トポロジーセミナー


2023/2/15(Wed)

17:00--18:30 理学部 D505/506 セミナー室

山﨑晃司

金沢大学

ホモトピー原理の圏論的構造

ホモトピー原理 (homotopy principle) またはh-principleとは,トポロジーの手法を応用して偏微分不等式/方程式の問題を解く強力な道具である.HirschとSmaleによるはめ込みの分類は現在ではHirsch-Smaleのホモトピー原理と呼ばれ,ホモトピー原理の初期のモデルとして知られている.HirschとSmaleの結果はGromovによって一般化(Gromovのホモトピー原理)され,特異点論やシンプレクティックトポロジーなど様々な分野への応用が知られることとなった.Gromov理論の整備は,現代的にはEliashbergらによる方法が支持されているが,Gromov自身による層理論的ホモトピー原理の手法もある.今回は今後の研究計画として,層理論的ホモトピー原理の圏化,岡理論の層理論的見直し,その他の予想などを中心に概説する.