本研究では, ライプニッツ則を背景とした分数階微分の積の評価を有界領域上で考察する. 分数階の微分に関する積の評価の研究は, 非線形偏微分方程式の初期値問題の適切性への応用の観点と 調和解析学的観点の両側面から研究されてきた. Kenig--Ponce--Vega (1993) は微分指数が1未満の場合におけるライプニッツ則に対応する評価をソボレフ空間上で導き, 一般化KdV方程式の初期値問題の適切性に応用している. 本研究では, Iwabuchi--Matsuyama--Taniguchi (2019) によって導入された領域上のベソフ空間を用いて Kenig--Ponce--Vega (1993) に対応する評価式の成立条件について研究した. 本講演は岩渕司氏(東北大学)との共同研究に基づく.