幾何セミナー


2025/7/14(Mon)

13:30--15:00 理学部 E404/406/408 大セミナー室

納谷 信

名古屋大学

第1固有値最大化と膨満写像

ラプラシアンの第1固有値最大化問題は、Hersch(1970)の研究に始まる。彼は、$S^2$上の面積一定のリーマン計量全体の中で定曲率計量が第1固有値を最大にすることを証明した。その後、おもに閉曲面において最大化計量を求める問題が研究されてきた。 この講演では、体積要素とリーマン計量が指定されたコンパクト多様体において、あるラプラシアン型作用素の第1固有値を最大化する問題について論ずる。この問題は、ユークリッド空間への写像に関するある最適化問題の双対問題として定式化され、通常のラプラシアンに代わってBakry-Emeryラプラシアンが現れる。写像に関する問題というのは、局所的に縮小的な写像全体の中で大域的に最も拡大的な写像を求める問題というもので、その解のことを膨満写像とよんでいる。いくつかの多様体においてこれらの問題が明示的に解けることを紹介する。