談話会


2025/7/7(Mon)

17:00--18:00 理学部 E404/406/408 大セミナー室

西井 良徳

大阪大学理学研究科

消散構造を伴う非線形波動方程式について

非線形波動方程式の初期値問題を考える際、初期値が小さく滑らかで空間遠方で十分速く減衰する場合でも、一般には解が時間大域的に存在するとは限らない。1986年に Klainerman と Christodoulou によって導入された零条件は、時間大域解が存在するための非線形項の十分条件として広く知られており、近年、零条件より弱い条件の研究が進められている。本講演では、そのような条件の1つであり、非線形項が解に消散的な影響を及ぼすAgemi条件の下での解の漸近挙動に関する結果を紹介する。また、他の方程式に対する類似の結果も合わせて紹介する。