Busemann非正曲率空間(以下BNPC空間)は三角形の比較の意味で非正曲率をもつ距離空間であり、よく知られているCAT(0)空間を含むさらに広いクラスである。CAT(0)空間が単連結非正曲率Riemann多様体の一般化なのに対し、BNPC空間はそのようなFinsler多様体の一般化と見なすことができる。本講演では、近年のLytchak-永野(2019, 2022)およびLytchak-永野-Stadler(2024)によるCAT(0)空間に対する一連の位相的結果がBNPC空間に拡張されることを紹介する。具体的には、BNPC位相多様体のリンクによる特徴づけ、BNPCホモロジー多様体の特異点の離散性、またBNPC4次元位相多様体がEuclid空間に同相であることを示す。証明はBNPC空間のFinsler的な性質をとらえることが鍵となる。ただし講演は技術的な詳細よりも元の結果を含めた全体的な背景に焦点を当てる予定である。本講演の内容はShijie Gu氏(Northeastern University, China)との共同研究に基づく(プレプリント準備中)。