集中講義(北大 '99)… 終了しました
「ガロア・タイヒミュラー群の Lego 理論」
1999年6月7日~11日
レクチャーノート出来ました。
製本版(p.35)・北海道大学数学講究録 Series No.65, August 2000
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製本冊子の残部も若干ありますので、郵送御希望の方はお問い合わせ下さい。
授業の目的及びねらい
この講義の主なねらいは、代数曲線のモジュライ空間に関係する
種々の副有限基本群におけるガロア表現が、その最も基本的な
場合である射影直線マイナス3点の場合をうまく組み合わせる
ことで記述できる、という構造を理解することである。
この一環としてタイヒミュラー幾何学のような位相幾何と代数幾何
が交錯する世界の一面を、群論的なわかりやすい言葉を基調として
描写することを試みる。
内容:
1. Overview
代数曲線のモジュライ空間の基本群
(タイヒミュラーモジュラー群)たちは、
リーマン面の退化を通じて、多重な仕方で
積み重なっている。
この構造を、有理数体の絶対ガロア群
の表現の言葉で記述することが今回の集中講義のテーマ
であるが、この Overview では、理論の骨格を大局的に素描
することで全体像を概括する。
特にリーマン面のパンツ分解のなす Hatcher complex と
GT の精密化に関する最近の結果について論ずる。
余裕があれば、最近の新しい観点などについても触れてみたい。
2. エタール基本群と Belyi の定理
射影直線マイナス3点の基本群における外ガロア表現
と Belyi の定理とその意義を理解する。
3. Tangential base point
基本亜群とTangential base point の概念を導入する。
また、Grothendieck-Teichm\"uller 群の定義と基本事項の紹介。
4. Maximally degenerate marked stable curve
最大退化曲線の形式近傍の具体的な構成とガロア表現の
Van-Kampen 的貼り合わせについて解説する。
5. Tate elliptic curve and M_{1,2}
代数曲線のモジュライ空間の基本群とその位相幾何的な
生成元(Dehn twist)へのガロア作用を(種数1の特別な
場合に)論ずる。
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