担当:松本佳彦 matsumoto (at) math.sci.osaka-u.ac.jp
オフィスアワー:学期中の火曜14:00〜15:00
木曜3限(13:00〜14:30)・共通教育棟C棟305教室
授業日程:10/6, 10/13, 10/20, 10/27, 11/10, 11/17, 11/24, 12/1, 12/8, 12/15(休講), 12/22, 1/12, 1/19, 1/26, 2/2
期末試験:2/9
シラバス
期末試験答案を2月24日(金)まで返却中です。詳しくは問題用紙一番下の注意書きを見てください。
1学期の「数学の楽しみ1D」に引き続き、専門的な数学を学ぶ上での基礎体力を身につけ、数学を主体的に学ぶことができるようにするのがこの授業の目的です。具体的には、次のことを目標とします。
- 集合や写像に関する諸概念を身につける。また、集合のことばを用いて新しい操作対象を構成していくという、数学における基本的な方法を体得する。
- 自然数の体系を出発点とする数体系(整数、有理数、実数、複素数の体系)の構成法を学ぶ。
- 数学的なことがらについて説明する力を磨く。
「数学の楽しみ1D」と比較して、大幅に発表の時間を増やします。具体的には初回の授業で説明します。
参考書
- 佐藤文広『数学ビギナーズマニュアル』(日本評論社、1994年)
- 和久井道久『大学数学ベーシックトレーニング』(日本評論社、2013年)
- 数学セミナー編集部『数学セミナー増刊 数学ガイダンス2016』(日本評論社、2016年)
- 松坂和夫『集合・位相入門』(岩波書店、1968年)
- 結城浩『数学文章作法 基礎編』(ちくま学芸文庫、2013年)、『数学文章作法 推敲編』(同、2014年)
内容・資料など
- 10月6日
- ガイダンス
- 板書を1か所修正します。代数的数全体の集合$\overline{\mathbb{Q}}$について「$\mathbb{Q}\subset\overline{\mathbb{Q}}\subset\mathbb{R}$」と書きましたが、通常「代数的数」と言ったら「複素数であって有理数係数代数方程式の根になっているようなもの」のことを指すので、正しくは「$\mathbb{Q}\subset\overline{\mathbb{Q}}\subset\mathbb{C}$」です。($i=\sqrt{-1}$なども代数的数、つまり$\overline{\mathbb{Q}}$の元です。)
- セッション1のためのテキスト(集合と写像)
- 2か所修正します。
- 問題1.10:「$A$, $B$はいずれも空集合ではない」という仮定を追加してください。
- 問題1.11:「任意の$U\in\mathscr{X}$に対し」は正しくは「任意の$U\in\mathscr{A}$に対し」です。さらに「$A$は空集合ではない」という仮定を追加してください。
- 10月13日
- 集合と写像について講義しました。特に次の項目を扱いました。
- 羃集合
- 写像による部分集合の像、逆像
- 集合族、直積、選択公理
- 10月20日
- セッション1の演習(1回目)を行いました。問題1.3, 1.1, 1.8が解かれました(問題1.8は(3)のみ次回に持ち越し)。
- 選択公理の使い方の参考として、問題1.11の解答例を公開しておきます。
- 10月27日
- セッション1の演習(2回目)を行いました。問題1.2, 1.5, 1.10が解かれました。問題1.8 (3)は引き続き持ち越しです(解答者にレポートを書いてもらって、次回コピーして配布することになると思います)。
- 解かれなかった問題(問題1.4, 1.6, 1.7, 1.9, 1.12)の解答について、このページで後ほど公開するとアナウンスしていましたが、そうではなく、次回の授業で配布するということに変更させてください。
- セッション2のためのテキスト(集合の濃度)2016/10/27修正版
- 配布したものには以下のような間違いがあったので修正してあります。
- 2ページ6行目「大きさの比較」を「大小の比較」に変更しました。
- 命題2.7の証明の3行目で、「(1,3), (2,2), (3,1)」となるべきところが「(1,3), (2,2), (1,3)」になっていました。
- 4ページ一番下にある$f(2)$, $f(3)$の十進小数表示において、添字が間違っていました。
- 問題2.3の冒頭に「全単射$f\colon A\to A$」とありますが、$f^n$を定義する上では$f$が全単射である必要はないので、「写像$f\colon A\to A$」と修正しました。
- 問題2.5のヒントが「問題2.5」になっていました。正しくは「定理2.10」です。
- 11月10日
- 問題1.8 (3)について解答者にレポートを書いてもらったので、それをコピーして配布しました。
- 解かれなかった問題(問題1.4, 1.6, 1.7, 1.9, 1.12)の解答例を配布しました(非公開)。
- 集合の濃度について講義しました。特に次の項目を扱いました。
- 集合の濃度の相等および大小の定義
- $\mathbb{Q}$が可算集合であること、$\mathbb{R}$が非可算集合であること
- 集合の濃度の比較が常に可能であること(主張を述べただけ)
- 11月17日
- セッション2の演習(1回目)を行いました。問題2.6, 2.8, 2.7が解かれました。問題2.5は次回に持ち越しです。
- 11月24日
- セッション2の演習(2回目)を行いました。問題2.5, 2.4, 2.9, 2.10が解かれました。
- 解かれなかった問題(問題2.1, 2.2, 2.3)の解答例は次回配布します。(授業中「Webページでアップロードする」と言ってしまいましたが、間違いです。)
- セッション3のためのテキスト(同値関係と商集合)
- 12月1日
- 同値関係と商集合について講義しました。特に次の項目を扱いました。
- 同値関係および商集合とは何か
- $\mathbb{Q}$の($\mathbb{Z}\times(\mathbb{Z}\setminus\{0\})$の商集合としての)定義、演算のwell-definedness
- 12月8日
- セッション3の演習(1回目)を行いました。問題3.3, 3.4, 3.5, 3.10が解かれました。
- 12月22日
- 1月12日
- 解かれなかった問題(問題3.1, 3.8)の解答例を配布しました。
- 商集合と代数的構造について講義しました。特に次の項目を扱いました。
- (単位元を持つ)可換環、イデアル、および剰余環の概念
- 実数体上の多項式環$\mathbb{R}[X]$の剰余環としての複素数体$\mathbb{C}$の構成
- 1月19日
- セッション4の演習(1回目)を行いました。問題4.4, 4.6, 4.7が解かれました。
- 期末試験について
- 1月26日
- セッション4の演習(2回目)を行いました。問題4.1, 4.8, 4.10が解かれました。問題4.5, 4.9は保留です(解答者にレポートを書いてもらいます)。
- 2月2日
- 問題4.5, 4.9について解答者にレポートを書いてもらったので、それをコピーして配布しました。
- 解かれなかった問題(問題4.2, 4.3)の解答例を配布しました。
- 実数体$\mathbb{R}$の構成に関して、Cauchy列を用いる方法の概要を講義しました。
- 2月9日
- 期末試験でした。
- 問題
- 答案を2月15日(水)から返却します。詳しくは問題用紙一番下の注意書きを見てください。