整数論保型形式セミナー


2019/6/28(Fri)

13:15--14:15 理学部 E404/406/408 大セミナー室

伊藤 和広

京都大学 理学研究科

CM liftings of K3 surfaces over finite fields and the Tate conjecture (伊藤哲史氏,越川皓永氏との共同研究)

有限体上定義された楕円曲線が虚数乗法を伴う標数 0 への持ち上げ (CM lifting) を持つことは Deuring によって示された定理である.今回の講演では,有限体上定義された K3 曲面が finite height であれば CM lifting を持つことを,直交型志村多様体の整正準モデルと久賀・佐武構成を使って証明する.その構成の応用として,虚数乗法を持つ複素 K3 曲面の自己積に対する Hodge 予想(向井,Buskin による定理)を用いて,有限体上定義された K3 曲面の自己積についての Tate 予想を証明する.