コンピュータで文書を管理: Documents(ファイル管理システム)
コンピュータで文書を作成: メモ帳 (文書作成ソフト)
コンピュータで画像を扱う: gnuplot (描画ソフト)
コンピュータで文書を管理する際,まずはファイルシステムについて理解しておく必要がある.
ファイルデータをハードウェア上に記憶するときの単位.名前のついたデータと思えばよい.
ディレクトリ(=フォルダ)ファイルを保管する場所.文字通り,文房具の "フォルダ" と同じような感覚で用いる場所である.
因みに,阪大の教育用計算機システムでは,『Zドライブ』と呼ばれる場所に,作成したデータを保管する.ここ以外に保存したデータは,ログアウト時に自動的に削除されてしまうので注意!
ついでながら,初めてログインしたときに『Zドライブ』にすでに存在していたファイルやディレクトリ(特に「linuxhome」)は消去しないように!
木構造ディレクトリの中に,さらにディレクトリを作成して,ファイルを階層的に整理する状況を考えよう.このような場合,各ディレクトリやファイルの相互関係をグラフで表すと便利である.これを木構造という.分かりやすい説明図が 降旗大介先生の情報活用基礎のページ「第2回」の冒頭にあるので,参照して下さい.
デスクトップにある Documents アイコンをクリックし,ファイル管理システムを起動させる.
「PC > Z:¥」と表示される『Zドライブ』があることを確認し,その中にどんなファイルやフォルダが入っているか調べてみる.
『Zドライブ』の中に新しいフォルダ hogehoge
を作ってみる.そのためには,『Zドライブ』にいる状態で,メニューから「ホーム > 新しいフォルダ」と選び,名前を書き込めばよい.
上で作成したフォルダ hogehoge
の名前を infoLiteracy
に変更してみる.
改名したフォルダ infoLiteracy
を消去してみる.
コンピュータ操作において,まず基本となるのが文書作成である. テキスト p.39 にあるように,情報教育システムには,シンプルなテキストエディタとして「メモ帳」「TeraPad」,多機能なテキストエディタとして「Emac」がインストールされている.今日は,この中から特に「メモ帳」を選び,基本的な使い方を学ぼう.
起動画面下方のクイック起動バーの右端にある「>>」をクリックし,「Documentation > メモ帳」を選ぶ.
保存上方のメニューから「ファイル > 名前をつけて保存」もしくは「ファイル > 上書き保存」
終了上方のメニューから「ファイル > メモ帳の終了」もしくは右上の × をクリック.
「メモ帳」を起動させ,適当な文書を作成する.日本語の文書を作成する場合は,[変換] キーあるいは [全角/半角] キーを押して日本語入力に切り替える.アルファベット入力に戻す場合も同様.
作成した文書を testMemo.txt
というファイル名で『Zドライブ』直下に保存する.
『Zドライブ』内に testMemo.txt
というファイルがちゃんと作成されているかどうか,Documents で確認してみる.
いったん「メモ帳」を終了する.
『Zドライブ』の中に新しいフォルダ infoLiteracy
を作る.
『Zドライブ』にあるファイル testMemo.txt
を,今作成したフォルダ infoLiteracy
の中に移動させる(ドラッグ&ドロップで実行).
再び「メモ帳」を起動し,移動させたファイル testMemo.txt
を開いてみる.そのためには「ファイル > 開く」とし,フォルダ infoLiteracy
をダブルクリックすると,そこに格納されているファイル等が表示される.その中から testMemo.txt
をダブルクリックすればよい.
こうして,様々なファイルを自分の好きな場所に保管できることを体験する.
コンピュータで画像を扱うには,主として以下の3つの方法がある.
種類 概要 ソフト グラフ 実験データや数式を与えることにより,グラフを作成する. gnuplot, Mathematica, Maple など ベクトル画 円や四角などを描く「ペンの動き」を記録することによって作図する方法.ベクトル画を描く為のアプリケーションソフトを「ドロー系ソフト」と言うこともある. Inkscape, Illustrator, Tgif, StarSuite Draw など ピクセル画 画像を小さな画素(ピクセル)に分割し,各ピクセルの色情報を指定する方法.ピクセル画を編集するためのアプリケーションソフトを「ペイント系ソフト」と言うこともある. GIMP, Photoshop など 今回は,グラフ描画ソフト gnuplot の使い方を学ぼう.時間の関係で授業中に扱うことができないが,ドロー系ソフト Inkscape,およびペイント系ソフト GIMP も情報教育システムにインストールされているので,機会を見つけて使ってみることをお勧めする.なお,これら3つのソフトはいずれもフリーソフトなので,自分のパソコンにインストールして使うこともできる.
gnuplot はコマンド入力形式で入力し,グラフを描画するアプリケーションである.実験データをグラフで表示したり,様々な関数のグラフを描いたりすることなどが簡単にできるので,理工系分野では基本的なアプリケーションである.将来のためにぜひ使えるようになっておこう.
起動画面下方のクイック起動バーの右端にある「>>」をクリックし,「Math > gnuplot」を選ぶ.
終了gnuplot のコマンドラインから
exit
と入力する.
次の表は,HCl の水溶液の氷点降下を種々の重量モル濃度(溶媒 1kg 中の溶質のモル数)で測定した結果である.(出典:久保亮五編「大学演習 熱学・統計力学」裳華房)
重量モル濃度(×10-3 mol /kg) 氷点降下(×10-2 deg) 0.627 0.228 1.179 0.434 1.245 0.455 1.474 0.542 2.228 0.815 3.526 1.286 4.520 1.644 6.879 2.494 10.633 3.843 これをグラフに描いてみよう.まず,「メモ帳」を使って
0.627 0.228
1.179 0.434
1.245 0.455
1.474 0.542
2.228 0.815
3.526 1.286
4.520 1.644
6.879 2.494
10.633 3.843
という内容のファイル(注:データ間のスペースは半角で!)を作成し,
jikken.dat
という名前で保存する.次いで,gnuplot を立ち上げ,上記データが『Z ドライブ』直下に保存されている場合は
gnuplot> plot "jikken.dat"
とすると,(x,y)=(0.627, 0.228),(1.179, 0.434),... , (10.633, 3.843) に対応する9つの点からなるグラフが作成される.
なお,もしデータがフォルダ
infoLiteracy
に保存されている場合はgnuplot> plot "infoLiteracy/jikken.dat"
とすればよい.
「点だけでは見にくい」という場合は,
with
オプションを用いて,例えば次のようにしてみる.gnuplot> plot "jikken.dat" with linespoints
こうすると,上の9つの点が線で結ばれたグラフが作成される.
ヘルプの利用他の表示方法を試してみたい場合は,どのようなオプションが使えるか,ヘルプを参照して調べてみるとよい.まず
gnuplot> ?
としてヘルプを呼び出すと,別ウィンドウでヘルプ画面が現れる.
例えば,
plot
というコマンドについてもっと詳しく知りたい場合は,ヘルプの左画面から「コマンド」を選択すると右画面に現れるコマンドリストからplot
を選べばよい. なお,plot
というコマンドについて調べるだけなら,直接gnuplot> help plot
としてもよい.
描いたグラフの保存方法描いたグラフを保存する方法について説明しておく.gnuplot で描いたグラフィクスは,様々な形式で保存することができるが,良く使うのは以下の2つである:
- TeX に読み込むには『eps 形式』
- web で公開するなら『png 形式』
例えば TeX ソースファイルにグラフを読み込むために,上で描いた実験データのグラフを
jikken.eps
というファイル名で eps 形式で保存する必要が生じたとしよう.このときは次のようにする.
gnuplot> set terminal postscript eps enhanced color
gnuplot> set output "jikken.eps"
gnuplot> plot "jikken.dat" with linespoints
gnuplot> set terminal windows
gnuplot> set output
上に書いた一連のコマンドについて簡単に説明しておこう.最初の2行は,これから描くグラフィクスを eps 形式で(カラーで)出力し
jikken.eps
というファイル名で保存せよ,という宣言である.また3行目は実際にグラフを描く部分,そして最後の2行は,ファイルに保存するのではなくディスプレイに描画するよう設定を元に戻す部分である.一方,web で公開するために
jikken.png
というファイル名で png 形式で保存する場合は:
gnuplot> set terminal png
gnuplot> set output "jikken.png"
gnuplot> plot "jikken.dat" with linespoints
gnuplot> set terminal windows
gnuplot> set output
とすればよい.また,単に
gnuplot> set terminal
とすると,利用可能な出力形式の一覧を表示してくれる.
gnuplot では,様々な関数のグラフを描くこともできる.例えば
gnuplot> plot sin(x)/x
と入力すれば,関数 f(x) = sin(x)/x のグラフを描いてくれる(変数 x の範囲などは自動的に設定される).
同様に
gnuplot> splot x**2-y**2
と入力すれば,2変数関数 f(x,y) = x2 - y2 のグラフを描いてくれる.
複数のグラフを同時に描くには,単に関数を複数指定するだけでよい.また,グラフの描画範囲を指定することもできる.例えば
gnuplot> plot [-20:20] [-2:2] sin(x), x-x**3/6+x**5/120, x-x**3/6+x**5/120-x**7/5040+x**9/362880
とすれば,3つの関数
y = sin(x)y = x - x3/3! + x5/5!y = x - x3/3! + x5/5! - x7/7! + x9/9!を -20≦x≦20,-2≦y≦2 の範囲で同時に描画してくれる.
余裕があれば,大阪大学の 降旗大介先生の情報活用基礎のページ「第6回」を参照し,より詳しい使い方を学ぼう.
「情報教育システムサポートページ」のメニューなどからCLEにログインし,コース一覧から「情報活用基礎」を選択.
左側のメニューから「コンテンツ」を選択し,「第4回 出席確認テスト」に回答・提出する.
回答期限: 本日 16:30
作業が終了したらログアウトし,ディスプレイの電源を切る.計算機本体の電源は切らない.