次数mの幾何的ブレイド(組み紐)は、円柱に高さに関して単調となるように埋め込まれたm本の紐の集まりであり、円板の異なるm点の運動の軌跡ともみなせる。ブレイドの上側と下側に現れる端点をm本の紐を使って円柱の外部で自然に閉じることで、3次元ユークリッド空間内の閉曲線の集まり、すなわち、絡み目が得られる。このことから結び目理論でもブレイドは古くから重要な研究対象となっている。Artinの定理によって、次数mのブレイドがなす群(ブレイド群)を自由群の自己同型群に埋め込むことができる。この講演では、2次元ブレイドとループブレイドという2つのブレイドの高次元化について紹介する。