確率論セミナー


2022/7/5(Tue)

16:30--18:00 オンラインセミナー

桑江 一洋

福岡大学

Liouville theorem for $V$-harmonic maps under non-negative $(m, V)$-Ricci curvature for non-positive $m$

この講演は中国科学院Xiangdon Li 氏と中国人民大学Songzi Li 氏ならびに埼玉大学の櫻井陽平氏との共同研究に基づく. $V$ を $n$-次元完備リーマン多様体 $(M, g)$ 上の $C^1$-ベクトル場とし、$m\leq0$ に対してBakry-Emery $(m,V)$-リッチ曲率が非負を仮定する. また起点 $p$ からの胴径関数 $r_p$ の $V$-Laplacian $\Delta_Vr_p$ にある種の増大条件を課す. $(M, g)$からアダマール多様体に値をとる対応するさまざまな増大条件下での $V$-調和写像のLiouville 型定理について報告する。またアダマール多様体値だけでなく CAT(1) 多様体内の正則測地球に値をとる有界な $V$-調和写像のLiouville 型定理についても報告する. これらは古典的なS.Y.~Cheng の劣線形増大調和写像のLiouville 型定理やChoi の CAT(1) 多様体内の正則測地球値有界調和写像のLiouville 型定理の拡張であるばかりでなく、近年、Chen-Jost-Qiu, Qiu 等によって得られた CAT(1) 多様体内の正則測地球値 $V$-調和写像のLiouville 型定理の拡張をも与える。証明は Stafford の方法によるKendall 型の胴径過程のセミマルチンゲール表現に基づくが、Stafford では明確に述べられていない部分を完全に補う形で達成される。また $V$ が勾配型 $V=\nabla f$, $f\in C^2(M)$ に限っても新しいものである. *本セミナーは Zoom を用いたオンラインセミナーです。参加を希望される方は塩沢(shiozawa "at" math.sci.osaka-u.ac.jp)までお問い合わせ下さい。