代数多様体のコホモロジー理論に対して成り立つ様々な理論(Hodge分解,de Rham比較定理,crystalline-de rham定理,...etc)が非可換代数多様体に延長できる事が近年明らかになってきています. 講演者は非可換代数多様体のcrystallineなp-進Hodge理論の存在を予想して,次を証明しました.KをQ_pの有限次拡大,O_Kをその整数環,TをO_K上のsmooth proper非可換代数多様体としたとき,topological negative cyclic homology理論のホモトピー群の双対\pi_i TC^-(T/S[z];Z_p)^{\vee}は(\phi,\hat{G_K})-moduleの構造を持ち,対応するZ_p[G_K]-moduleはcryatllineになっている.また講演者は次の2つの予想をしました.(1)このZ_p[G_K]-moduleはgeneric fiberのみで決定される.(2) このZ_p[G_K]-moduleはgeneric fiberのK(1)-local K理論である.2024年に,Scholzeによって予想の(1)は証明されたとアナウンスされました.Scholzeは結び目理論や代数体上のHabiro ringと密接に関係する新しい不変量を導入するという手法で問題を解決しました.本講演では,講演者の結果やScholzeの手法を背景を踏まえながら説明したいと思います.またpart 2では,semi-stable還元な場合を扱うための道具として,非可換代数多様体の対数構造理論について考察したいと思います.