シュレーディンガー方程式で記述される量子力学的散乱理論の一般的な概要を説明する. 時間定常的な方法では, ある方向から入射する平面波に対し, ポテンシャルによる摂動で生じる球面波が散乱波として生じる. さらに, 共鳴極によって生じる量子力学特有の散乱現象についても概要を説明し, 数学的な問題の所在を明らかにしたい.