タイトルのGreenberg予想とは「有限次総実代数体の円分$Z_p$拡大体の最大不分岐アーベル$p$拡大は有限次拡大であろう」というものであり,岩澤理論の創始期から興味深い問題とされてきた.しかしながら,実円分体に限っても未解決の予想であり,Leopoldt予想や岩澤予想($\mu=0$)とは状況が異なっている.この予想は総実体ではない場合にも一般化されており,「有限次代数体の全ての$Z_p$拡大の合成による$Z_p^d$拡大体の最大不分岐アーベルp拡大体のガロア群は$Z_p[[Z_p^d]]$加群としてpseudo-nullであろう」という多変数版となる.本講演では,数論的特殊元を用いた一変数および多変数の予想に対する具体的な判定法や計算結果について述べ,より詳しい岩澤加群の構造を求めようとする研究動向についてお話ししたい.