種数gの閉双曲曲面上の閉測地線を写像類群の作用で動かしたもの全体において,長さL以下のものの個数は$cL^{6g-6}(c>0)$に漸近することが知られている(Mirzakhaniの結果). 閉測地線は基本群の元の共役類に対応するので,一般化して"基本群の有限生成部分群の共役類"の個数の数え上げ問題を考える.この場合,有限生成部分群の共役類に対してその"長さ"の測り方が問題だが,重み付き有限生成部分群の共役類の完備化であるサブセットカレントを利用することで,ある種自然な測り方でMirzakhaniと同様の漸近公式が得られることが分かった. 本講演では当該分野の専門知識をあまり仮定せず,得られた結果を解説したい.