微分方程式セミナー


●2026/10/23(Fri)●

15:30--17:00 理学部 E301/302/303 大セミナー室

廣井 楓也

東京大学

交叉する2直線と一般の接触角で接触する両端点を持つ開曲線に対する面積保存型曲率流

面積保存型曲率流 (以下, (m-ACF)) は, 非負整数 $m$ に対して, 曲線の長さに対する $H^{-m}$-勾配流として導出される $2m + 2$ 階放物型方程式であり, $m = 1$ の場合は曲線拡散流を与える. H.--Okabe (2025) では, $m = 1$ かつ開曲線の両端点が交叉する2直線と直交する問題設定において, 適切な初期条件のもとで解の時間大域存在と円弧への指数的な収束を証明した. 本講演では, この結果を方程式の階数および両端点における接触角について一般化する. 一般の接触角を仮定すると, 端点が直線上にとどまるために接線速度を考慮する必要があることから, 一般に長さに対する勾配構造が失われ, 先行研究の手法をそのまま適用することができない. 本講演では, 曲線の長さと境界項からなるエネルギーを用い, 2直線のなす角と接触角に適切な条件を課すことで, エネルギーの正値性および曲線の長さの一様有界性を示す. これにより, 解の時間大域存在, 再パラメータ化を除いた一意性, および円弧への指数的な収束を証明する.