談話会(集中講義の第1回を兼ねる)


2022/7/4(Mon)

17:00--18:00 E404+Zoom

佐藤 周友

中央大学

算術的スキームのエタールコホモロジーとSelmer群

スキーム$X$のゼータ関数$\zeta(X,s)$は$X$の種々のコホモロジーと様々な形で結びついている。本講演ではまず、その関わりについて古典的によく知られていることを中心に紹介する。次に、このような動機付けに基づいて、$d$次元算術的スキーム$X$ の`$\mathbb{Q}_p(d)$'係数のエタールコホモロジーを導入し、Bloch-KatoのSelmer群との比較同型について説明する。さらに$X$が算術的曲面$(d=2)$の場合に、この比較同型の応用として$p$進的Abel-Jacobi写像がBloch-Katoの$p$-Tate-Shafarevich群の位数と関係づけられること、および(玉河数予想のもとで)$\zeta(X,s)$の$s=2$での留数に関係づけられることを述べたい。