本講演では,吸引的--吸引的な二重冪型非線形項をもち,分散構造に冪が1/2より大きい分数冪ラプラシアンを含む Benjamin--Ono 型方程式の進行波解の安定性について考察する.安定性の証明は Grillakis--Shatah--Strauss(1987) に基づき,作用汎関数の線形化作用素に対する強圧性を導くことに帰着される.一方,方程式に分数冪ラプラシアンが含まれることから,Fukuizumi(2003) による非線形 Schr\"{o}dinger 方程式の定在波解の安定性を示す方法をそのまま適用することはできない.そこで,本研究では基底状態の特徴付けや正則性について詳細に考察し,前述の困難点を解決する.