微分方程式セミナー


2020/1/31(Fri)

16:20--17:00 理学部 E301/302/303 大セミナー室

程 明港

大阪大学 理学研究科

非線形波動とKlein-Gordon方程式の連立系に対する弱零条件

3次元ユークリッド空間上で非線形波動とKlein-Gordon方程式の連立系に対する初期値問題について考える.この連立系に対して波動部分にnull conditionを仮定することで時間大域解の存在が知られている.近年非線形波動方程式系に対して時間大域解の存在を保証する構造条件として,null conditionよりも弱い構造条件が研究されている.本講演では,波動成分に関して空間微分された項にのみ依存する非線形項をもつ場合について,Katayama-Matoba-Sunagawa (2015)によって導入されたnull conditionよりも弱い構造条件の下で、Algebraic normal forms methodとprofile方程式を応用することで,小さな初期値に対する大域解の存在を証明する.なお,本研究は片山聡一郎教授(大阪大学)との共同研究に基づく.