幾何セミナー


2023/6/19(Mon)

13:30--15:00 ハイブリッド(理学部E404およびZoom)

谷口正樹

京都大学

随伴不等式と4次元トポロジー

4次元多様体論において, 滑らかに埋め込まれた曲面の種数を下から評価する随伴不等式と呼ばれる不等式がある. 複素2次元射影平面に対する随伴不等式は, d次曲線の種数を求める随伴公式を不等式の形にしたもので, 現在ではsymplectic 4次元多様体に一般化されている. また, 随伴不等式は曲面の滑らかさを反映するものであり, 4次元多様体の微分構造の解明において大きな役割を担ってきた. この随伴不等式の証明は, ゲージ理論やHeegaard Floer理論を用いる. この講演では, Seiberg-Wittenゲージ理論のhomotopy論的な側面を発展されることで, 随伴不等式を境界付き4次元多様体に滑らかに埋め込まれた境界付き曲面に対するものに一般化する. また, 先行研究との比較, そこから得られる幾つかの微分構造, symplectic cap/fillingへの応用を述べる. この研究は, 飯田暢生氏, 今野北斗氏, Anubhav Mukherjee氏らとの共同研究を含む. ***セミナー室に来られない聴講希望者のためにオンラインでのセミナー映像のリアルタイム配信を企画しております. Zoomのリンクは講演一週間前までに幾何学メーリスでお知らせいたします. 幾何学メーリスに入っていない方で講演を聞きたい方は岩井(masataka"at" math.sci.osaka-u.ac.jp)までお問い合わせ下さい.