正標数の代数幾何において、葉層構造(foliation)およびその商は重要な研究対象である。葉層構造の極小モデル理論の枠組みにおいて、 klt や lc といった特異点のクラスが定義されている。葉層構造とその商の特異点には深い関係があり、例えば Posva 氏は、非特異曲面上の葉層構造が lc であることと、その商が F-正則であることが同値になることを示した。一方で、商がD_2m^0型やE_8^0型の有理2重点など、F-正則ではないklt特異点をもつ葉層構造の存在が知られている。本講演では、そのような葉層構造を特徴づけるためにt-klt性を導入し、葉層構造が(p-1)/p-kltであることとその商がkltであることが同値になるという定理について述べる。また、この定理を用いて、非特異曲面上の葉層構造の商として現れるklt特異点の分類についても解説する。