近年,Chruściel–Grantによる研究を端緒として,距離幾何学の手法をローレンツ幾何学へ応用するLorentzian length spacesの研究が活発に行われている.正則性の低い時空においては,測地線の分岐やcausal bubbleと呼ばれる病的な集合の出現など,滑らかな時空とは異なる困難が生じる.本講演では,これらの概念について説明した後,Beemによるローレンツ版Hopf-Rinow型定理に着目し,そのLorentzian length spacesへの拡張に関する結果について述べる.