トポロジーセミナー


2022/7/13(Wed)

17:00--18:30 理学部 D505/506 セミナー室

糸 健太郎 

名古屋大学

3次元球面の凸多面体と2次元球面のタイル張り

3次元球面 S^3 の中の任意の凸多面体 P に対して,その双対多面体 P* が定義できて, この P* も S^3 の中の凸多面体となる.このとき次が成り立つ: 定理 P と P* の全ての面を用いて2次元球面 S^2 のタイル張りが得られる. この定理は F. Fillastre and J.-M. Schlenker, Illiois J. Math. 56 (2012) において得られている. このセミナーではこの定理の証明を説明したい. 基本的な道具立ては,S^3 をリー群 SU(2) と同一視し,Maurer-Cartan form を用いて S^3 の単位接ベクトル束からS^2 への写像を作る点にある. Fillastre-Schlenker の証明の中では自明として扱われている点で, 私が非自明だと感じて自分なりの証明を付けた部分があるので,その点についても説明したい. また,Fillastre-Schlenker は反ドジッター空間 AdS^3=SU(1,1) においても対応する結果を得ているので, 時間が許せばその内容についても言及したい.