本講演の目的は、Birch–Swinnerton-Dyer(BSD)予想を一つの「Dichotomy」として定式化し、その枠組みのもとでBSD予想の主張をどのように捉え直すことができるかを考察することである。この枠組みにおいては、楕円曲線の解析的階数とモーデル・ヴェイユ群の階数の一致、あるいはテイト・シャファレヴィッチ群の有限性といった性質を個別に仮定するのではなく、これらが相互に強く結びついており、一方が成り立たない場合には、もう一方も特定の形で成り立たなくなるという関係性に焦点を当てる。 本講演では、この考えに至る動機として、(1) 岩澤理論との関係、(2) 楕円曲線に関する既知の結果との関連、(3) 函数体の場合、という三つの観点から説明する。