談話会


2021/6/21(Mon)

16:30--17:30 オンラインで講演 集中講義の1回目を兼ねます

松村 慎一

東北大学

非負曲率を持つ射影多様体の構造について

代数幾何, (複素)微分幾何に現れる様々な''正値性''を紹介し, 適切な意味で''非負曲率''を持つ射影多様体の構造について話します. Siu-YauによるFrankel予想/MoriによるHartshorne予想の解決により, ''正曲率''の接ベクトル束を持つ射影多様体は射影空間に限ることが示されました. ''非負曲率''の射影多様体の構造や分類の研究は, この成果の自然な一般化であり, 魅力的なテーマです. この講演の前半では, この研究の歴史を概観した後に, 講演者によって得られたいくつかの構造定理を紹介します. 後半では, 双有理幾何の視点から, 非負曲率の反標準束に対する構造定理を説明します. その証明で重要となる特異計量を用いた順像層の複素解析的な正値性についても紹介します.