テイル付きグラフ上の量子ウォークを規定するユニタリ作用素の共鳴極は, この作用素を有限部分グラフに制限した作用素を表す行列の固有値に対応する. この共鳴極が単位円の至近にあるとき, 量子ウォークの散乱現象に対して強い影響を与え, 古典系では見られない共鳴散乱を生じる. 量子ウォークでは, 散乱行列の共鳴展開公式を明示的に得ることができる. さらに, 数値計算による可視化も紹介したい. 本研究は, 樋口健太氏(岐阜大学), 石川隆太氏(元愛媛大学M2), 瀬川悦生氏(横浜国立大学), 吉村栄次郎氏(愛媛大学M2)との共同研究である.