations to Reflected Brownian Motion
- 2007/6/22 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
若槻 聡(金沢大)
ヘッケ作用素の明示的跡公式について
2次のジーゲルカスプ形式の空間上のヘッケ作用素の跡公式の明示的計算につ
いて述べます。まだ計算途中ですが、予想される結果について話します。一変数
の場合や一般論と比較しながら解説する予定です。
- 2007/6/22 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
清水扇丈(静岡大学工学部)
表面張力を考慮に入れたStokes半群について
- 2007/6/25 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
安井幸則(大坂市大)
Black Hole, Sasaki-Einstein and AdS/CFT Correspondence
- 2007/6/25 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
鈴木友之(大阪大学 理学研究科)
Navier-Stokes方程式の弱解の正則性について
非圧縮性Navier-Stokes方程式の弱解の正則性に関して、
基本的な結果から最近の進展を含め紹介する
- 2007/6/25 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 理学部E棟4F セミナー室A (E412-414)
渡邉 忠之(京都大学数理解析研究所)
Kontsevich's characteristic classes for higher dimensional homology sphere bundles and integral lift of Milnor's invariant of exotic spheres
Kontsevichは、Chern--Simons摂動理論の高次元のアナロジーとして、グラフホモロジーと配置空間積分を用いて奇数次元の枠付きホモロジー球面をファイバーとするファイバーバンドル(C^\infty-smooth)の特性類を構成しました。この講演では、ファイバーが5次元以上の奇数次元の時のKontsevichの特性類の非自明性と、Thetaグラフに対応するクラスからMilnorのエキゾチック球面の不変量$\lambda'$(有限巡回群値)の整数への持ち上げが得られること等をお話しする予定です。
- 2007/6/26 トポロジーセミナー 16:30--17:30 数学教室 中セミナー室A(E412)
山崎啓太(大阪大学 理学研究科)
同変コホモロジーとChevalley-Koszul複体
- 2007/6/27 解析特別セミナー 13:30--15:00 共通教育 自然科学棟301号室
小森 康雄 (東海大学 開発工学部)
Double layer potential operators on H^p
Hardy 空間上の特積分作用素の有界性を考える.まず古典的特異積分作用素(convolution 型)のL^p, H^p 有界性に関する基本事項(Calderon-Zygmund の理論)を復習した後,一般化された特異積分作用素(double layer potential op. がこの例になります)のL^2 理論(David-Journe のT1 定理)を解説する.その後,この作用素のH^p有界性を考える.
- 2007/6/29 微分方程式セミナー 16:00--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
小森康雄(東海大学)
Kato's square root problem 入門
2002年に"Kato's square root problem"
という関数解析,偏微分方程式の分野における
長年の問題が解かれました.
その証明には実解析的手法が重要な役割を果たしており,
しかもそれは従来の手法を拡張したものです.
今回の話は,まず実解析的手法による特異積分の評価
(従来の手法)を解説した後に,
それを Kato's problem に当てはめるために
どのように改良したか,そのアイデアの概略を示します.
時間があれば現在どこまで話が進んでいるかにも触れます.
- 2007/6/29 微分方程式セミナー 14:30--15:30 数学教室 大セミナー室(E301)
Laurent Thomann(University of Paris 11, Orsay)
Geometric instability for the cubic Schr\"odinger equation on a surface
- 2007/6/29 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
高妻 倫太郎(九州大)
Selmer groups related to Knight's problem
1993年に出版された論文のタイトルでもある次の(Knightの)問題は,
Bremner-Guy-Nowakowski
によって最初に考察された.
Which integers are representable as the product of the sum of three
integers with the sum of their reciprocals?
この問題は, 楕円曲線の2-descentを理論背景にした計算により,
2005年までに−1000
以上1000以下の整数について完全な検証がなされた. 本講演では, この結果の拡
張についてお話ししたい. これは, 楕円曲線の3-descentに付随するSelmer群の局
所連結準同型の像を全て決定したことによる一帰結となっている.
- 2007/7/2 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
逆井 卓也(東京大学大学院数理科学研究科)
曲面のホモロジー同境と関連する閉3次元多様体の不変量について
曲面のホモロジー同境のなすモノイドは曲面の写像類群の一般化のひとつとみることができる。このモノイドの構造について述べたのち、closing と呼ばれる操作を通じて関連する閉3次元多様体の不変量について説明します。
- 2007/7/3 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
竹居 正登(大阪電気通信大学工学部基礎理工学科)
Reinforced random walk における相転移
- 2007/7/4 古典解析セミナー 14:00-- 数学教室 大セミナー室(E301)
小池 達也(京大)
パンルベヒエラルキーと退化ガルニエ系について
パンルベ方程式の高階型方程式の一つとして知られる高階パンルベ方程式について概説する。特に非線型方程式である高階パンルベ方程式に付随する線型方程式系 (ラックス対)をもとに、モノドロミー保存変形との関係について述べる。
- 2007/7/6 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Gianluca Mola (ミラノ工科大,日本学術振興会特別研究員)
An intoroduction to evolutional PDEs with memory
- 2007/7/9 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
飯田 修一(東京大学大学院数理科学研究科)
Meyer's function for torus fibrations
Meyer関数及びその高次元化について述べる。
高次元トーラスに対するMeyer関数やtheta因子に対するMeyer関数の
エータ不変量を用いた構成を説明する。
- 2007/7/9 談話会 16h30--17h30 数学教室 大セミナー室(E301)
Pietro Polesello (Universita degli studi di Padova)
Morita equivalence for microdifferential algebroids
This talk is partly based on joint work with A. D'Agnolo.
We deal with microdifferential algebroids over a complex contact manifold.
For those, we prove that Morita equivalence coincide with algebroid equivalence.
We then relate algebroid equivalence with the finer equivalence relation as deformation quantizations by giving a cohomological description of the corresponding sets of
equivalence classes.
If time allows, we will discuss the parallel results for (not necessarily formal) deformation quantization algebroids over a complex symplectic manifold.
- 2007/7/10 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
安田和弘(大阪大学基礎工学研究科)
Estimating Multidimensional Density Functions using the Malliavin-Thalmaier Formula and Application to Finance
- 2007/7/11 古典解析セミナー 14:00-- 数学教室 大セミナー室(E301)
笹野祐輔(東大数理)
2変数ガルニエ系とカロジェロ系について
- 2007/7/13 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
西山尚志(大阪大学 理学研究科)
摩擦項を持つ波動方程式のエネルギーの減少について
- 2007/7/13 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
谷口隆(東大数理)
2元3次形式のゼータ関数の関係式と関数等式について (大野泰生氏・若槻聡氏との共同研究)
- 2007/7/13 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 E416/418
Takeshi Harui(大阪大学 理学研究科)
代数曲線の平面モデルの最小次数と二重被覆について
- 2007/7/20 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
松山 登喜夫(東海大学理学部)
Dispersion for the strictly hyperbolic equations, with applications to Kirchhoff equation
本講演は Michael Ruzhansky (Imperial College London) との共同研究に
基づくものである。
時間にのみ依存する規則的な高階線形双曲型偏微分方程式の dispersive estimates について得られた結果を紹介する。さらにSchauder-Tychonoff
の不動点定理を用いれば高階の Kirchhoff 方程式の dispersive estimates
も得られることも紹介したい。
その応用として、nonlinear perturbations をもつ(2階の) Kirchhoff 方程式
に対する時間大域解の存在及び波動作用素の構成についても触れたい。
- 2007/7/20 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 E416/418
梶原 健(横浜国立大)
Tropical toric varieties
- 2007/7/20 代数幾何・複素幾何セミナー 16:30--18:00 E416/418
Fumitoshi Sato(KIAS)
A generalization of Fulton-MacPherson space(時間にご注意下さい)
abstract: We generalize a compactification of configuration space of $n$-distinct points on a smooth variety $X$ constructed by Fulton and MacPherson to the case of a pair of $(X,D)$ where $D$ is a smooth subvariety of $X$.
- 2007/7/23 談話会 16h30--17h30 数学教室 大セミナー室(E301)
Michael Ruzhansky (Imperial College London)
Pseudo-differential operators, symmetries, and Poincare conjecture
- 2007/7/23 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
石井敦(京都大学数理解析研究所)
Moves and invariants for knotted handlebodies
3次元多様体内に埋め込まれたハンドル体の同相類を
そのスパインに局所変形による同値関係を導入することに
よって実現します。
特に、S^3 においてスパインを射影して得られるダイアグラムを
用いることによって組み合わせ的に不変量を定義します。
この不変量は鏡像を区別することができるので、
補空間の基本群が持っていない情報を含んでいる
ということができます。
- 2007/7/27 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Michael Ruzhansky (Imperial College London)
Boundedness of Fourier integrals, partial differential equations, and some related problems in complex analysis
In this talk we will make a review of the regularity properties
of Fourier integral operators and give their applications to
partial differential equations. We will discuss local and global
aspects of regularity and the geometry behind. We will give
simple formulations of some related (open) problems in geometry
and complex analysis.
- 2007/9/14 代数幾何・複素幾何セミナー 13:30--15:00 E416/418
Young-Hoon Kiem(Seoul National University)
Moduli spaces of stable maps to projective spaces via GIT(時間にご注意下さい)
- 2007/9/28 代数幾何・複素幾何セミナー 15:15--16:45 E416/418(タイムスケジュールにご注意下さい)
Hiraku Kawanoue(RIMS)
先頭生成系と非特異性原理について
- 2007/9/28 微分方程式セミナー 16:30--17:20 数学教室 大セミナー室(E301)
Mark Chaplain(University of Dundee)
Mathematical modelling, mutations and metastases: A review of theoretical solid tumour growth
The growth and development of solid tumours occurs in two distinct stages - the
avascular growth phase and the vascular growth phase. During the former growth
phase the tumour remains in a diffusion-limited, dormant state of a few
millimetres in diameter (cf. multicell spheroids, carcinoma in situ) while
during the latter growth phase, invasion and metastasis may take place. In order
to accomplish the transition from avascular to vascular growth, solid tumours
may secrete diffusible substances known as tumour angiogenesis factors (TAF)
into the surrounding tissue. Endothelial cells which form the lining of
neighbouring blood vessels respond to this chemotactic stimulus in a
well-ordered sequence of events. Capillary sprouts are formed which migrate
towards the tumour eventually penetrating it and permitting vascular growth to
take place. It is during this stage of growth that the insidious process of
invasion takes place, whereby cancer cells secrete matrix-degrading enzymes.
Through proliferation and active migration, they penetrate and invade the local
host tissue. Subsequent connection with lymphatic vessels and blood vessels may
lead to the spread of the cancer cells throughout the body, leading to secondary
tumours or metastases. This talk will present several mathematical models which
deal with the various stages of growth and development of solid tumours.
- 2007/9/28 微分方程式セミナー 15:30--16:20 数学教室 大セミナー室(E301)
Steven R McDougall(Heriott-Watt University)
Simulating Chemotherapeutic, Anti-Angiogenic, and Anti-Vascular Treatment Protocols in Tumour-Induced Vasculatures
This seminar begins by briefly summarising the development of a 3D modelling
framework for angiogenesis that includes several feedback mechanisms associated
with blood flow through vascular beds. Two- and three-dimensional simulations of
chemotherapeutic delivery to the tumour periphery via both static and
dynamically adaptive networks are then compared and simulations using the
adaptive model under different parameter regimes highlight a number of new
therapeutic targets for tumour management. Results clearly demonstrate that,
although two-dimensional studies are valuable in a qualitative sense, they
greatly overestimate treatment delivery. Hence, three dimensional angiogenesis
modelling appears to be a necessary prerequisite for quantitative prediction.
The qualitative effects of anti-angiogenic and anti-vascular drugs on the
capillary bed are examined next, initially by means of simple “capillary
pruning” algorithms in 2D networks. The pruning algorithms are seen to modify
the network connectivity in a number of different ways. It is found that random
removal of vessels (approximating the action of anti-vascular drugs) may lead to
a significant increase in the amount of drug delivered to the tumour, whilst
selective removal of vessels characterised by low flow (used to mimic
anti-angiogenic treatment) is seen to accelerate delivery.
Finally, the issue of pericyte recruitment during vessel maturation is
considered in order to study the effects of different anti-vascular and
anti-angiogenic therapies from a more rigorous modelling standpoint. Pericytes
are a prime target for new vascular disrupting agents (VDAs) currently in
clinical trials. However, different compounds attack different components of the
vascular network and the implications of targeting only certain elements of the
capillary bed are not immediately clear. For example, it appears that targeting
endothelial cells in isolation may leave behind an intact skeleton of pericytes
that could act as a template for revascularisation at a later time. In light of
these concerns, the effects of anti-angiogenic and anti-vascular drugs are
re-examined by using an extended model that includes an interdependency between
vessel remodelling potential and local pericyte density. Two- and
three-dimensional simulation results are presented and suggest that it may be
possible to identify a VDA-specific “plasticity window” (a time period
corresponding to low pericyte density), within which a given VDA would be most
effective.
- 2007/9/28 代数幾何・複素幾何セミナー 13:30--15:00 E416/418(タイムスケジュールにご注意下さい)
Hiraku Kawanoue(RIMS)
特異点解消とidealistic filtration
- 2007/10/2 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
宮地 秀樹(大阪大学 理学研究科)
On the Gardiner-Masur boundary of Teichmuller space
表題のGardiner-Masur境界はリーマン面上の閉測地線の極値的長さの比により定義されるタイヒミュラー空間の境界である.本講演ではGardiner-Masur境界に関して得られた性質を述べた後,いくつかのタイヒミュラー測地線のGardiner-Masur境界の近くでの振る舞いについて話をする.
- 2007/10/2 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
藤田岳彦(一橋大商学部、京都大数理解析研客員教授)
リーマンゼータ関数の特殊値求値の確率論的方法
- 2007/10/5 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
北山 秀隆 (大阪大学 )
PSp(2,3)をGalois群として持つ3パラメータ40次式について
- 2007/10/5 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Boutet de Monvel(Universite Pierre et Marie Curie )
Residual trace and equivariant trace for Toeplitz operators
In presence of a compact group action, one can define an asymptotic G-
trace or index of Toeplitz, playing a role similar to the Wodzicki
residual trace. This was used to give a neat proof of the Atiyah-
Weinstein conjecture.
- 2007/10/9 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
佐藤 隆夫(大阪大学 理学研究科)
自由メタアーベル群の自己同型群のJohnson準同型について
自由群の自己同型群の組み合わせ群論的性質,及び,ホモロジー
論的性質を研究するための1つの道具としてJohnson準同型なるものが定義される.元々
,Johnson準同型は曲面の写像類群の部分群であるTorelli群を研究するためにJohnso
nが導入したものであるが,任意の群の自己同型群に対して定義され,構成の仕方か
ら単射であることが分かる.従って,その余核の構造を決定するのは重要な問題の1
つである.自由群の自己同型群のJohnson準同型の余核は現在でも完全に決定されて
いない未解決問題である.さて,自由群を,その交換子群の交換子群で割った剰余群
を考える.これは自由メタアーベル群と呼ばれ,その自己同型群は,自由群の自己同
型群の剰余群として記述されることが知られており,組み合わせ群論的にも比較的扱
いやすい群である.本講演では,自由メタアーベル群の自己同型群のJohnson準同型
の余核が完全に決定できたことを紹介する.この系として,自由群の自己同型群のJo
hnson準同型の像の自由アーベル群としての階数を下から評価できることも分かる.
講演では,Johnson準同型の定義や簡単な性質を紹介することから始めたい.
- 2007/10/12 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Prof. ChangZheng Qu(Northwest University)
Invariant Geometrical Flow in Klein Geometry
In this talk, we discuss invariant geometric motions of plane or space curves in Klein geometries. It is shown that many important integrable equations are closely related to the motions of curves in Klein geometries. These local and nonlocal dynamics conserve global geometric quantities of curves such as perimeter and enclosed area. Motions of curves in Klein geometries corresponding to the solutions of the integrable equations are discussed. Large time behavior for the evolution of invariant geometrical flows in certain geometries is also discussed.
- 2007/10/15 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
James Lewis( University of Alberta)
REGULATOR CURRENTS ON MILNOR COMPLEXES
Let $X$ be a projective algebraic manifold.
For integers $k,\ m \geq 0$, we consider a cycle group $CH^k_{M}(X,m)$
defined in terms of the Zariski cohomology of the sheaf of Milnor $K$-groups on $X$,
and a corresponding twisted variant $CH^k_{TM}(X,m)$.
We construct real logarithmic type maps (``real regulators'') on $CH^k_{(TM)}(X,m)$
with values in Hodge cohomology, and investigate their properties.
- 2007/10/15 談話会(集中講義) 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
小澤 徹(北海道大学)
非線型シュレディンガー方程式の数学的理論の概要
非線型シュレディンガー方程式の初期値問題及び散乱問題の数学的な取扱いの概要を説明し、擬共形不変な相互作用についての最近の研究成果を紹介する。
- 2007/10/16 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
土田兼治(東北大学理学研究科)
Differentiability of spectral functions for symmetric Markov processes
シュレディンガー作用素の第一固有値から定義されるスペクトル関数に対して、
その微分可能性は、大偏差原理が成立するための十分条件であることが知られている。
本講演では、ブラウン運動、対称安定過程、相対論的安定過程から作られる
加法的汎関数の大偏差原理が、スペクトル関数の微分可能性を示すことによって
得られることを紹介する。
- 2007/10/16 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
角 大輝(大阪大学 理学研究科)
ランダムな複素力学系、有理半群と複素平面上の特異関数
リーマン球面上におけるランダムな複素力学系と
有理半群(有理写像の族で生成された写像の合成を積とする半群)の力学系の両者の
分野を同時に考察することによって、
それらを交錯させた両者の分野の基礎理論を展開する。それを用いて、
ランダムな多項式力学系において、無限遠点に収束する確率の関数の性質と
付随する多項式半群のジュリア集合の性質を同時に調べる。
また、ある仮定のもと、
無限遠点に収束する確率の関数が、
「悪魔の階段」の複素平面上版とでもいうべき性質
(複素平面上連続で、フラクタル集合上のみで変化する性質)
を持つことを示し、その各点ヘルダー指数を考察することによってこの関数が
付随する多項式半群のジュリア集合上、ある確率測度についてほとんど全ての点で
全微分不可能であることを示す。
- 2007/10/17 古典解析セミナー 14:00-- 数学教室 大セミナー室(E301)
大山 陽介(大阪大学)
第2Halphen方程式とモノドロミ非保存変形
Halphen方程式は、一般には自然境界を持つor動く分岐点を持つ方程式であり、モノドロミ保存変形では表せられない。Chakravarty-Ablowitzによって提案されたモノドロミ非保存変形によって、一般のHalphen方程式が記述できることを示す(arXiv:0709.4587)。
- 2007/10/22 幾何セミナー 14:50--16:20 数学教室 大セミナー室(E301)
大鹿健一(大阪大学 理学研究科)
Topology of Boundaries for Quasi-Fuchsian Spaces
- 2007/10/23 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
能城 敏博(大阪市大 理)
ある種の小平曲面から定まる正則族の正則切断の個数について
- 2007/10/26 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
安田貴徳(大阪市立大)
Sp(2)のinner formのCAP保型表現
数体上の四元数体上の2次元エルミート空間のユニタリ群Gに対し、
テータ対応を用いて既約cusp表現をいくつか構成する。GはSp(2)の
inner formであり、このように構成されたcusp表現はSp(2)のcuspidal
でない保型表現と関係がある。
- 2007/10/26 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
加藤正和氏(大阪大学 理学研究科)
Burgers-Poisson方程式系の解の漸近挙動について
本講演では、熱放射を考慮した気体の方程式を3次のオーダーまで近似して得られるBurgers-Poisson(B-P)方程式系の大域解の漸近挙動について考えます。B-P方程式系の大域解は非線形散逸波と呼ばれるBurgesr方程式の自己相似解に漸近する事が知られており、その漸近レートも研究されてきました。今回は,低階項まで含めた解の減衰評価を使う事により、従来の漸近レートが改善できた事を報告します。
- 2007/10/29 幾何セミナー 13:30--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
宮岡 礼子(東北大学・理学研究科)
等径超曲面の等質性について
- 2007/10/30 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
石川 昌治(東京工業大学 理工)
実解析的特異点の構成するオープンブック分解と接触構造について
3次元多様体のオープンブック分解と両立する接触構造という概念は W.P.Thurston と H.Winkelnkemper により導入され,
Y.Eliashberg や E.Giroux らの研究を経て,オープンブック分解の研究における一つの道具として定着した.3次元多様体の
接触構造は大きく tight と overtwisted の2つに分けられる.複素特異点と接触構造の間には自然な関係があり,特に
平面曲線特異点の場合には,それが構成する3次元球面内のオープンブック分解(ミルナー束)は3次元球面上の tight な
接触構造と両立することが知られている.2変数の複素解析的写像 f と g について,実解析的写像 f \bar{g} を考える.
f \bar{g} が構成する実解析的特異点の研究は J.Seade や A.Pichon により進められ,それが3次元球面内にオープンブック
分解を定めるための必要十分条件などが知られている.講演では,オープンブック分解と接触構造との関係を概説した後,
f \bar{g} が構成する3次元球面内のオープンブック分解が overtwisted な接触構造と両立することを証明する.
- 2007/10/30 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Marc Yor(Universite de Paris VI)
Black - Scholes formula interpreted in terms of first and last Brownian passage times
- 2007/11/6 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
藤田 玄(東大 数理)
3価グラフ・量子Clebsch-Gordan条件とHeisenberg作用
まず、講演の前半で3価グラフとその許容ウェイトと呼ばれる
対象に付随するある有限アーベル群の捩れコホモロジー群を
(天下り的にではあるが)定義し、その1次のコホモロジー群を考察する。
計算自体は初等的なものである。
後半では、3価グラフとその許容ウェイトを
用いたあるHeisenberg群の表現の構成(への試み)を紹介し、
前半で考察したコホモロジー群のある特別な要素のもつ意味を説明する。
- 2007/11/9 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 B313(時間と場所にご注意下さい)
Ikuo Satake(Osaka univ.)
On conformal Frobenius structures
- 2007/11/9 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Prof. Joachim Toft(Vaxjo University, Sweden)
Schatten-von Neumann properties of Weyl operators of H¨ormander type
- 2007/11/9 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
森山知則(大阪大学)
Rankin-Selberg convolutions for $GSp(2)\times GL(2)$: archimedean theory and applications
Let $\Pi$ be a generic cuspidal automorphic representation of $GSp(2)$
defined over ${\mathbf Q}$ whose real component is a (large) discrete
series representation. Through explicit computation of archimedean local
zeta integrals, we prove the functional equation of the tensor product
$L$-function $L(s,\Pi \times \sigma)$ for an arbitrary cuspidal
automorphic representation $\sigma$ of $GL(2)$. As an application, we give
another proof for the entireness of the spinor $L$-function of $\Pi$.
- 2007/11/15 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 B313
Alexei Bondal(Aberdeen/RIMS)
On the algebraic version of the Hilbert's 13-th problem
Hilbert's 13-th problem is about solving the generic algebraic equation in
functions of lower number of variables. A historical survey on the problem
will be given. A geometric approach to the problem will be explained. The
recent state of affairs will be outlined.
- 2007/11/16 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 B313
Shu KAWAGUCHI(Osaka univ.)
Height functions and surface automorphisms
- 2007/11/19 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
元吉文男(産業技術総合研究所)
論理と代数
論理学の基本的な考え方として形式論と意味論を簡単に紹介し、
意味論と代数との関係を説明する。
- 2007/11/20 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
山口 祥司(東大 数理)
2橋結び目に対する非可換ライデマイスタートーションの臨界点について
非可換ライデマイスタートーションは結び目群の指標代数多様体上部分的に定義される関数と見なすことができる。
今回はライデマイスタートーションの定義から始め、この関数が2橋結び目に対してはbinary dihedral 表現とよばれる特別な表現の指標で臨界点をもつことについて説明したい。このことは非可換ライデマイスタートーションと捩じれアレキサンダー不変量と呼ばれる不変量との間に成り立つある関係を用いて証明される。
- 2007/11/26 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
赤穂昭太郎(産業技術総合研究所)
マルコフ連鎖モンテカルロ法とその周辺
確率分布のパラメータを推定する際に、確率の正規化項の計算はしばしば
計算量的な困難を引き起こす。これを解決するためにマルコフ連鎖モンテカルロ法を応用した Contrastive Divergence 法が提案されている。
談話会では、マルコフ連鎖モンテカルロ法の紹介と、Contrastive Divergenceの収束性について話す。
- 2007/11/26 幾何セミナー 13:30--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
後藤 竜司(大阪大学 理学研究科)
On generalized Kaehler manifolds
- 2007/11/27 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
塩沢裕一(立命館大学理工学部)
Stability of Feller property for non-local operators by bounded perturbations (上村稔大氏との共同研究)
- 2007/11/27 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
松田 能文( 東大 数理)
円周の微分同相のなす群の上での回転数の振る舞い
ポアンカレは、円周の向きを保つ同相写像に対して回転数と呼ばれる量を定義し、
さらにその量が同相写像の力学系的性質と関係していることを示した。
この講演では、円周の向きを保つ微分同相写像全体のなす群の部分群を考え、
各元の回転数の値、部分群の力学系的性質及び部分群としての離散性の間の
関係について得られた結果を紹介する。
この結果は、フックス群の元の位数についての性質を一般化したものと見なせる。
- 2007/11/27 慶応大学・阪大連携大学院特別講義 16:20--17:50 E204(注意:変更になりました)
亀谷幸生(慶応大学理工)
ゲージ理論とホモトピー論
ゲージ理論における解のモジュライ空間は
様々な幾何構造を持つ.
特に Seiberg-Witten 理論においては方程式が与えるホモトピー類から
空間の情報を引き出すことができる.
そのような観点からゲージ理論の流れを考察する.
- 2007/11/29 代数幾何・複素幾何セミナー 15:00--18:30 B313
Emanuele Macri, Alexender Kuznetsov,Dmitri Orlov(MPI,Steklov,Steklov)
TBA
- 2007/11/30 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
小林 孝行(佐賀大)
圧縮性Navier-Stokes-Poisson方程式の緩和時間 0 極限と退化 drift-diffusion 方程式
消散効果を持つ圧縮性 Navier-Stokes 方程式-Poisson 方
程式連立系の初期値問題を考え,エネルギー有限な弱解の存在を示し,
さらに,その 弱解は緩和時間 0 極限によって一般化された drift-diffusion 方程式系の弱解に収束することを示す。
- 2007/11/30 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 B313
Dan Popovici(Sophia univ.)
Morse Inequalities and Deformations of Compact Complex Manifolds
- 2007/12/3 表現論セミナー 13:30-- 数学教室 中セミナー室A(E412)
宮地兵衛(名古屋大・多元数理)
複素数体上の1の巾根における A型Hecke代数の既約Specht加群
- 2007/12/3 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
宇野勝博(大阪教育大学)
Fusion of finite groups and isometry of characters
有限群の構造には p-部分群達(p は素数)が大きく関与 しているが、近年主としてトポロジーの観点から進んでいる p- 部分群の融合の研究は有限群論そのものの再認識をも促しつつある。一 方、有限群の表現論においては20年以上前から注目されている問題がここ2、3年次々と見直されている。談話会では、p-部分群の融 合についての最近の研究を紹介し、その結果から考えられるブルーエ予想の新たな拡張について述べる。
- 2007/12/5 古典解析セミナー 14:00-- B313/315/317
眞野 智行(京大)
トーラス上のモノドロミー保存変形とRiemann-Wirtinger積分II
トーラス上の線形微分方程式のモノドロミー保存変形を記述する非線形微分方程式の特殊解について述べる。パンルヴェ方程式に関しては、リッカチ解と呼ばれる超幾何関数によって記述される解が存在することが知られているが、トーラス上においてもテータ関数の複素数冪積の積分によって記述される関数が特殊解として得られる。これは超幾何関数の積分表示の自然な一般化になっている。講演では先ずこのことを説明したのち、この積分を特殊関数としてみたときの性質について現在得られている結果といくつかの問題点についてお話したい。
- 2007/12/7 トポロジーセミナー 16:30--17:30 数学教室 中セミナー室B(E416)
佐藤 正寿(東大数理)
球面上の巡回被覆の対称的写像類群におけるMeyer関数
球面上の被覆空間の微分同相群において, 被覆変換群の中心化群の弧状連結成分のなす群を
対称的写像類群とよぶ. この群は曲面の写像類群への自然な準同型をもち, 写像類群上の2-
コサイクルであるMeyerコサイクルのこの準同型による引き戻しは, ある関数によりコバウ
ンドされる. この関数を用いて, 一般ファイバーが球面上の被覆であるファイバー空間に
おいて, 局所符号数が定義できる. いくつかの写像類について, この関数の値は幾何的に
計算されることがわかったので, 本講演ではこれについて述べる.
- 2007/12/7 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
川口 周(大阪大学)
アフィン空間の多項式自己同型と高さ関数
- 2007/12/7 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 E412(時間と場所にご注意下さい)
Makoto Namba(Otemongakuin univ.)
Inversions of Abelian Integrals
- 2007/12/7 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
加藤 淳 (名古屋大)
2次元クライン・ゴルドン方程式に対するストリッカーツ型評価とその非線型問題への応用
2次元シュレディンガー方程式及び3次元波動方程式のストリッカーツ評価は,端点においては一般に成り立たないことが知られている
が, 初期値に球面方向の正則性を加えると成り立つことが, Tao (2000), 町
原-中村-中西-小澤(2005) によって示されている. この講演では2次元クライン・ゴルドン方程式でも同様のことが成り立つことを示し, 2次の非線型項をもつ非線型クライン・ゴルドン方程式への応用を述べる.
- 2007/12/7 微分方程式セミナー 14:30--15:15 数学教室 大セミナー室(E301)
Graeme Andrews (Imperial College, London)
Fourier Integral Operators in SG-classes
I will briefly describe the SG Fourier Integral Operator calculus developed by S.
Coriasco and outline how it can be applied to the study of certain Hyperbolic Pde
(mainly of first order). My goal is to define a class of SG Fourier Integral
Operators (extending Coriasco's) which is closed under composition. I will explain
how such a closed structure could be used to analyse certain higher order Hyperbolic
equations. Finally, I will present the progress made to date.
- 2007/12/10 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
成木勇夫(立命館大学)
クンマー4次曲面と4元数
Piatetski-Shapiro, Nikulin, Morrisson 等によって現代的に一般化されたクンマー曲面には、一つ一つ非常に興味ある多くの類があるように思われる。ひとつの類がどの程度にまで深く詳しく研究されるべきかを示している理想像として、古典的なクンマーの4次曲面について、Hudson の本にもとづいて入門的解説を試みる
- 2007/12/12 古典解析セミナー 14:00-- B313/315/317
会沢 成彦(大阪府立大学)
osp(1/2) の量子化と関連する話題
Lie superalgebra osp(1/2) の量子化には3通りの可能性がある。これら全ての場合の量子化およびその表現を紹介する。特に、いわゆる q-変形の場合、表現に関連する量と basic hypergoemetric function の間には密接な関係があることを示す。また、表現の応用として量子化された osp(1/2) の作用のもとで共変な非可換空間の構成法についても触れる。
- 2007/12/17 談話会 15:30--16:30
森山知則(大阪大学 理学研究科)
2次実解析的Siegel保型形式から定義されるL関数について
保型形式から生ずる$L$関数を調べる有効な手法が,その積分表示がである
ことは古くから認識されている。しかしながら,積分表示の基礎となる保型
形式のフーリエ展開の理論が未整備であるため,これまで主に考察されて
きたのは,一般線型群上の保型形式を除けば, Hermite対称空間上の正則保型形式であった。一方,1990年代以降の研究により,次数2のSiegel上半空間上の実解析的保型形式について,そのフーリエ展開に関する理解が進んでいる。この講演では,これらの進展に基づいて得られた保型的$L$関数に関する結果を述べる。
- 2007/12/17 幾何セミナー 1:30--3:00 数学教室 大セミナー室(E301)
新田泰文(大阪大学 理学研究科)
Convexity properties of generalized moment maps
- 2007/12/17 談話会 16:45--17:45
宮地秀樹(大阪大学 理学研究科)
タイヒミュラー空間の種々の閉包について
タイヒミュラー空間には種々のコンパクト化(無限次元の場合には閉包)
が知られている.この講演ではそれらの関係および性質を概観する.
- 2007/12/18 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
Zongliang Sun(Sun Yat-sen Univ)
Convex hulls(with respect to the Teichmuller and Weil-Petersson metric)of sets in thick part of Teichmuller space
In this talk, we will show that convex hulls of sets in thick part of
Teichmuller space with respect to the Teichmuller metric and
Weil-Petersson metric are not always in thick part of Teichm\"uller space,
as well as the facts that thick parts of Teichmuller space are not
convex with respect to the Teichm\"uller metric and Weil-Petersson metric.
- 2007/12/21 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
下村明洋(首都大学東京)
劣臨界指数の消散性非線型項を持つシュレディンガー方程式の解の漸近挙動について
本講演は,北直泰氏(宮崎大学)との共同研究に基づく.
消散効果のある劣臨界指数の長距離型非線型項を伴う
シュレディンガー方程式に関して,初期値問題の解の
長時間挙動について講演する.
- 2008/1/7 談話会 16:30--17:30
川口周(大阪大学 理学研究科)
射影空間の射と高さ関数
fを射影空間からそれ自身への射で,有理数体上に定義されているもの
とする.1950年に
Northcottは, fに関する有理周期点が有限個であることを示し
た.この結果はいろい
ろな人々によって深化された.例えば,CallとSilverman
は,fに関して良く振る舞う標
準的高さ関数(この関数は、Abel多様体上のNeron-Tateの
高さ関数にある面で似ている)
を構成し,fの算術的な性質をいくつか導いた.fに関する
標準的高さ関数は,複素力学
系で現れる複素数体上のfのGreen関数と,そのp-進
での対応物であるp-進体上のfの
Green関数との和に分解される.談話会では,このような話題につい
て,いろいろな人
々の結果(少し前の結果になるが,Silverman氏との共同研究の
内容を含めて)や予想を
紹介したい.
- 2008/1/11 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
石渡通徳(室蘭工業大)
On the threshold phenomenon for the semilinear parabolic problem involving critical Sobolev exponent
本講演ではソボレフ臨界指数をもつ, 全空間で定義された
放物型方程式の時間大域解の漸近挙動を扱う.
劣臨界の場合には, 初期値に関する適切な仮定のもとで, 時間大域解はガウス核に漸近するか, 前方自己相似解に漸近することが知られている. 一方で臨界ケースでは, 前方自己相似解が存在しないことが知られているため, 時間大域解の時間大域的挙動は明らかではない.
本講演では時間大域解の漸近プロファイルが前方自己相似解でなく
定常解により与えられることを示し, この事実の, 初期値空間の構造の解析
への応用を議論する.
- 2008/1/18 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
桂田英典(室蘭工大)
A proof of Ikeda's conjecture on the period of the Ikeda lift (Joint with H. Kawamura)
fを重さ2k-nのSL(2,Z)に関する原始形式とし,hをShimura対応
によって
fに対応する重さk-n/2+1/2のKohnen plus空間のHecke固有形式とする.また,Fをf
の重さ
k次数nのSiegel尖点形式の空間へのIkeda liftとする.このとき,池田保氏は
Pertersson内積の比<F,F>/<h,h>がfのL関数の特殊値を用いて具体的に表されるこ
とを予想した.
これは,Saito-Kurokawa liftの時にKohnenとSkoruppaが証明した結果の一般化と
なっている.
この度,これが証明できたのでここで御報告したい.
今回はこの結果の応用(特にIkeda liftとnon-Ikeda liftの合同等)よりも,
証明に重点をおいてお話させていただく.
- 2008/1/21 談話会 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
杉本充(大阪大学理学研究科)
臨界指数の重みに関する極限吸収原理と放射条件
非斉次 Helmholtz 方程式の解は、複素数値に対するレゾルベントの
実軸への極限を用いて表記される。極限吸収原理とは、この極限が
ある重みつき空間において存在することをいう。
また、この事実を用いることにより、シュレディンガー方程式に対する
時空間評価式が導かれることも知られている。
この講演では、その重みの臨界指数の場合においては、
極限吸収原理には古典軌道から定まるある幾何学的構造が関わって
いることを説明し、さらにはその放射条件との関連についても言及する。
また、この解析にはフーリエ積分作用素の理論が用いられるが、
時間が許せばそれについても概説したい。
- 2008/1/22 確率論セミナー 16:30--18:00 B202
杉峰 伸明(京都大学数理解析研究所)
On Traversable Length inside Semi-Cylinder in 2D Supercritical Bond Percolation(共著者:竹居 正登(大阪電気通信大学))
- 2008/1/22 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
宮地 秀樹(大阪大学 理学研究科)
Cannon-Thurston maps for Surface groups
Mj Mahan (M.Mitra)氏は曲面群と同型な
クライン群の極限集合が局所連結である事を主張している.
この講演では彼によるその証明を概観する.
- 2008/1/23 表現論セミナー 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
Saeid Azam (Isfahan University, Iran)
Derivations of Multi loop algebras
- 2008/1/23 表現論セミナー 15:20--16:20 数学教室 大セミナー室(E301)
Valiollah Shahsanaei (Qom University, Iran)
On the presentations of extended affine Weyl groups
- 2008/1/23 表現論セミナー 14:10--15:10 数学教室 大セミナー室(E301)
Mallihe Yousofzadeh (Isfahan University, Iran)
A presentation of Lie tori of type $B_\ell$
- 2008/1/25 微分方程式セミナー 15:00--16:00 数学教室 大セミナー室(E301)
Matania Ben-Artzi(Hebrew University)
Global estimates of oscillatory integrals and dispersive equations.
"Dispersive equations" form a a fourth category of famous
partial differential equations of mathematical physics (the first three are
the elliptic, hyperbolic and parabolic equations).
They include the Schrodinger equation, the Korteweg-deVries equation
(and its linear version, the Airy equation).
Recently, some higher-order equations have been considered in this
category, modelling various wave phenomena.
In this talk we concentrate on the "Oscillatory Integrals" approach
to obtain global spacetime (so called " Strichartz Estimates") for the solutions.
One direction involves generalizations of the famous Van-der-Corput
lemma and another aspect is the study of polynomial phase
functions (in Fourier integrals), with certain classifications going
- 2008/1/25 微分方程式セミナー 16:30--17:30 数学教室 大セミナー室(E301)
伊藤 宏(愛媛大学)
遠方で発散するポテンシャルをもつディラック作用素の非相対論的極限について
遠方で発散するポテンシャルをもつディラック作用素のスペクトルは、
適当な条件のもと、実軸全体からなりすべて絶対連続スペクトルである。
一方、光速を無限大にする非相対論的極限においてディラック作用素は
シュレーディンガー作用素に近づくが、そのシュレーディンガー作用素
のスペクトルは有限多重度の離散固有値のみからなる。このスペクトル構造
の劇的な変化をレゾナンスを用いて説明する。
- 2008/1/28 談話会 4:30--5:30 数学教室 大セミナー室(E301)
川又雄二郎(東大数理)
代数多様体の標準環は有限生成である
- 2008/1/29 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
Kenneth Shackleton(東工大情報理工)
Computing distances in two pants complexes
The pants complex is an accurate combinatorial
model for the Weil-Petersson metric (WP) on Teichmueller space
(Brock). One hopes that many of the geometric properties
of WP are accurately replicated in the pants complex, and
this is the source of many open questions. We compare these
in general, and then focus on the 5-holed sphere and the
2-holed torus, the first non-trivial surfaces. We arrive at
an algorithm for computing distances in the (1-skeleton of the)
pants complex of either surface.
- 2008/2/1 整数論保型形式セミナー 15:30--16:30 共通教育 自然科学棟301号室
菊田 俊幸(近畿大学)
Siegel Eisenstein級数のp進極限について
Siegel Eisenstein級数のp進極限が
レベルpのmodular形式になる現象が知られている。
これまでの例はいわゆるNeben型に限られていたが、
講演ではHaupt型に関しても同様の結果が得られることと、
その応用について紹介したい。
- 2008/2/1 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
橋本 伊都子(大阪大学 情報科学研究科)
単独粘性保存則に対するある初期・境界値問題の漸近挙動と漸近評価について
単独粘性保存則に対する半直線上のある初期・境界値問題の時間大域解の漸近挙動と漸近解への定量的時間減衰評価について考察する. 境界と遠方での値, 及び流束f(u)の形によってどのように時間大域解の漸近挙動が変わるのかが興味の対象である. 今回は, 特に対応するリーマン問題の解が希薄波に漸近する場合を考察する. 流束f(u)が凸の場合には漸近挙動に関しては '98 Liu-Matsumura-Nishihara により完全な分類と結果が得られている. 今回, 凸性を弱めた場合の漸近的振る舞いについて最近得られた結果を紹介する. 未知関数を 別の重み関数を用いて変換した後, 新しい未知関数に対し改めて重み付きエネルギー法を適用することで時間大域解の漸近解への時間減衰評価を得た.
- 2008/2/4 幾何セミナー 13:30--15:00 数学教室 大セミナー室(E301)
田丸 博士(広島大学大学院理学研究科数学専攻)
Einstein 可解多様体と部分多様体論
- 2008/2/8 微分方程式セミナー 15:30--17:00 数学教室 大セミナー室(E301)
真田誠(大阪大学 理学研究科)
2階楕円型方程式系に対する強一意接続性定理について
単独の楕円型方程式に対する強一意接続性定理は2階の場合を中心に多くの結果が知られている。一方で方程式系の場合は1階2変数の場合を除きあまり結果が知られていない。本講演では、これまでに得られた2階楕円型方程式系に対する強一意接続性定理について紹介する
- 2008/2/15 代数幾何・複素幾何セミナー 14:40--16:10 B313
Katrin Wendland(Augsburg)
How to implement special properties of K3 surfaces in conformal field
theory
- 2008/2/18 談話会 16:20--17:50 数学教室 大セミナー室(E301)
作間誠(広島大学)
結び目のザイフェルト曲面が作る複体について
結び目の(最小種数)ザイフェルト曲面のイソトピー類全体から構成される垣水複体に関する二つの話題,直径の評価と可縮性予想,について講演します.主な内容はKenneth Shackleton 氏(東工大)との共同研究です.
- 2008/2/19 確率論セミナー 16:30--18:00 数学教室 大セミナー室(E301)
梶野 直孝(京都大学 情報学研究科)
Sierpinski carpet上のラプラシアンのスペクトルの漸近挙動: 高次の漸近挙動
- 2008/3/10 低次元トポロジーセミナー 10:00--12:00 共通教育 自然科学棟301号室
Kurt Falk(National University of Ireland, Maynooth)
Nonrecurrent dynamics in hyperbolic manifolds
Recurrent dynamics in geometrically finite hyperbolic manifolds is
well
understood by means of Patterson-Sullivan theory. For geometrically
infinite manifolds the focus shifts to nonrecurrent dynamics, with
mutually singular conformal measures associated to different infinite
ends of a given manifold. Even more, nonrecurrent dynamics becomes the
"thick part" of dynamics, not only in the sense of measure but also
Hausdorff dimension, for manifolds with a dimension gap between recurrent
and nonrecurrent dynamics. I will present some known results in this
area alongside with newer research I was involved in.