2次元Landau-Lifshitz-Gilbert(LLG)方程式におけるhelical stateと呼ばれる定常解まわりの解の時間減衰評価について考察する. LLG方程式は, 未知関数が$\mathbb{R}^3$の単位球面に値を取り, およそスカラー値における複素Ginzburg-Landau方程式に対応する方程式の構造を持つ. Helical stateは1次元方向に周期的に依存し, その他の変数について定数という特徴をもつ. 線形化解析ではOh-Zumbrum(2010)やJohnson-Zumbrun(2011)に倣い, Bloch-Floquet理論を用いた周波数分解を適用し, 低周波部における時間減衰評価と高周波部におけるエネルギー不等式を得る.