幾何セミナー


2026/1/26(Mon)

13:30--15:00 理学部 E404/406/408 大セミナー室

稲垣 真郷

名古屋大学

リッチ曲率とグラフラプラシアンの収束について

本講演ではリッチ曲率に下界を仮定した閉リーマン多様体のラプラシアンについて,そのスペクトルをグラフで近似する結果について述べる. 多様体上の適切な確率測度に従って得た独立な多数の点からグラフラプラシアンを構成してラプラシアンの固有値・固有関数を近似する問題は, ラプラシアンに基づく次元削減の手法と関連して調べられてきた. 従来のこの種の定量評価はしばしば断面曲率の上界や単射半径の下界を仮定してきたが, そのような評価は可微分でない点を含む空間への拡張を自然には許さない. そこで本講演では arXiv:2506.07427 に基づき, 仮定をリッチ曲率と体積の下界へ緩めた状況での固有値・固有関数の近似に関する明示的な評価と、その非崩壊リッチ極限空間への拡張について述べる.