中間非線形シュレディンガー方程式 (以後 INLS と呼ぶ) は, 空間 1 次元的な 2 層流体の境界面の運動において, 最低次の非線形効果だけを考慮して得られる包絡波の方程式である. また, INLS は上層と下層の厚さの比 $\delta$ をパラメータとして含み, $\delta \to 0$ の極限 (浅水波極限) は可積分系の方程式の代表例である非線形シュレディンガー方程式である. さらに, INLS 自身も可積分系の方程式と考えられている. 本講演では, 広田の方法によって得られるダーク多重ソリトンに対する時間正および負の無限大における漸近挙動の結果を紹介する.