談話会


2022/10/17(Mon)

17:00--18:00 E404+Zoom

縄田 紀夫

大阪大学 情報科学研究科

作用素環への群作用について

作用素環論は1930年代のvon NeumannとMurrayによる一連の研究から始まった関数解析学の一分野である. 特に, ヒルベルト空間上の有界線型作用素全体のなす環の適切な位相および共役作用素をとる演算で閉じた部分環を研究対象とする. 可換作用素環は(連続または本質的有界な可測)関数環に同型で有限次元作用素環は行列環(の直和)に同型であるが, 非可換かつ無限次元な作用素環が作用素環論で興味のある研究対象になる. 本講演では作用素環論の概説を中心に行い, 最後に自身の最近の研究結果である$\mathcal{W}$と呼ばれる興味深い作用素環への群作用の分類について紹介する.