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研究時間の確保術

最近、忙しい。

今年度、研究科のとある委員長と学科の教務担当を任されている。年度の初めはそれほどでもなかったが、途中からかなり忙しくなり、それがここまでずっと続いている。海外からポスドクを受け入れたことも原因の一つになっている。彼と研究の話ができるのはとても楽しいので、来てくれてほんとに良かったのだが、日本で外国人が生活を始めるのはこんなに大変なのか、と思い知った。パンデミックの混乱が、これに拍車をかけている。

講義やセミナーなど、時間の決まっている予定は基本的に動かせないので、それ以外の時間に会議や雑務をやることになる。しかし、そうすると、「空いている時間は全部研究」というスケジュールの立て方をしていたので、そこに様々な雑務が侵食してきて、結局、「空いている時間がないから研究しない」になってしまいがちだ。「教授になると忙しい」とは昔から聞いていたが、今、その言葉を噛み締めている。院生やポスドク時代に大学教員の仕事の実態が少しずつ分かってきたが、それ以前は、数学者は数学だけしてれば良いものだと思っていた。世の中、そんなに甘くないらしい。「光陰矢の如し」、「少年老い易く学成り難し」という言葉が、最近はよく頭に浮かぶ。

研究できない日が続くと精神的にしんどくなるが、夜に週2回ほどボルダリングジムに行ったり、Switchのリングフィットアドベンチャーをやったりして、体を動かしてリフレッシュしている。パンデミックにより、飲み会が減り、体を動かす機会が増えたので、肉体的には逆に健康になっていると思う。数学には体力が必要なので、体力をつけておくに越したことはない。

それはそうと、研究ができないのは、やっぱりまずいので、なんとか時間を作る工夫をしている。メールはどんどん処理して「アーカイブ」フォルダーに移動し、受信トレイに残さない、というのは以前からやっていた。タイマーを20分にセットして、その間に集中して雑務を処理する、というのは何ヶ月か前に取り入れた。結局タイマーをかけるのを忘れていることも多いが、集中したいときは利用している。この方法は「ポモドーロ式」などと呼ばれているらしい。実は、阪大の学長選挙のときに、候補者の一人がこの方法をやっているという記事を読んだのと、その後、題名は忘れたが読んだ小説の中にも、同じやり方が出てきたので、やり始めた。

しかし、それでも気がつくと、ずっと研究以外の仕事をしていることが多い。そこで、今日、スケジュールを管理しているGoogleカレンダーに、毎週決まった時間に「研究」という予定を入れてみた。完全にこの通りにはいかないだろうが、基本的には、この時間は研究をするということにして、研究時間を確保するという、という試みだ。さて、この試みが上手くいくかどうか、しばらく様子を見てみよう。

今後、多少の増減はあるだろうが、忙しくなくなるということはなさそうなので、この環境に適用する必要がある。研究時間確保の良い方法を知っている人は、教えてほしい。

2021年12月9日

追記

カレンダーに「研究」の予定を入れる方法は失敗に終わった。「研究」以外にも、メールを書くための時間などもカレンダーに記入していたのだが、カレンダーが詰まりすぎて、とても見づらくなってしまい、逆に生産性が落ちてしまった。生産性を上げ、研究時間を増やすためには、他の方法を考える必要がありそうだ。

一つの方法として、Self-Math Seminarというセミナーを立ち上げてみようと思っている。これは、東北大にいたときに考えたライティング・セミナーをアレンジしたものだ。Self-Math Seminarでは参加者がそれぞれの研究に集中して取り組む。このセミナーなら、自分一人でもできるので、立ち上げのハードルは低い。来週から始めようと思う。

2021年12月18日


Last update: December 18, 2021