トポロジーセミナー


2019/10/23(Wed)

16:30--18:00 理学部 D505/506 セミナー室

直江 央寛

中央大学理工学部

4次元ホモロジー球体の微分構造とシャドウ

この講演では「2−ハンドルまでで構成できるような4次元ホモロジー球体で,その境界が3次元球面であるものは4次元球体と微分同相と言えるか?」という問題を考え,その解答が肯定的となるような十分条件をシャドウの文脈で与える.シャドウとは大雑把に言えば4次元多様体の2-骨格として埋め込まれた多面体であり,4次元多様体の一種の組み合わせ的表示を与える.この表示を使うことで,4次元多様体に対し連結シャドウ複雑度と呼ばれる非負整数値の不変量が定義できる.今回与えた十分条件を用いることで,連結シャドウ複雑度の値が2以下の場合には上記の問題に対する解答はいつでも肯定的となることが示せた.これらの結果について紹介したい.なお,本研究は古宇田悠哉氏(広島大学)との共同研究である.