談話会


2026/6/15(Mon)

17:00--18:00 理学部 E404/406/408 大セミナー室

青木 宏樹

学習院大学

分母公式からのルート系の新しい特徴づけ

ルート系とは、雑に言えば、高度な対称性を持つ、 有限次元実ユークリッド空間内の点集合である。そして、有限ルート系および アフィンルート系において、分母公式とよばれる非自明な美しい等式が知られている。 たとえば、アフィンルート系$A_1$の分母公式(マクドナルド恒等式)は ヤコビの三重積公式であり、これは保型形式の1種であるヤコビ形式の等式ともみなせるなど、 たいへん興味深い。講演者は共同研究者とともに、この分母公式がルート系特有のものであること、 すなわちルート系の特徴づけを与えることを示した。この結果は(表現論やリー代数を用いない) 古典的なルート系の言葉だけで述べることができ、証明はきわめて初等的であるが、保型形式を 無限積で構成する理論(ボーチャーズ無限積)をバックグランドにもち、ボーチャーズが提唱した ある問題を解決したものである。 (1)講演前半では、専門用語を必要とするバックグランドには触れず、 学部3年次レベルの(あるいはもっとやさしい)範囲で、動機や結果などを紹介する。 (2)講演後半では、本研究と保型形式とのかかわりを述べるとともに、 派生する問題なども紹介する。 (川ノ上帆氏との共同研究)