確率論セミナー


2019/7/23(Tue)

16:30--18:00 理学部 E404/406/408 大セミナー室数学教室 大セミナー室 (E404)

竹居 正登

横浜国立大学

半直線上の強化ランダムウォークについて

強化ランダムウォーク(Reinforced Random Walks)は,ウォーカーがグラフの各辺に与えられた重みに比例した確率で推移し,ウォーカーが通った辺の重みを増加させるというモデルである.本発表ではグラフが半直線である場合の極限挙動について得られた結果をお話しする.辺を横断するたびに重みをc>0だけ増加させる線型強化ランダムウォークについては,Takeshima (2000)によって極限挙動の判定条件が与えられている.確率1で再帰的となる場合について,ウォーカーの行動範囲の広がりを記述する極限定理を紹介する.一方,重みの増やし方が横断回数に対して非線型な関数の場合,どのような極限挙動を示すか判然としない場合がDavis (1989)以来残されている.この問題に関して,赤堀次郎氏・Andrea Collevecchio氏との共同研究で得られた結果を紹介する.