向きづけ可能曲面上の(多重)曲線のisotopy類から作られるグラフは,写像類群が自然に作用するため,よく研究されてきた対象である. 特に重要な例として,曲線グラフやパンツグラフが挙げられる. ErlandssonとFanoniにより導入されたk-多重曲線グラフとは,k本の多重曲線が各頂点に対応しているようなグラフであり,曲線グラフとパンツグラフの間を自然に補間している. この講演では,k-多重曲線グラフの双曲性や大尺度幾何的な性質について得られた結果を述べ,Teichmüller空間との関係について紹介する. 本講演は,久野恵理香氏(芝浦工大)と倉持凜氏(東京大)との共同研究に基づく.